
デラップは上々のデビュー戦に
素晴らしい入りをしたのはロサンゼルス。前からチェイシングにくるチェルシーの前線に対して、アンカーのジェズスが見事に外してのキャリーに成功。チェルシーのプレスの切れ目を狙い撃ちする。
10分も経てばボールを持つのはチェルシー。ククレジャを前に押し出す3-2-5系からのビルドアップが中心となる。ロサンゼルスは前がかりにプレスに来ることはなかったので、あんまりハイプレスに捕まるという感覚はなかったが、前進がうまくいっているかは微妙なところ。ややナロー気味に構えるロサンゼルスのブロックに対してなかなかインサイドの起点を作ることができず。
そのため、ポジションを微妙に動かしたのはジェームズ。3バックの一角ではなく広がって幅をとり相手の前線にコンパクトに守ることを許させない。これによってインサイドのパスワークは機能しやすくなった感がある。
その一方でアタッキングサードにおける仕上げはやや心許なさが先行。オフザボールのテンポが一歩遅く、相手を外せるパスワークは見られなかった。
保持率では上回る展開で足りない仕上げを補ったのはトランジッション。ククレジャの素晴らしいインターセプトから起動したファストブレイクからチェルシーは先制。パーマーがスピードを落とさなかった速攻をネトが完結させてチェルシーが均衡を破る。
後半、ロサンゼルスはジルーを投入。旧友との対戦となるベテランFWで活性化を狙う。しかしながら、チェルシーは再び3-2-5ベースの保持から落ち着いて後半の試合に入る形。中盤ではロサンゼルスに重要なパスを入れることを許さず、カウンターから逆襲に出るなど順調な入りだった。
50分前後はロサンゼルスが交代直後のグストを狙い撃ちすることで決定的なチャンスを迎える。だが、ネトのプレスバックとサンチェスのセーブでチェルシーはピンチをなんとか凌ぐ。
ロサンゼルスは時間経過とともに中盤をコンパクトに維持することができないように。この状況はデビュー戦となったデラップにとっては好都合。サイドの裏に流れての加速と降りて受けての反転の両面でチェルシーの攻撃を活性化する。2点目に繋がったサイドの裏に流れるデラップとボックスに入ってくるエンソのパターンは来季のプレミアでも見られるスコアリングの形かもしれない。
試合は流れが変わらないまま終了。チェルシーが順当に白星発進で勝ち点3を積み上げた。
ひとこと
さすがにここはチェルシーの底力が上かなという力関係だった。
試合結果
2025.6.16
FIFA Club World Cup
グループD 第1節
チェルシー 2-0 ロサンゼルスFC
メルセデス・ベンツ・スタジアム
【得点者】
CHE:34′ ネト, 79′ エンソ
主審:ヘスス・ヴァレンズエラ