エバートン【8位】×バーンリー【19位】

CBがまたも勝利の扉を開く
まずはエバートンがボールを持つスタート。バックラインに対してバーンリーはプレスをかけず、ボールを持たれることを許容する立ち上がりとなる。
SBが構造的に浮きやすい噛み合わせなので、エバートンはまずはサイドにボールをつけるところから。左サイドからのブランスウェイトを活用したところから少しずつ相手の守備を動かしていく。
前線ではベトが動きながらボールを引き出すアクションを。グリーリッシュが離脱してから少しずつCF陣はなんとか起点になろうと彼らなりの努力を見せていると思う。
バーンリーの保持に対して、エバートンはマンツーマンからのハイプレスからスタート。ゆったりとボールを持つことができないバーンリーの攻撃の軸はファストブレイク。アンソニーとフォスターの2人からの速攻でチャンスを探っていく。中盤でハンニバルがフリーで彼が出し手となれれば一気にチャンスが広がる展開。
だが、そうした流れは稀。基本的にはエバートンが一方的に押し込む展開に。それでもなかなかインサイドに差し込むことができないエバートンに対して、バーンリーは徐々に2トップがプレスの圧力を強めていく。
しかし、バーンリーの圧力を跳ね返すようにエバートンは先制。セットプレーからターコウスキがゴール。ファーに構えるお馴染みの形から2試合連続CBが先制点を飾り、試合を動かす。
バーンリーはハイプレスに軸足を置くシフト。だが、エバートンはむしろ出てきてくれる分チャンスが広がる格好に。
追いかけるバーンリーはロングボールからスタート。フォスターにボールをつけつつ、サイドに展開するところから押し下げを狙っていく。
エバートンはファストブレイクから反撃を狙いつつ、相手のプレスが落ち着いたところではポゼッション。緩急をつけながらチャンスを作っていく。落ち着きを取り戻したエバートンは見事な横断から追加点。デューズバリー=ホールのゴールからリードを広げる。
追いかけたいバーンリーだがなかなかボールを奪い取ることができない。勢いに乗るエバートンは左サイドの旋回から主導権。ゲイェのミドルからあわや3点目というシーンを作り出す。
終盤にはピックフォードのファインセーブもあったが、基本的にはエバートンの完勝。前節に続く複数得点で連勝を飾ったエバートンだった。
ひとこと
エバートン、文句なしの完勝だった。
試合結果
2026.3.3
プレミアリーグ 第29節
エバートン 2-0 バーンリー
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
EVE:32′ ターコウスキ, 60′ デューズバリー=ホール
主審:ティム・ロビンソン
ボーンマス【10位】×ブレントフォード【7位】

展開は変われどスコアは変わらず
ともに強度がガッチリしているチーム同士の試合。連戦となるミッドウィークで持ち味を発揮できる状態なのかは注目される一戦だ。
序盤はバタバタとした入り。両チームともロングボールベースで落ち着かない展開が続く。ボールが落ち着くと、支配的に振る舞うことができたのはボーンマス。ハイプレスから相手のバックラインを追い回し、ボールを蹴り出すとチアゴなど前線の起点になる選手を咎めてラインを高くキープする。ブレントフォードは前を向く選手を作れず、前進がままならなかった。
ただ、押し込むことができるからそのまま攻撃を効果的に重ねていけているかは別問題。ボックス内はなかなかタイトでなかなかアタッカーが入り込むことができなかった。
ブレントフォードは20分過ぎから少しずつ押し返すが、主導権が動いたというよりはどこでプレーするかが変わっただけ。主導権はどちらのものにもならず、停滞した展開が続くことに。
やや流れが変わったのは前半の終盤。再び押し返したボーンマスがほんのり攻撃の手応えを掴む。まずはドリブルやエヴァニウソンの縦関係を生かしたクリスティ。中央のスペースに切り込みながらシュートに向かう。
ワイドではWGが躍動。1on1を制することができるライアンとオフザボールで抜け出すタヴァニアの両翼から少しずつボックス内に迫っていく。しかしながら、ゴールをこじ開けることはできず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半も再び主導権の綱引きからスタート。ボーンマスが攻め込みながらブレントフォードが跳ね返す展開が中心となる立ち上がりとなった。
トランジッションでゴールに迫ったのはボーンマス。ヒメネス→タヴァニアへのキラーパスや、エヴァニウソンのタメに飛び込むスコットなど後半も相対的にチャンスが多い展開に持ち込んでいく。
展開は終盤になるにかけて少しずつオープンに。引く位置での保持が乱れることで互いにカウンターを打つことができる展開を迎えることに。
終盤戦のブレントフォードはファーサイドへのクロスの連打からチャンスメイクに挑むがこじ開けることはできず。ボーンマスは終盤戦に再び右サイドからの攻め手で優位に立つがネットを揺らすことはできず。試合はスコアレスドローで幕を閉じた。
ひとこと
ボーンマスの方が優位だったのは思うが、全体的に決め手に欠けていた試合だった。
試合結果
2026.3.3
プレミアリーグ 第29節
ボーンマス 0-0 ブレントフォード
ヴァイタリティ・スタジアム
主審:クレイグ・ポーソン
リーズ【15位】×サンダーランド【12位】

セットプレーしかない停滞をセットプレーで切り拓く
強豪相手に善戦が続くリーズとやや序盤戦の勢いが消えかけているサンダーランド。直近の試合のトレンドがやや異なる両チームによる一戦だ。
リーズは高い位置からボールを奪いに来るなど積極的な姿勢。サンダーランドは左右に動かしながらこれを回避。横への揺さぶりもそこそこにこの日は早めに縦に入れていく。
リーズは保持においては3バックをキープ。グルエフが最終ラインに落ちながらもサイドを押し上げる形で右サイドの選手に高い位置に取らせる。
しかしながら、サンダーランドは4-4-2からスムーズにスライドすることでリーズのポゼッションを阻害。特にSH-SBの縦へのスライドが見事でリーズに大外で簡単に前を向かせない。
プレスにおいても延々と引き分けが続いている感があるリーズ。ボールを高い位置で奪いきれないが、ひっくり返して前に進まれることもない。両チームともチャンスは少なかった。そうした中で迎えたシュタハのFKは相手の壁が割れたこともあり、かなり大きなチャンスだった。
結局、停滞した試合においてはセットプレーが大きなチャンスになるということだろう。リーズは直接FK、サンダーランドはCKからほんのり得点の匂いがするが、なかなかこじ開けられないままハーフタイムを迎えることとなった。
後半も展開は似たような形。リーズがボールを持つ時間帯を長くしつつ、両チームともなかなか流れの中からはチャンスを作ることができない。
早めに前の選手を交代することで流れを変えようとする両チーム。だが、この試合は結局のところ鍵を握ったのはセットプレー。先にリーズはフリーキックに合わせたロドンがネットを揺らすが、これはオフサイドによって取り消し。
すると、直後のプレーで混戦からサンダーランドはPKを獲得。アンパドゥのハンドにより、サンダーランドは絶好の先制のチャンスを得ることに。ダーロウはディアッラのPKを足先に当てたものの防ぎきれずにゴールイン。サンダーランドが70分に試合を動かす。
終盤はお馴染みのWG投入からパワープレーモードに入るリーズ。ただ、ボックス内の跳ね返しはサンダーランドの得意分野でもある。この日が初先発となったエルボーリも落ち着いてブロック守備の中核としての務めを果たす。
ひとこと
ちょっと両チームとも動きが重く、セットプレー以外では動かなそうな試合だった。
試合結果
2026.3.3
プレミアリーグ 第29節
リーズ 0-1 サンダーランド
エランド・ロード
【得点者】
SUN:70′(PK) ディアッラ
主審:スチュアート・アットウェル
ウォルバーハンプトン【20位】×リバプール【5位】

またしても上位陣がモリニューで足止め
5位まで手に入るであろうCL出場権争いは激化。チェルシーとアストンビラが足踏みをしている間に4チームが3枚のカードを争う状況となっている。リバプールとしてはモリニューでの一戦は絶対に落とせない試合だ。
序盤からボールを持つのはリバプール。相手の5-3-2のブロックに対して、SBがボールを持ちながらジリジリと前進。ウルブスは縦方向にスライドすることもなく、ある程度ボールを持たれることは許容する形。ボールを奪い返すことができたら右サイドからのファストブレイクで一気にチャチュアがボールを持ち運びながらリカバリーをする。
ハイプレスに出てくるリバプールに対して、ウルブスは左右にボールを動かしながらポゼッション。相手のマークを一歩遅らせてプレスを広げたところでインサイドに差し込むことができるように。アームストロングにボールを当てつつ大外に展開するなどチャチュアの脚力をより能動的に使っていく。
リバプールは少しずつラインが下がっていく。エキティケのカウンターから素早く敵陣に入っていく形が生まれること自体は悪くはなさそうではあった。
前半の終盤は再びリバプールが押し込む展開。サイドにボールをつけることで押し下げつつ、WGの仕掛けで得たCKからセットプレーで試合を動かすことを狙うという地道なシーンの連続だった。
しかしながら、どちらも試合は動かせず。ウルブスは前半は得点どころはシュートがないまま終えることとなった。
後半も流れは同じ。リバプールが押し込みながらウルブスを一方的に攻め立てる展開。やや変化があったのは攻めるアプローチだろう。右サイドは枚数をかけながら敵陣に入る前に抜け出したりフリーの選手を作り出したりする。
しかし、クリティカルなのは結局のところセットプレー。ニアフリックからファーに詰めたカーティスが決定機を迎えるが、シュートが枠を捉えることができない。
一方的に押し込まれるウルブスは選手交代で流れを変える。中盤にベルガルドなどタメが効く選手を入れたことでそれまでよりは多少押し返すことができるように。WGの交代がなかなか活性化につながらなかったリバプールよりは選手を入れ替えた効果は見られた。
終盤に貴重なチャンスを仕留めたのはウルブス。アロコダレがファン・ダイク相手に収めることに成功すると、ここから抜け出したロドリゴ・ゴメスが一瞬時が止まったようなシュートを仕留める。
このゴールで試合は一気にオープンに。枚数をかけて攻め立てるリバプール。ジョゼ・サのセーブに阻まれるシーンが続くが、ベルガルドのパスミスから一気に反転に成功。サラーがニアを打ち破ってゴールを決める。
しかし、終盤のオープン合戦を制したのはリバプール。カーティス→アリソンのバタバタパスワークを拾って前に進んでいくと、アンドレのシュートがディフレクトしてゴールイン。一気に着火した終盤戦を制したのはウルブス。アーセナル、アストンビラに続いてリバプールの足止めに成功した。
ひとこと
両チームともに重そうだったが、前にスピード感あった状態で運べたのはどちらかといえばウルブスの方だったかもしれない。
試合結果
2026.3.3
プレミアリーグ 第29節
ウォルバーハンプトン 2-1 リバプール
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:78′ ロドリゴ・ゴメス, 90+4 アンドレ
LIV:83′ サラー
主審:トーマス・ブラモール
ブライトン【11位】×アーセナル【1位】

勝ったことが正義
レビューはこちら。

2つのロンドン・ダービーに連勝。アーセナルはシティに迫られてから根性の粘りを見せている。対するブライトンは長い未勝利のトンネルを抜けてから連勝。こちらも勢いに乗って首位チームを迎え撃つ。。
序盤からキーになるのはアーセナルの保持にまつわる駆け引き。アーセナルの左右に揺さぶるビルドアップにブライトンは必死に食らいついていく。トップに対するCHのスライドがこの日は見事だったブライトン。先発復帰したバレバからいきなり特大の決定機を迎える。
一方、アーセナルも出てくるブライトンのCHの背後に縦パスを入れて前進。エゼからのワンタッチでサカが決定機を迎える。
結局のところ、アーセナルのビルドアップ時の縦パスを起点とするトランジッション合戦がどちらに転がるか?というのが大きな肝だったこの試合。立ち上がりにトランジッションを制して右サイドの展開からアーセナルは幸運な先制点を手にする。
前半の中盤以降はポゼッションの機会を増やすブライトン。特張り出したファン・ヘッケがサポートする右サイドは攻撃が安定。アーセナルのCHを動かしつつ、インサイドに差し込む縦パスに合わせてレイオフからの中央の突破を狙っていく。
しかしながら、アーセナルはネガトラが好調。簡単に相手にボックス内を侵略させない。ライス、ガブリエウの面々のまず遅らせる姿勢は見事。ロングボールからのカジュアルな前進ができない分、カジュアルな陣地回復は見えてこないが、粘るアーセナルがリードしてハーフタイムを迎える。
後半は意外とマイルドな入りとなったこの試合。それでも徐々にブライトンがボールを持ち直すと、左右のサイドからクロスをガンガン入れていく。特にファーのCBの背後にクロスを入れていく形。ボックス内に入っていくブライトンのCH陣が細かい駆け引きから空中戦で優位に立つ。
だが、徐々に運動量が低下したブライトン。アーセナルはハヴァーツからの前進に安定感を見出し、徐々に展開はフラットに。
最後は4-4-2のミドルブロックにシフトすることでゲームクローズを行ったアーセナル。前節はややバタバタしていたノアゴールも見事に組み込んでの逃げ切り勝利。アーセナルは苦しみながらもブライトンを下し、連勝を3に伸ばした。
ひとこと
このまま首位で終わればこの1勝が大きいと賞賛されそうだし、負ければこういうサッカーだからダメなんだと言われるのだろうなという試合。
試合結果
2026.3.4
プレミアリーグ 第29節
ブライトン 0-1 アーセナル
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
ARS:9′ サカ
主審:クリス・カヴァナー
マンチェスター・シティ【2位】×ノッティンガム・フォレスト【17位】

魂の1ポイント
ウェストハムとの勝ち点差が徐々に詰まっているフォレスト。熾烈になる残留争いの最中に迎える今節は優勝争いの真っ最中となるマンチェスター・シティとの一戦に挑む。
5-3-2で中央をきっちりと固める方針を打ち出したフォレスト。ロドリに対しては因縁のギブス=ホワイトが監視を行う。シティはいつも通り保持からできることを探っていく。2CBの傍に起点を作り、この位置から中盤を動かして縦パスを差し込みにいく。基本的には前5枚で守りたいフォレストを縦に間延びさせるイメージ。ベルナルド、チェルキ、フォーデンなどがブロックの中でぐるぐると旋回をする。
バックスをフリーにする選択をフォレストがするのであればダイレクトに背後を取るアクションからチャンスを狙っていく。フォーデンの抜け出しからセメンヨのシュートなど少ない手数から確実にシュートの機会を作る。内側も難しいと感じるのであれば、外循環から突っついていく形も入れていくなど、かなり多彩な攻め筋である。
フォレストはサイドの裏をトランジッションでつく形からチャンスを探っていく。アイナがスピードを生かした攻め上がりを見せることはできているが、なかなかそうした機会を設けることができず。一方的にシティに押し込まれてしまう。
わずかなスペースを後方から作っていき主導権を握るシティ。先制点は32分。グエイのドライブからボールを引き取ったチェルキが作った深さにセメンヨが飛び込んでリードを奪う。
前半の終盤も相手のDFの背中を取るアクションからチャンスメイク。引き続きシティは得点の機会を伺うことができる展開だった。
後半、シティはゆったりとしたポゼッションでフォレストを押し込んでいく。やや変化があったのはフォレストの保持で前半よりはポゼッションの時間を作りながらの攻め筋を作っていく。フォーデンとハーランドの間のギャップなど使えそうなところは徐々に出てきた。
ただ、決め手になったのはファストブレイク。そこからの横断で最後はギブス=ホワイトがテクニカルがゴールをゲット。少ないチャンスで追いつくことに成功する。
だが、シティもすぐに反撃。セットプレーからロドリがゴール。ハーランドのブロックを活用し、セルスの動きをうまく制限したことが得点につながる。
ベルナルド、チェルキを中心に試合をコントロールするシティ。なかなか反撃のきっかけが掴めないモードに再び突入するフォレストだが、ふってわいた保持の機会から再び同点。簡単なワンツーでマークを外したアンダーソンのミドルからまたしても追いつく。
終盤は一方的に押し込んでいくシティ。雨あられのようなシュートを浴びせ続けるが、セルスのセーブでなんとかフォレストは粘っていく。最後の大混戦による決定機はムリージョのスーパーブロックによってカット。文字通り、1ポイントを死守したフォレストが残留争いに大きな1ポイントを手にした。
ひとこと
フォレスト、数少ないチャンスを見事にゴールに繋げて見せた。
試合結果
2026.3.4
プレミアリーグ 第29節
マンチェスター・シティ 2-2 ノッティンガム・フォレスト
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:31′ セメンヨ, 62′ ロドリ
NFO:56′.ギブス=ホワイト, 76′ アンダーソン
主審:ダレン・イングランド
フラム【9位】×ウェストハム【18位】

したたかに残留ラインを上げる
例年は決まりきった3チームが沈みゆく姿を眺めているだけだった残留争いは明らかにヒートアップ。紛れもなくボーダーである18位にいるウェストハムが近年においてきっちりと勝ち点を積み続けていることが大きな要素だろう。
ともに4-4-2ベースでのボール保持からスタートしたこの試合。相手のバックラインには特にプレスをかけずにゆったりとボールを動かしていくスタート。
相対的にまだ前にプレスをかけていくことができたのはフラム。サイドに蓋をする形で高い位置にプレスにスライド。ウェストハムに縦に速い展開を強いていく。
インサイドにパスを差し込むのはハードだったウェストハムはサイドからじりっと押し下げる。敵陣のボックス内ではあわやイウォビのハンドというシーンもあり、フラムに冷や汗をかかせる場面もあった。
一方フラムはややファストブレイクベースでの対応。イウォビは今節も好調で左右のハーフスペースに突撃しながらシュートまで持っていく。
前半終了間際にはキングがインサイドに入り込む動きからファウル奪取。このFKから繋がるCKから決定機を迎えたがハーマンセンがファインセーブで凌ぐ。
前半はとてもピックアップすべき場面が少なめ。どの局面でも比較的守備側が優勢であり、どちらに主導権があるとも決められないまま45分が終わってしまったなという感覚だった。
後半も流れは前半と同じ。ボールを中盤で奪い合い、相手に攻撃の形を作らせないという地道な主導権の綱引きが行われることとなる。
フラムの攻めの局面でPKが生まれたかと思われたが、これはOFRによって回避。不運な衝突としてカステジャーノスのコンタクトは難を逃れた。
このジャッジからほんのりとウェストハムが勢いをつけていく。サマーフィルが左サイドからクロスを上げてウィルソン、ソーチェクのどちらかが触れれば!というシーンはここまでのこの試合の1番の決定機だ。
だが、試合をこじ開けたのはミス。レノとバッシーの連携ミスで生まれた大チャンスをサマーフィルが逃さずにゴール。容赦無くウェストハムが先制点。連携ミスと言えばそうだが、どちらかといえば出て行ったGKとして無責任なプレーをしてしまったレノに責任を問いたくなってしまう。
押し返しながら反撃を狙うフラム。大外からボックス内を抉るように侵入するもなかなかこじ開けることができず。ハーマンセンは後半もカスターニュのシュートをセーブするなど活躍を見せる。
守りきって大きな3ポイントを手にしたウェストハム。残留ボーダーの引き上げに見事成功した。
ひとこと
ミスを見逃さないしたたかさ。いよいよ残留圏は射程圏内だ。
試合結果
2026.3.4
プレミアリーグ 第29節
フラム 0-1 ウェストハム
クレイヴン・コテージ
【得点者】
WHU:65′ サマーフィル
主審:マット・ドノヒュー
アストンビラ【4位】×チェルシー【6位】

単一攻略法でゴールまでの道筋を確立
中盤の離脱から一気にリズムを崩したアストンビラ、直近で勝ちなしがかさんでいるチェルシー。過熱するCL争いにおいて非常に重要な直接対決だ。
序盤から強度の高い激しい展開。ビラ・パークの声援が緊張感のある立ち上がりをプッシュする。高まる雰囲気の中で先制点を決めたのはホームチーム。右サイドに展開したところからベイリーが1on1からクロスを上げる隙を作ると、飛び込んだドウグラス・ルイスが先制点を決める。
基本的には両チームとも攻撃の作りは同じ。インサイドに縦パスをつけて起点を作り、サイドに展開して突破するという流れ。ビラはワトキンスに加えてライン間にロジャースやブエンディアをおいていく。
しかしながら、優勢なのはチェルシー。そうしたインサイドのパスワークに加えて、バックラインからの自由な配球からチャンスメイク。フォファナの対角パスやカイセドの背後へのタッチダウンパスなど、アストンビラの前からのプレスが決まらないことを逆手にとって大きな展開を使っていく。
チェルシーの攻撃を牽引していたのは左サイド。ガルナチョ主体のサイド攻撃からクロスやシュートでゴールに迫っていく。
アストンビラは押し下げられる中で徐々にカウンターにシフト。ワトキンスを終点とした縦に速い攻撃を狙う形で割り切っていく。
同点ゴールを呼び起こしたのは序盤から刺さっていた大きな展開から。エンソからハーフスペース付近を抜け出したグストの折り返しをペドロが仕留めて追いつく。
以降も左サイドから延々と攻めるチェルシー。ファストブレイクでワトキンスにネットを揺らされた時は冷や汗をかいたが、押し込み直すと前半終了間際に再びペドロがゴール。瞬間的に中央のマークが緩くなったところから裏パスでのラインブレイクを許し、ビラは前半のうちに逆転されることに。
後半も展開は同じ。アストンビラはハイプレスから流れを変えにいくが、チェルシーのバックラインにいなされてしまいなかなか前から咎められず。
特に中央の縦方向のギャップが致命傷に。アストンビラのCH付近からフリーマンを作ると、そこからサイドの裏でスピードアップ→折り返しという決定機のメカニズムが延々とビラに刺さる展開となる。
チェルシーはこの必勝法で大量のチャンスを作り出すと、パーマーとペドロが追加点。ペドロはこのゴールでプレミア初のハットトリックを達成することとなる。
1-4になったところで試合のテンションは急落。どちらも勝敗は決したというムードから残りの時間を淡々と過ごす。
シックスポインターを制したのはチェルシー。CL争いの中で唯一の勝利となり再び3位集団はフラットになった。
ひとこと
1つの攻略法でこんなにバコバコ点を取られてしまいビラはさすがに深刻。
試合結果
2026.3.4
プレミアリーグ 第29節
アストンビラ 1-4 チェルシー
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:2′ ルイス
CHE:35′ 45+6′ 64′ ペドロ, 55′ パーマー
主審:ジャレット・ジレット
ニューカッスル【13位】×マンチェスター・ユナイテッド【3位】

10人で無敗を止める
立ち上がりにいい入りをしたのは連敗を避けたいニューカッスル。幅を使いながらのポゼッションに対して、マンチェスター・ユナイテッドはやや受けに回る立ち上がりとなった。
ゴードンのポストから少しずつ攻め筋を探していくニューカッスル。左サイドからスムーズな前進でマンチェスター・ユナイテッド陣内の奥に徐々に進んでいく。
マンチェスター・ユナイテッドは反撃に出たいところだが、ボールを持ちながら攻められるポイントがなかなか見つからず。縦パスに対してニューカッスルは厳しくチェックにいき、ロングボールも楔もきっちりと封殺してみせた。
それでも右のムベウモにボールを預けることで陣地回復に成功したマンチェスター・ユナイテッド。ボックスにはなかなか入ることができないが、深さを使ったミドルを打つことでニューカッスルのゴールを長いレンジから狙っていく。
マンチェスター・ユナイテッドの重心が上がる分、ニューカッスルはファストブレイクの頻度が上がっていくが、なかなか攻め切ることができず。パスのズレで推進力が出なかったり、細かいファウルでリズムを失ったりなど詰めの甘さが垣間見える。さらにはシミュレーションでラムジーが退場を食らい前半のうちに数的不利に陥る。それでもゴードンのカットインから強引にPKを奪取。10人で先制点をもぎ取ることに成功する。
だがマンチェスター・ユナイテッドも長い前半ATの最後に得点。カゼミーロの空中戦で追いついたところでハーフタイムを迎える。
後半、不可解だったのはマンチェスター・ユナイテッドの突然の機能低下。4-3-2という強気の布陣のニューカッスルに対して、プレッシングは嘘のようにボールを追いかけることができず自陣に押し込まれてしまい、そこからの即時奪回に屈してボールを前につけることができず。10人がどちらかわからないという表現はよく聞くが、この場合は10人がマンチェスター・ユナイテッドのようにも見える状況だった。
右サイドのショウ周辺を狙い撃ちにしながら攻め込むニューカッスルが主導権を握る後半。それでもマンチェスター・ユナイテッドが徐々に押し返す時間を増やしていき、サイドから深さをとりながら敵陣でのプレータイムを逃していく。
だが、その苦しい状況を打開したのは交代したオスラ。右サイドからのファストブレイクで一気に攻め切ると左足で豪快なシュート。マンチェスター・ユナイテッドの淡白な対応もありながらも、素晴らしいゴールで勝ち越しゴールを決めた。
10人になってから力を発揮したニューカッスルが辛勝。マンチェスター・ユナイテッドに2026年初黒星をつけた。
ひとこと
後半のユナイテッドのギアダウンは不可解だった。
試合結果
2026.3.4
プレミアリーグ 第29節
ニューカッスル 2-1 マンチェスター・ユナイテッド
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:45+6′ ゴードン, 90′ オスラ
Man Utd:45+9′ カゼミーロ
主審:ピーター・バンクス
トッテナム【16位】×クリスタル・パレス【14位】

衝撃の前半で焼け野原に
今節はフォレストもウェストハムも勝ち点を確保。確実に残留ボーダーが引き上がっている状況の中で特に下位にいるトッテナムは絶対にポイントが欲しい状況である。
3-4-2-1で噛み合わせるフォーメーションを選択したトッテナム。しかし、前節と同様に一気にハイプレスに行くことはなく様子を見ながら。サイドから簡単に進むことができたパレスはセットプレーの流れからウォートンがゴールに迫る。
ボックスの高さをキープしながら押し下げるパレスを序盤はトッテナムが耐え凌ぐ展開。しばらくするとポゼッションからリカバリーに成功するトッテナム。ファン・デ・フェンのキャリーなど少しずつ押し下げる手段を作り出していく。
アタッキングサードにおいてはフラム戦の後半で手応えがあったソウザとテルの左のユニットから攻撃に出ていく。パレスはカウンターにフォーカスしていきたいところだが、右のWBのムニョスを失い、片側サイドの推進力が出せなくなってしまう。
苦しくなったかと思ったパレスだが3トップのスムーズなカウンターからサールがネットを揺らす。だが、この場面のサールは頭半分オフサイド。ゴールは認められない。
トッテナムは直後のセットプレーで先制。エンドラインからウォートン相手に反転に成功したグレイがソランケのゴールを生み出す。
このゴールでトゥドール政権初のリードシチュエーションを得たトッテナム。だが、その状況はすぐに崩壊。擁護しようのないファン・デ・フェンの一発退場からスパーズはリードと数的均衡を手放してしまう。
ひとまずは守り切る5-3-1にシフトするトッテナム。だが、5バックの並びはグレイ、ポロ、パリーニャ、ダンソ、テル。CB1人、WG1人、MF2人という狂った人員構成。押し込まれる中であっさりとラインコントロールで後手を踏み、立て続けに2つの失点を記録する。
後半、ビハインドからなんとか立ち上がりにセットプレーからのチャンスを迎えるトッテナム。ダンソのロングスローも含めて間違いなくセットプレーが命綱。この時間帯で絶対に決めなきゃいけないセットプレーというのも珍しい。
惜しいシーンまでは作り出したトッテナムだが、パレスがボールをもてば当然一気に押し下げられてしまう。ゆったりと時計の針を進めながらトッテナムが時折セットプレーからゴールを狙う展開。パレスも完全に試合を支配するほど優れた後半ではなかったが、それでも10人の今のトッテナム相手に簡単に後手を踏むこともないというニュアンスだった。
リシャルリソン、シモンズを投入し、最後まで何かを起こそうとしたトッテナム。だが、最後までその何かは起こらず。ガラガラのスタンドに残ったファンにプレゼントを渡すことができなかった。
ひとこと
終了間際に色々あった試合はよくあるのだけども、前半にこれだけ色々ある試合は珍しい。ハーフタイムのへの突入がスタジアムから帰るファンを空撮で映す映像だったのも含めて衝撃的な試合だった。
試合結果
2026.3.5
プレミアリーグ 第29節
トッテナム 1-3 クリスタル・パレス
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:34′ ソランケ
CRY:40′(PK) 45+7′ サール, 45+2′ ストランド=ラーセン
主審:アンディ・マドレー
今節のベストイレブン

