アストンビラ【3位】×リーズ【15位】

交代での活性化成功も手痛い足踏み
前節はブライトン相手に薄氷の勝利を手にしたアストンビラ。今節は引き続きホームでリーズとの一戦。戦力のやりくりが苦しい中、上位に食いつきつつ迫りくる4位以下の足音も気にしなければいけないフェーズに入っている。
立ち上がりにアストンビラが見せたのはトリックプレー的なセットプレー。一回集合をかけるフリをして蹴りこむフェイントはキックの精度が伴わずに成立しなかった。しかし、ハイプレスに出ていくことでリーズのバックスにはプレスをかけていく。リーズはロングキックをベースに対応していくように。
一方のリーズの非保持はアストンビラのポゼッションに制限はかけないスタート。だが、サイドに押し込むことができる場合は圧力を上げていくなど様子を見ながらプレスはかけていく。ラインの設定もそれなりに強気で陣形はコンパクトだった。
ポゼッションするアストンビラはサリーで中盤をブロックの外に逃がしつつ裏にボールを蹴りこんでいく。しかし、この試みは延々とオフサイドに阻まれてしまう格好に。ワトキンスはなかなかボールに絡むことができずにストレスをためていく。
逆にリーズはキャルバート=ルーウィンが見事にオフサイドを回避しながら前進。クリティカルなチャンスを場面も迎えていく。
時間経過とともに押し下げるシーンを作ることができるアストンビラ。ラインが下がっても踏ん張るリーズは引き続きワトキンスに仕事をさせない。ライン間をコンパクトにキープする状況を死守したリーズに対して、アストンビラはなかなかチャンスを作れず。44分の抜け出しがようやくらしい攻撃だったが、ダーロウの冷静な対応でしのぐ。
攻撃ではシュタハがスーパーなFKで先制点。勢いに乗る展開で先制点以降はミドルを中心にゴールに迫っていく。
後半、アストンビラは広げながらのポゼッションからスタート。保持ベースから解決策を探る。だが、なかなか展開は活性化せず。
エメリは選手交代から変化をつけていく判断。交代で右サイドを強化していくと、ここからジリジリと相手を押し下げていく。
リーズは下がりすぎてしまった感。ヌメチャを投入し、キャルバート=ルーウィンと2トップに移行することでロングボールの的を増やした陣地回復を狙っていく。
前線をいかに活性化させるか対決となった後半にゴールを決めたのはアストンビラ。88分にエイブラハムがゴールを決めて試合を振り出しに戻す。しかし、逆転までは至らず。苦しい試合運びとなったビラは勝ち点1での足踏みを余儀なくされることとなった。
ひとこと
さすがに内容が苦しく、ここから上位チームを連勝で追っていけるイメージを持つのが難しいアストンビラだった。
試合結果
2026.2.21
プレミアリーグ 第27節
アストンビラ 1-1 リーズ
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:88‘ エイブラハム
LEE:31′ シュタハ
主審:マイケル・オリバー
ブレントフォード【7位】×ブライトン【14位】

トンネル脱出はハイクオリティ
プレミアの最多出場記録をこの試合で樹立することとなったミルナー。ヒュルツェラーはスタメンでこのメモリアルな一戦に粋な演出を施す。
序盤は主導権の探り合い。ブレントフォードはCHが自由に動きながらスペースを探ることでショートパスからつなぎに行く形を作りに行く。
ブライトンも序盤はロングボールを駆使して出ていくことが多かったが、時間経過とともに保持の時間を増やしていく。中央はミルナーを基本線として多くの選手が出たり入ったりするスペースに。ヒンシェルウッド、グロスといったCH陣が使うのはもちろんのこと、SBのカディオールが絞るなど、かなり幅の広い使い方からチャンスを作りに行く。
アタッキングサードでもラインの流動性を見せたこの日のブライトン。左サイドは大外の三笘にこだわることなく、カディオールが外に流れるケースもしばしばだった。
非保持においても高い位置をキープするプレスからペースを緩めないブライトン。アンカー役のミルナーが前に出てプレスをかける姿勢はチームに出すシグナルとしては100点といえるものだろう。
ブレントフォードは前線に収める場所を作れず。25分にヘンダーソン→チアゴに出たロブパスがようやくチャンスになったが、この千載一遇のチャンスをチアゴは仕留めきれなかった。
押し込むブライトンは順当に先制。対角パスからボールを受けた三笘からスペースをもらったカディオールのシュートがクロスバー。跳ね返りを冷静に押し込んだゴメスが先制する。
引き続き両サイドの攻撃を敢行して主導権を握るブライトン。追加点は先制点と逆の右サイド。ハーフスペースに抜け出したヒンシェルウッドの折り返しを処理し損ねたところをウェルベックが仕留めてリードを広げる。
後半、2枚交代を敢行したブレントフォード。ポゼッションからスタートする。ブライトンはロングボールから反撃するが、なぜかウェルベックがターゲットじゃないときが多かった。
ブレントフォードはライン間に入り込むダムズゴーを投入して展開を活性化しに行く。しかしながら、この日はブライトンの守備が優秀。取捨選択がはっきりしている4-4-2を組むことで簡単にライン間への侵入を許さない。後半に入ったシャーデをウィーファーとフェルトマンのリレーで封じたのも大きかった。
それでもブレントフォードが希望を捨てなかったのは空中戦での優位があったから。ボックス内でのデュエルから強引にブライトンのゴールをこじ開けに行く。
バランスを変えてさらに前がかりにするブレントフォード。だが、ブライトンはクリーンシートでの逃げ切りに成功。敵地での見事な勝利で久しぶりの3ポイントを手にした。
ひとこと
長らく勝てていないチームとは思えない出来。ミルナー、素晴らしかった。
試合結果
2026.2.21
プレミアリーグ 第27節
ブレントフォード 0-2 ブライトン
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:30‘ ゴメス, 45+1’ ウェルベック
主審:ジャレット・ジレット
チェルシー【5位】×バーンリー【19位】

優雅な展開を一変させた数的不利
前節はリーズ相手に2失点を溶かしてしまったチェルシー。どことなくホームで嫌なロスをしてしまった今節はホームでの1週間ぶりの試合となる。
序盤からボールを持つのはチェルシー。バーンリーの5-4-1に対して押し込みながらのポゼッションを敢行する。バーンリーはなるべく高いラインをキープしたかったが、その思惑を裏返すようにチェルシーが背後をとって先制。見事にギャップから裏抜けしたネトから折り返しをペドロが決めて早々にリードを奪う。
バーンリーは失点したことでハイプレスを敢行。この日はサンチェスがやたらと繋ぎたがる上に悪い意味でテンポを変えなかったため、普通にハイプレスを引き込んでピンチを生み出していた。
ただ、一方的にやられるのではなく、右サイドに顔を出すエンソからプレスを回避していくチェルシー。ポゼッションからテンポを整えると、リーズ戦のようにライン間に差し込みながらのチャンスメイクで徐々に敵陣に入り込んでいく。
2列目は不定形でリーズ戦以上に左右を入れ替えながらポジショニング。明確にベースポジションを変更している形で人を時間帯ごとに入れ替えていた。
バーンリーは左サイドからアンソニーが持ち運ぶことで反撃に出るが、なかなか陣地回復までは至らず。ビハインドのままハーフタイムを迎える。
迎えた後半もペースはチェルシー。ハイプレスでバーンリーのポゼッションを咎める形から敵陣に追い込んでいく。
特にハーフタイムで入れ替えたバーンリーの右サイドは混乱気味。ハイプレスに苦戦し一方的に押し込まれる展開に。チェルシーはボールを奪われた後のかさにかかったハイプレスの圧力が見事で試合展開を掌握。2点目が入らない不気味さだけを残しつつ主導権を握る。
時折飛んでくるフレミングへのロングボールを制圧しながら、優雅に試合を進めるチェルシー。しかし、フォファナの2枚目の警告による退場で試合は一変。バーンリーは数的優位を生かして押し込む展開に。
こういう状況は得意なバーンリー。アタッカーをつぎ込みつつ、エクストラキッカーのウォード=プラウズを活かすような運用を開始。チェルシーは交代で入ったアダラバイオにも一発退場のリスクのあるプレーが見られるなど、10人の体勢をうまく乗りこなしているとは言えなかった。
右サイドを中心に攻め込むバーンリーは後半追加タイムにセットプレーから同点。注文通りのキックを入れたウォード=プラウズのボールに合わせたのはフレミング。CBを多く入れたことで逆に混乱したかのようなチェルシーのセットプレーの隙をついて追いつく。
最後はデラップがパワーシュートを放つも豪快に枠外。チェルシーは2試合連続でホームで昇格組相手にリードを溶かすこととなった。
ひとこと
1点差は難しい。アーセナルもやったばかりだからよくわかる。
試合結果
2026.2.21
プレミアリーグ 第27節
チェルシー 1-1 バーンリー
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:4′ ジョアン・ペドロ
BUR:90+3′ フレミング
主審:ルイス・スミス
ウェストハム【18位】×ボーンマス【9位】

ボーダーをぐいっと上げられず
現状で残留ボーダーを決める存在と言ってもいいウェストハム。他クラブのサポーターの注目度も徐々に高まっていると言えるだろう。今節はやや持ち直した感のあるボーンマスをホームに迎えての一戦となる。
試合はいきなり決定機からスタート。セットプレーからディザシがいきなり2回のチャンスを迎えることとなったが、ウェストハムはこれを仕留めきれず。その直後にもサマーフィルが右サイドのカステジャーノスからのクロスを押し込めないシーンが。立て続けに迎えた得点のチャンスを逃してしまう。
対するボーンマスはウェストハムのゆったりした非保持に対して外循環で勝負。WGからの仕掛けでボックス内を狙うといういつもの戦い方からチャンスを伺っていく。
試合はボーンマスのポゼッションで推移するかと思われたが、非保持で間延びするような受け方をしている影響もあり、なかなか一方的に押し込むことができず。前半の中盤以降はアバウトなロングボールも増えたことでなかなか機能的な前進ができず。
ウェストハムも間延びしている中盤を活用してファストブレイクにいくが、アタッキングサードではやや味方と連携できない個人プレーが多かった。それ以前に中盤でのロストも多く締まりのない試合に。互いのロストからカウンターのチャンスを迎えるが、そのチャンスでもスピードアップができないという悪循環。試合は目立ったいいところがなかなか出せないままハーフタイムを迎える。
後半もメンバーを入れ替えなかったこともあり展開は同じ。いきなりのセットプレーからウェストハムがチャンスを迎えるところまで前半と共通していた。
基本的には保持におけるミスが出るもそれを相手が咎めきれず。そのままズルズルとした展開に持ち込まれることが多かった。
その流れに逆らうようにプレーをやり切ったのはWGのライアン。右サイドからの独力の突破から続々とチャンスを作り出していく。交代で入ったタヴァニアもこの流れに乗るように右サイドに進撃。終盤は多くのチャンスを作り出す。
一方のウェストハムもカステジャーノスのアクロバティックなシュートなどなかなかに豪快な形からゴールに迫っていく。試合は一進一退の攻防となった。
だが、最後までゴールをこじ開けることはできなかった両チーム。特に勝ち点的にシビアで相対的に優勢な流れで試合を進めていたウェストハムにとっては手痛い勝ち点ロスとなった。
ひとこと
ウェストハム、勝ち切りたかったところだろう。
試合結果
2026.2.21
プレミアリーグ 第27節
ウェストハム 0-0 ボーンマス
ロンドン・スタジアム
主審:サム・バロット
マンチェスター・シティ【2位】×ニューカッスル【10位】

エネルギッシュなニューカッスルを振り切って首位にプレッシャー
アーセナルがミッドウィークで足踏みをしたことにより、一気に首位奪取が現実味を帯びてきたマンチェスター・シティ。アゼルバイジャン帰りのニューカッスルをたたき、明日に試合を控えるアーセナルにプレッシャーをかけたいところだろう。
ゴードンがCF、ヴォルテマーデがIHというCLのシステムを踏襲したニューカッスル。非保持ベースの4-5-1でシティの保持に対して構える形でのスタート。
シティは従来のシャドーがナローなシステムをこの試合でも採用。左のマルムシュだけでなく、右のセメンヨも絞る形。左右の大外はSBのもの。ディアスの対角パスからのアイト=ヌーリからチャンスを作りに行く。
ニューカッスルはなるべくラインを高くキープしたいところだが、バーンがハーランドの対応で早々に警告を受けるなど制限がかかってしまう。それでも深く構えたところからゴードンが暴れまわるという形から十分に抵抗できそうなニューカッスルだった。
しかし、そうしたニューカッスルの攻め手を利用する形でシティは先制。狭く細かい段差を作りながら3トップはカウンターを敢行。最後はオライリーが仕留めて先制する。地味にヴォルテマーデに中盤で空中戦に勝利したロドリが効いていた先制点だった。
だが、押し込むニューカッスルはセットプレーから反撃。二次攻撃をホールが仕留めて同点。跳ね返りがシティにとっては不運な形で転がってしまった。
失点してもリズムを失わないシティ。右サイドからの旋回からハーランドの裏抜けを誘発すると、ゴール前に走りこんだのはまたしてもオライリー。すぐさま勝ち越しゴールを決めてリードを生み出す。
リードを奪われたことでハイプレスを起動するニューカッスル。カウンターからセンターラインに反撃されるリスクを負いながらニューカッスルは前から相手を捕まえに行く。セットプレーからバーンがネットを揺らした場面があったが、知能犯の一面を見せたディアスによってオフサイドとなり、ゴールは認められなかった。
後半はとにかく縦に速い展開の応酬。セメンヨ、ゴードンといった馬力のあるアタッカーが敵陣にスピーディに入っていく。
トランジッションに応戦しつつ徐々にテンポを落としていくシティ。ファストブレイクに対して途中交代で躍動するフサノフが広い範囲をアジリティを生かしながらカバーする。
アゼルバイジャン帰りを感じさせないニューカッスルは終盤まで強度を落とさず応戦。どちらかといえば終盤は勢いがつきすぎてのファウルで無駄にリズムを失ったくらいだった。
馬力で飲み込まれる展開すらあったシティだが、なんとか逃げ切りに成功。エネルギッシュなニューカッスルを撃破し、3ポイントを積み上げた。
ひとこと
2得点、どちらもきれいな形だった。
試合結果
2026.2.21
プレミアリーグ 第27節
マンチェスター・シティ 2-1 ニューカッスル
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:14’ 27‘ オライリー
NEW:22’ ホール
主審:トーマス・ブラモール
ノッティンガム・フォレスト【17位】×リバプール【6位】

まさかの劇的ゴールの再現
ヴィルツがアップ中に負傷したことにより、カーティスが先発にスライドすることとなったリバプール。ただでさえ薄いアタッカーの層がさらに厳しいことになってしまっている。
そんな悪い流れを引きずるかのように、リバプールはポゼッションから苦戦する立ち上がり。ファン・ダイク、アリソンが立て続けにミスを犯してあっさりとフォレストにボールを渡す。敵陣でボールを奪ったフォレストはそのままファストブレイクを敢行。ハドソン=オドイは1つの決定機を作り出す。
プレス回避に関しても安定のフォレスト。GKまでくるプレスを回避し、左右の高い位置のWGにボールをつけながら敵陣に入っていく。ハイクロス中心だったこともあり、リバプールの跳ね返しは安定していたが、フォレストの攻撃のターンを阻害することはできず。10分過ぎには左のハーフスペース付近に落ちるエキティケから前進できていたが、徐々にフォレストの中盤のプレスに屈して押し込まれる機会が続く。
一方的に殴り続ける機会を得ることができたフォレスト。リバプールは自陣からのパスワークから打開を探っていきたいところだが、なかなか陣地回復のきっかけをつかむことができず。試合はスコアレスのままながらも、明らかなホームチームのペースでハーフタイムを迎えることに。
だが、後半は試合が一変。前半は完全に試合の手綱を握ったフォレストだったが、後半は一転して受けに回ることとなった。ポゼッションはリバプールに移譲し、ミドルゾーンに構える形からなかなか前に出ることができない状態が続く。
カウンターにフォーカスしたのか?と思ったが、そういった局面でもなかなか出ていくことはできず。ボールとともに主導権もリバプールに渡してしまったかのような後半となった。
だが、ボールを持つ側になったリバプールも苦戦。保持の局面が増えながらもこじ開けることができず。交代するにしてもヴィルツが負傷でスカッドから外れたこの試合では攻撃的なタレントが枯渇。キエーザ、ングモハを投入するが、なかなかキラーカードにはならなかった。
それでも押し込むリバプールに後半追加タイムについにゴール。クロスからの決定機に対して、オルテガが一度はゴールを防ぐも、跳ね返りがマック=アリスターに当たりゴール。だが、このゴールはボールが腕に当たってハンドとされて認められなかった。
しかし、後半ATに結局ゴールを手にしたのはリバプール。ゴールを決めたのはまたしてもマック=アリスター。一度はオルテガが防いだところまで全く同じ道筋を描き、今度は正真正銘のゴールを決めた。
苦しいやりくりの中で何とか3ポイントをもぎ取ったリバプール。まさかの幻のゴールの再現で劇的な勝利を手にした。
ひとこと
こんなこともあるんだなぁ。
試合結果
2026.2.22
プレミアリーグ 第27節
ノッティンガム・フォレスト 0-1 リバプール
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
LIV:90+7‘ マック=アリスター
主審:アンソニー・テイラー
クリスタル・パレス【13位】×ウォルバーハンプトン【20位】

残留に大きな前進となる勝利
ミッドウィークではアーセナル相手に土壇場で勝ち点を確保。内容的には勢いに乗れそうな状況であるが、勝ち点3以外では降格に近づいているだけという彼らの状況で考えれば、決してポジティブと言い切れる結果ではない。
そのため、パレスとの一戦は非常にアグレッシブな立ち上がり。パレスもこのウルブスの強気なスタンスを正面から受け止める形。ハイラインのパレスのライン設定の背後を早々にピノが取るなど、先にチャンスを迎えたのはパレスの方だった。
時間の経過とともにパレスはポゼッションにシフト。幅を使いながら押し下げていく。ウルブスはロングボール一発での陣地回復を狙うが、アロコダレに対してはラクロワ不在のパレスのバックラインがなんとか踏ん張っていく。
楽はできなそうなウルブスは左サイドからの押し下げを敢行するものの、なかなか強引にこじ開けることはできず。パレスもショートパスから崩しを狙っていくが、時折光るウォートンを除けばクリティカルにボックス内に迫るシーンを作ることができなかった。
そうした中で千載一遇のチャンスを得たのはウルブス。自陣でのパレスのパスミスを咎めると、カウンターから素早くボックスに迫りアロコダレがPKを獲得する。だが、このPKはヘンダーソンがストップ。キーパーを褒めたい気持ちがあるが、コースも速度も甘かったキッカーにも責任がありそうな一幕だった。
試合はスコアレスのまま後半に。パレスは後半から鎌田を投入し、ポゼッションの局面を前半以上に整えていく。ウルブスも前半の途中からトライしている手数をかけた崩しに軸足を置く。試合は静的な局面が多い展開となっていった。
チャンスの少ない大人しい時間が続く試合を動かしたのは退場者。クレイチーの行動は不用意ではあったが、主審はかなり厳格なジャッジを下して2枚目のカードを提示した印象。何はともあれ、これでウルブスは10人に追い込まれることとなる。
均衡気味だった試合はパレスのポゼッションによるように。ウルブスは構えながら左サイドを軸にカウンターを打ち返しにいくが、アロコダレが下がって守備をする時間も長くなり、陣地回復は難しくなった。
崩せない焦ったい時間を終わらせたのは左サイドから入った的確なクロス。ミッチェルのスペースに差し込むクロスをゲザンが仕留めてパレスは90分にリードを奪う。
数的優位を生かした先制点をキープして逃げ切ったパレス。また一つ残留への足固めに成功した。
ひとこと
残留の皮算用的にこの3ポイントが持つ意味は大きい。
試合結果
2026.2.21
プレミアリーグ 第27節
クリスタル・パレス 1-0 ウォルバーハンプトン
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:90’ ゲザン
主審:トム・クリク
サンダーランド【11位】×フラム【12位】

淡白さが目立つホーム連敗
ホームでの連敗は避けたいサンダーランド。立ち上がりは高い位置からプレッシャーをかけてフラムを揺さぶっていく。フラムは左右にボールを散らしながらまずはプレスを鎮静化するスタート。
フラムのブロックは4-4-2ミドル。サンダーランドは広がるCBからボールを動かしていく。広げながら相手の逆をとっていきたいところだが、この日のサンダーランドはとにかく流れが悪かった。立ち上がりにムキエレが負傷すると、前半の終盤にはタ・バイが続いて交代。2回の交代カードを前半に使ってしまった。
選手交代の影響もあってかなかなかボールを繋ぐ局面で丁寧さを出すことができない。フラムは相手のブロックに対して内外をバランスよく使いながら攻撃。特に左サイドからケビンとセセニョンはもともと切れ味のある選手ではあるが、この日はシャープなオフザボールにも見どころがった。
だが、負傷の悪い波はフラムにも。ケビンが負傷し、こちらも前半で負傷交代に見舞われることに。前半はどちらかといえばフラムが優勢ではあったが、どちらのチームも怪我による交代枠の消費と停滞が目立ってしまう45分となった。
後半の頭はゆったりとしたスタートだったが、流れを変えたのはサンダーランドのトランジッション。フラムのカウンターを咎めるカウンターのカウンターからマンドルが決定機を迎える。だが、シュートは枠の外に飛んでしまいチャンスをものにすることができない。
すると、フラムはトランジッションから反撃。右サイドの奥を取るウィルソンからイウォビがミドルシュートのチャンスを迎える。このシュートは決まらなかったものの、その次のセットプレーからフラムは先制。高さを生かしたヒメネスの空中戦からゴールを決める。
さらにフラムは右サイドからの進撃から追加点。ウィルソンへの雑な対応とボックス内のホールディングという丁寧さを欠く2つの対応でPKを献上する。
交代で流れを変えたいサンダーランドだが、残された回数は1回。3枚交代で全てを賭ける。この交代から押し込むと、今度はセセニョンがPKを献上。ボックス内で入れ替わられたバラードを後ろから引き倒してしまう。このPKが決まり、試合は1点差に。
フラムは受けに回らずに前から潰しに行くことで残りの時間を過ごすことに。そのため、非常にオープンな展開から殴り合う形のスリリングな終盤戦に。
その甲斐あってフラムは試合を決める3点目を決めることに成功。3on3の同数の速攻を見事にイウォビが沈めてリードを広げる。
このゴールでスタジアム・オブ・ライトの観客は諦めムードに。ホームでの連敗で要塞に暗雲が立ち込める結果となった。
ひとこと
ちょっと淡白さは気になるところ。降格の心配はないだろうが、ずるずるといかないかは気にしたい。
試合結果
2026.2.22
プレミアリーグ 第27節
サンダーランド 1-3 フラム
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
SUN:76’(PK) ル フェ
FUL:54‘ 61’(PK) ヒメネス, 85‘ イウォビ
主審:クレイグ・ポーソン
トッテナム【16位】×アーセナル【1位】

引き出しの差がくっきりのノース・ロンドン・ダービー
レビューはこちら

程度は違えど、どちらも勝てない試合が続いている両チーム。監督を交代したトッテナムはハイプレスからアーセナルにプレスをかけていく。トゥドールらしい守備強度の引き上げからテンポを握ろうという算段だ。
アーセナルはショートパスをベースに前進。特にトッテナムのプレスが強いアーセナルの右サイド側から真っ向勝負。旋回からプレスを回避し、斜めにパスを差し込み、中央に起点を作って横断。左サイドからのギョケレシュのシュートはプレス回避からの横断が呼び込んだ成果だといえるだろう。
しかし、低い位置ではパスワークの乱れもあったアーセナル。トッテナムはハイプレスからのボール奪取でカウンターに。多くの場面はアーセナルの素早いネガトラに阻まれてしまっていたが、ティンバーにイエローカードを出させるなどそれなりにアーセナルへのダメージが伴うシーンもあった。
それでも両チームの間には差があったといえるだろう。ハイプレスからミスを誘発する以外はなかなかルートを作れないトッテナムに比べれば、アーセナルの前進は多様。先に挙げたプレス回避からの横断に加えて、ギョケレシュへのロングボールから前進を狙っていく。
押し込んだところからアーセナルは先制点をゲット。右の大外から突破したサカからの折り返しをエゼが仕留めてリードを奪う。
だが、トッテナムはすぐに同点。繰り返していたハイプレスからのひっかけがクリティカルに刺さって追いつくことに。ライスからボールを奪ったコロ・ムアニはそのまま強力なシュートでラヤの守るゴールを打ち抜いた。
本拠地の熱気による後押しからハイプレスに出ていくトッテナム。だが、アーセナルはこのハイプレスを冷静にいなすことに成功。リードしているムードをかき消しつつ、追加点を狙いながらハーフタイムを迎える。
後半、早々にゴールを決めたのはアーセナル。斜めに差し込んだパスから反転したギョケレシュが強烈なシュート。マークの受け渡しがうまくいかないトッテナムを尻目にいかにもストライカーという一撃を決める。
リードを奪われたトッテナムはショートパスからボールを動かしていく形にシフト。はじめはそれなりに刺さってはいたが、徐々に圧力を強めるアーセナルのプレスに屈するように。自陣で奪われたボールから一気に試合が苦しくなる3失点目を献上する。
こうなるともうリズムを取り戻すことができないトッテナム。アーセナルはギョケレシュのダメ押しの一撃を決めてホームと同じ4-1までスコアを引き上げることに成功。新監督初戦のトッテナムを文字通り粉砕して見せた。
ひとこと
引き出しの差は明らか。層も薄いトッテナムは早い段階でリードを得る以外に勝ち筋を得るのは難しかったように見えた。
試合結果
2026.2.22
プレミアリーグ
第27節
トッテナム 1-4 アーセナル
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:34‘ コロ・ムアニ
ARS:32’ 61‘ エゼ, 47’ 90+4‘ ギョケレシュ
主審:ピーター・バンクス
エバートン【8位】×マンチェスター・ユナイテッド【4位】

欠けていた強引さをもたらしたシェシュコ
ボールを持ったのはアウェイのマンチェスター・ユナイテッド。4-4-2同士のがっちりと噛み合う陣形から3バック気味にシフト。片側のSBを最終ラインに組み込む形からポゼッションを敢行する。
エバートンはサイドに圧縮しながら人を捕まえに行く形。ユナイテッドはこのプレスに捕まる前に縦パスを差し込んでいく。2列目はかなり自由なポジショニングでブルーノはフリーマン、クーニャもベースポジションにとらわれない動きを見せた。
押し込まれる状況を跳ね返すようにエバートンは長い距離を陣地回復。エンジアイがキャリーから反撃の様相を見せていく。ただ、ユナイテッドのリトリートが間に合ってしまうと、なかなか苦しいのは確か。トップのバリーが降りるアクションをするなど努力しているのはわかるが、インサイドに起点を作るのには苦労していた。
序盤は安定して押し込むユナイテッドだったが、徐々にエバートンのプレスに早い段階で捕まるように。スライドが間に合わされているユナイテッドは保持で進めるラインが下がっていく。こうした時の強引な前進手段のなさはユナイテッドの今後を見据えた課題になるだろう。
デュエルの激しさでは優位を見せたエバートンだったが、そこからゴールに直結する動きを見せることはできず。サイドからの崩しも限定的で優勢ではあったが、得点に近づいている感じはしなかった。
後半も先にシュートまでたどり着いたのはエバートン。アームストロングのミドルで勢いをつけると、ここからプレスラインを上げながらユナイテッドのポゼッションを阻害していく。
ユナイテッドは細かいパスがズレ気味でなかなかリズムを作ることができない。シェシュコ投入で何とか強引な前進の手段を備えに行く。
ただ、エバートンもロストが多く、保持でリズムをつかめないのはお互い様。試合は中盤のデュエルの差し合いが増えていく。
やや膠着気味の試合を救ったのはシェシュコ。見事なゴールで均衡した試合を打開する。
リードした後はユナイテッドがラインを下げて受ける形。やや下がりすぎてしまって攻撃を受ける場面もあったが、ここはラマースのファインセーブでしのぐことに成功。つないで試合をコントロールするという感じではなかったが、後半追加タイムにはシェシュコが試合を終わらせるチャンスが訪れるなど追加点の機会はあった。
やや受ける機会も作られながらもエバートンの空中戦をしのぎ切ったユナイテッド。見事な勝利で4位をキープした。
ひとこと
エバートンは少し攻め筋にかけていた。
試合結果
2026.2.23
プレミアリーグ 第27節
エバートン 0-1 マンチェスター・ユナイテッド
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
Man Utd:71‘ シェシュコ
主審:ダレン・イングランド
今節のベストイレブン

