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「裏抜けの効果を増幅させるために」~2025.12.23 カラバオカップ 準々決勝 アーセナル×クリスタル・パレス プレビュー

目次

Fixture

カラバオカップ 準々決勝
2025.12.23
アーセナル
×
クリスタル・パレス
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でアーセナルの8勝、クリスタル・パレスの1勝、引き分けが3つ。

アーセナルホームでの戦績

 直近10回の対戦でアーセナルが5勝、クリスタル・パレスが1勝、引き分けが4つ。

スカッド情報

Arsenal
  • クリスティアン・モスケラ(足首)
  • ベン・ホワイト(大腿部)
  • ガブリエウ・マガリャンイス(鼠蹊部)
  • カイ・ハヴァーツ(膝)
  • マックス・ダウマン(足首)
Crystal Palace
  • 鎌田大地(大腿部)
  • イスマイラ・サール(AFCON)
  • ダニエル・ムニョス(膝)
  • シェイク・ドゥクレ(膝)
  • チャディ・リアド(膝)
  • カレブ・クポルハ(腰)
  • リオ・カルディネス(筋肉系)

予習

第15節 フラム戦

第16節 マンチェスター・シティ戦

第17節 リーズ戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

どこまでいけるかが見える1ヶ月

 カラバオカップはすでに準決勝の3枠が決定。残りの1枠は1週間遅れのミッドウィークのエミレーツで決まる。1週遅れの要因となったのは先週のミッドウィークに開催されたパレスのECL。木曜開催となったこの試合からパレスは6日間で3試合目。直近の試合のリーズ戦はなんとECLから中1日での開催という地獄としか形容できない日程。位置的にも運の悪いことにエランド・ロード開催。北部とロンドンのピストンをしながら3試合をこなす必要がある。

 アーセナルにとって順位的には8位のチームを迎えるのはもちろん油断はならない。しかしながら、パレスはここに来て序盤戦の固定メンバーが徐々に離脱していく形に。個人的には前半戦の過密日程の影響を最もおけた受けたチーム状況のように思える。

 今季稼働できている主力級の中で離脱しているのはムニョス、鎌田、サールの3人。このうち、サールについてはAFCONというどうしようもない状況が絡んでいる。鎌田とムニョスは年明けまで復帰が難しい情勢という苦しい状態である。そしてマテタは膝に問題を抱えている状態でプレーを続けている。

 本来のパレスの攻撃の強みは3つ。マテタ、サールなど個人の力を活かして独力で抜け切るファストブレイクが1つ、同じくマテタとサールが体を張ってキープすることで右のWBのムニョスの攻め上がりを生かす形が1つ、ナローなスペースを鎌田やウォートンの配球で間や裏を通すことでブロック攻略する形が1つである。

 だが、この3つはいずれも過密日程と負傷者で機能しにくくなっている。サールがおらず、マテタがコンディションを落としている状態では、前線のキープ力や抜け出しのシャープさを担保するのは難しい。かつ、2つ目はムニョスがいなくては成り立たない。

 3つ目は鎌田がいなくてもウォートンは出し手としても機能するが、ライン間の受け手としてはピノと並んで優秀な鎌田がいないことはインサイドを切り拓く上で痛手である。ヒューズ、レルマなどCHは代役がいるはいるが、いずれにしてもやりくりが苦しいのは確かだ。

 怪我人で人がいないことに加えて、過密日程でコンディションは最悪。中1日の2試合目とその後の中2日の3試合目のどちらかがきついかはなんとも言えないが、エランド・ロードでのパレスはとにかく体が重たそうで戦術そのものというよりは戦術遂行能力に大きな問題を抱えていた。

 そういう状態でもなかなか若い選手を迷わず起用できないのは控え選手が心許ないからだろう。レルマ、ヒューズが控えているCHはともかくとして、それ以外のポジションは苦しさが先行。CBに関してはカンヴォをもう少し使ってもいい気がするが、グラスナーは頑なにレギュラーの3枚をキープしている。

 WBと前の3枚についても同じ方針だったが、負傷によって強制的に方向転換をさせられてしまっている状況。前線のエンケティア、エッセ、デベニー、ウチェあたりの成長がなかなか見られないのはもどかしく、それゆえに前線の選手は先発出場が続くだけでなく、交代の時間も遅くなってしまっている。

 だが、こうなった以上は彼らにもやってもらうしかない。強制的にターンオーバーを余儀なくされているこの状況は控え選手たちにとっては大きなチャンス。彼らがこの過密日程の中でどのような働きを見せるかによって、今季のパレスがどこまでいけるかが違ってくるように思う。

人を変えてもボールを追いかけさせる

 もちろん、パレスよりはスカッド状態はいいが、アーセナルもここからタフな日程に突っ込んでいくことになる。人のことを心配する前に自分たちがきっちり乗り切ることを考えなければいけない。

 そのためには目の前のチームが嫌がることをする必要がある。パレスが一番嫌がる展開はボールを追い回し続ける形だろう。エランド・ロードではリーズがマンチェスター・シティに見えてくるように延々とボール保持を許していた。中2日のこの試合でもコンディションが大幅に改善されているとは考えにくく、苦しい状態を前提としてのやりくりを求められるはず。

 よって、アーセナルはまずはポゼッションから相手の誘導を外すエバートン戦のムーブの再現が必要になる。エバートン戦で好調だったスビメンディがいれば大きな問題はならない。

 しかしながら、ここから備える連戦に臨むのであれば、この試合は先週のリーグ戦で出番が少なかった選手たちを活用したい。アーセナルにとっては勝利を志しつつも、当然プレータイム管理も重要な試合。となれば、エバートン戦で主人公だったスビメンディではなくノアゴールやメリーノ(前線起用の可能性もあるが)などの中盤コンビの候補として挙げられる。

 逆に中盤の問題を解決できればそれより前は充実の人員が組める。ジェズス、マドゥエケ、マルティネッリ、エゼ、ヌワネリは前節はベンチスタート。このメンバーだけでスターターを組むことができる。プレータイムを少しは消化したいであろう主力組も含めてクリスタル・パレスよりは楽な運用が可能だ。なお、バックラインは引き続きいる人がやるしかない!という状況だ。

 まず、アーセナルに求められるのはスビメンディ抜きでのエバートン戦の再現。このメンバーでそれが難しいのであれば、FAカップも含めた国内カップ戦での上位進出は厳しいものになるだろう。

 アタッキングサードにおいてはパレスの最終ラインの背後を狙っていきたい。そのためにはワイドのCBに食いつきたくなる位置に人を置きたいところ。1つ食いつかせるためのパスを入れてそこから少ないタッチでの背後を取るアクションまで澱みなく進むことができれば理想的である。

 ハーフスペースを集中して狙う形は最近はできてはいるが、一発で後方から背後を狙おうとするとGKの飛び出しも含めて先読みで対応はされやすい。抜けるアクションを継続しつつ、その手前の部分でスペースを開けるセットアップを組めるかが同じアクションの効果を増幅するためのキーになっていくはずだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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