
相性に則った完勝
両チームの勝ち点差は3。チェルシーは上をいくトッテナムを追い落とすための絶好のチャンスと言える一戦。アゼルバイジャン遠征前の試合でなんとか勝利を収めたいところだろう。
目新しいベリヴァルのSH起用はいきなりの負傷で狙いが見えないまま終了。交代したシャビ・シモンズもベリヴァルと同じくインサイドに絞りながらのポゼッション。CHに引っ張られるように出ていくジェームズの背後をポイントとする形で縦パスを引き出すように降りていく。
大雑把に言えば、この形がハマるかどうかがチェルシーペースかトッテナムペースかに流れる分かれ目だったと言えるだろう。奪えればチェルシーペースだし、ここから加速できればトッテナムペースという感じであった。ややファウルが多く、展開としてはどちらのものでもないという感じであった。
チェルシーの保持においてはサイドにボールをつける外循環。トッテナムからボールを奪うトランジッション要素を絡めればチャンスになりそうな場面もあったが、シンプルにプレッシャーのない状況でサイドにつけるパスがズレてしまい、攻めきれなかった。
ファウルで試合がぶつ切りになるところも含めて試合はなかなかどちらかのものにならなかった展開。そうした試合を動かすのはミスかスーパープレー。この試合は前者だった。自陣での不用意としか言いようのないパスワークを掻っ攫われてしまい、カイセド→ペドロのラインで先制ゴールを決める。
このゴールで勢いに乗ったチェルシーはハイプレスでリズムを掴み、トッテナムを自陣から出させない。チェルシーがペースを握った状態でハーフタイムを迎える。
後半もテーマとしては同じで保持をベースにトッテナムが前に進めるかどうかがポイントになっていく展開。チェルシーのプレスは後半も機能性十分。トッテナムの左サイドに追い込むようなプレッシングからボールを奪いショートカウンターに。
敵陣でのプレーはファーサイドのクロスが有効。逆サイド狙いでトッテナムのマークの薄いところを狙っていく。
トッテナムはなかなか自陣から脱出することができない苦しい展開。ボールを奪い返すフェーズでは立ち上がりとは異なりむやみやたらに追いかけるケースが見られてしまい、チェルシーに受け流される場面もあった。
なかなかおい上げムードにならないトッテナムを尻目にチャンスを積み上げていくチェルシー。ヴィカーリオのセーブに阻まれて1点差は広がらないがそのまま試合を終えることには成功。チェルシーが相性のいいトッテナム相手に勝利をあげて先週の雪辱を果たした。
ひとこと
トッテナムはなかなかホームで勝てていないということで少し終盤にチームの追い上げを願うムードにスタジアムが染まりきらなかったなというのが気になった。
試合結果
2025.11.1
プレミアリーグ 第10節
トッテナム 0-1 チェルシー
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
CHE:34′ ジョアン・ペドロ
主審:ジャレット・ジレット
