
見せつけたブラジル勢の底力
序盤からボールを持つ形を取ったのはフラメンゴ。典型的な4バックからの3-2-5変形で布陣を組む。LSBのルーカスが1つ後ろに下がるか、もしくはCHのブルガルがサリーする形での3バックが主流。エスペランスが中央をきっちり封鎖する守備を組んできたこともあり、ワイドにボールをつけながら攻撃を仕掛けていく。サイド攻撃も大外をベースにハーフスペースの突撃を促すなど、非常にオーソドックスな保持型チームの振る舞いを見せる。
中でも効いていたのは右の大外に立つジェルソン。ロングボールを収めてよし、対面と正対しての仕掛けもよしと幅が広い機能性を果たす。先制点もこの右サイドから。ジョルジーニョの縦パスをスイッチに右に大きく展開、ファーサイドからの折り返しをデ・アラスカエタが仕留める。
反撃に出たエスペランサは保持の機会を増やしていくが、フラメンゴの守備に苦戦。中盤からジリっと押し上げての選択肢の限定が見事でなかなか攻撃が中盤を越えることができない。
そうこうしている間にボールを持つのはフラメンゴ。エスペランスの反撃ムードを鎮圧し、3-2-5の保持からポゼッションのリズムを作っていく。
後半、気合を入れ反撃に出てくるエスペランスだが、フラメンゴは見事にハイプレスを回避。深さを作って相手のプレスを引き寄せ、間延びしたところにロングボールを打ち込むことで陣地回復。後半もボール保持からテンポを作る。
しかし、粘り強いエスペランスの守備は少しずつフラメンゴの守備のミスに漬け込むことができるように。中盤でボールを奪い、一気に敵陣への進撃を増やしていく。カウンターはやや淡白でゴールを目指すにはもう一手が欲しかったのが正直なところではあるが。
少し流れの悪いフラメンゴは前線を入れ替えてロングボールを入れることで陣地回復。プラタへのロングボールからアラウージョが豪快なシュートを決めてフラメンゴはリードを広げる。
苦しみながらもエスペランスの反撃を交わしたフラメンゴ。スコア的には2-0の完勝で初戦を飾った。
ひとこと
中盤のブルゴルのロングボールの跳ね返しがエスペランスにコストの低い陣地回復を許していなかったのが印象的。ブラジルはいいチームが多い。
試合結果
2025.6.16
FIFA Club World Cup
グループステージ 第1節
フラメンゴ 2-0 エスペランス
リンカーン・フィナンシャル・フィールド
【得点者】
FLA:17′ デ・アラスカエタ, 70′ アラウージョ
主審:ダニー・マッケリー