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「思わず被害者バイアス」~2026.3.4 プレミアリーグ 第29節 ブライトン×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第29節
2026.3.4
ブライトン(11位/9勝10分9敗/勝ち点37/得点38 失点35)
×
アーセナル(1位/19勝7分3敗/勝ち点64/得点58 失点22)
@アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でブライトンの3勝、アーセナルの7勝、引き分けが3つ。

ブライトンホームでの成績

過去10回の対戦でブライトンの2勝、アーセナルの5勝、引き分けが3つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • ブライトンは直近11試合のアーセナル戦で2勝(D3,L6)。どちらの勝利もエミレーツでのもの。2022年4月の2-1と2023年5月の3-0。
  • アーセナルはプレミアでのはじめ3試合のアメックス遠征で2敗(D1)を喫したが、直近5試合の遠征では無敗(W3,D2)。
  • 直近9試合のプレミアでのこのカードでの対戦はホームチームの勝利が2つだけ。3つのドロー、4つのアウェイチームの勝利。しかし、今季のエミレーツではアーセナルが勝利。どちらの対戦でもホームが勝てば2017-18以来のこととなる。
  • ブライトンは直近4試合のその日の首位とのホームゲームで2勝(D1,L1)。どちらも3-2のスコア。しかし、どちらの勝利でもすでに相手がプレミアのタイトルを獲得してからのもの(2021年5月のシティ、2025年5月のリバプール)。
  • アーセナルは直近19試合のナイトゲーム(現地時間19時以降開催)でのプレミアで無敗(W14,D5)。最後の敗戦は2023年12月のウェストハム戦。しかし、2026年での同条件でのゲームはいずれもドロー(リバプール戦、ブレントフォード戦、ウルブス戦)。
  • 13試合で1勝(D6,L6)のランを経て、ブライトンは直近2試合のプレミアで連勝。3連勝になれば2025年5月以来。
  • 9月から12月のプレミアのゲームにおいてアーセナルは9試合のアウェイゲームで11得点、1試合平均が1.1点。今年に入ってからは6試合のアウェイで14得点を挙げており、1試合平均は2.3点。
  • 今季のプレミアにおいてアーセナルが経験した20回の1-0リードのシチュエーションのうち、13回の先制点はセットプレーからPKのどちらか。先制点としてセットプレーかPKを獲得した回数としては単一チームの単一シーズンの最多プレミア記録。
  • ダニー・ウェルベックは今季のプレミアで10得点を決めて24-25のキャリアハイに並ぶ。もう1得点を決めれば、1999-2000のギャリー・マックアリスター(35歳)と2016-17のズラタン・イブラヒモビッチ(35歳)に続き35歳以上で10得点を超えた3人目のプレミアの選手となる。
  • ヴィクトル・ギョケレシュは直近7試合のアウェイでの公式戦で6ゴールに関与(5G,1A)。それ以前の12試合のアウェイゲームでは2得点、0アシストだった。

スカッド情報

Brighton
  • ヤシン・アヤリ(肩)
  • アダム・ウェブスター(膝)
  • ステファノス・ツィマス(膝)
Arsenal
  • マルティン・ウーデゴール(膝)
  • ベン・ホワイト(?)
  • デクラン・ライス(打撲)
  • マックス・ダウマン(脚+U-21出場)
  • ミケル・メリーノ(脚)

予習

第26節 アストンビラ戦

第27節 ブレントフォード戦

第28節 ノッティンガム・フォレスト戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

中盤のバランスで歯車が回る

 「このタイミングで当たりたくなかった」という言い回しはあまり好きではない。どこか被害者バイアスを感じるからだ。だが、このタイミングでブライトンと当たるとなると、正直「このタイミングで当たりたくはなかった」という言葉を使いたくなってしまう。

 未勝利の長いトンネルが続いた後に重ねたのは2つの勝利。反転したのは成績だけでなく内容もだ。ブレントフォード戦で見せたのは、ここまで未勝利の試合が続いていたチームとはとても思えない内容だった。

 復調の要因として大きかったのは中盤の構成が定まったことだろう。大ベテランのミルナーをアンカーに据え、ポジショニング感覚に優れるグロスとヒンシェルウッドがIHに入る形で再構成を行った。それがぴったりはまった感がある。

 今季これまでのブライトンは、どちらかといえば決まったポイントで威力を発揮できる大駒が攻撃の軸になっていることが多かった。右の大外に入るミンテ、トップ下やCFに入るラターなどが代表格といえる。

 だが、中盤にポジション流動性の高いグロスとヒンシェルウッドが入ることで前線に求められる要素も微妙に変化した。立ち位置を固定して破壊力を出すより、中盤やSBと連動して旋回し抜け出す能力が求められている。今、両翼に入っている三笘とゴメスはこなせるタスクの幅が広く、中盤3枚の構成に見事にマッチしている。

 ビルドアップでは中盤がポジションチェンジでフリーを作る。守備側がコンパクトな陣形構築を優先し、中盤にスペースができない場合は前線への飛び出しをCB2枚とGKからのフィードでサポートする。この点でもヒンシェルウッドやグロス、三笘には貢献が期待できる。後方や斜めからの飛び出しでギャップを作り、相手の対応を遅らせ、少ない手数で抜け出すパターンも持っている。

 グロスの帰還はやはり大きい。ビルドアップに人数をかけるか、前に飛び出していくかのバランスが整理された印象だ。チーム全体としては従来とやや文脈は異なっているが、後方からのボール保持で支配的に振る舞うブライトンは戻りつつある。

 機動力の高い中盤はプレスでも前に出ていく意欲が高い。ミルナーが率先して列を超えるプレスを繰り出すことも多く、こうなると周囲もサボれないだろう。後方のファン・ヘッケも前線にスライドして潰しを敢行することでハイライン維持の助けになっている。

 ブレントフォード戦の後半では、かなり機能的な4-4-2のミドルブロックを披露。どこまでついていくか、どこを埋めるかの判断が整理されており、4-4-2崩しの定番であるポケット対応も含めて統率された組織守備を見せた。

 中盤の再構築が完全にチームの転機になった。ピースがはまり、攻守を問わず多くの局面で歯車がかみ合っている。それが今の好調の要因だ。

ギョケレシュを起点に考えたい理由

 まず気になるのはこの試合のブライトンのメンバーだ。いくらタフさが売りとはいえ、ミルナーは40歳近い年齢。中2日での連戦でスターター起用ができるかどうか。同じ役割を担える控えは多くない。

 グロスを一列下げ、アヤリを1列前に入れるなどの代替策は考えられる。だが、3センターのバランス感覚こそが巻き返しの肝なだけに、いじるかどうかは微妙なところだ。

 アーセナルがどう攻略するかの話に移ろう。基本的にブライトンはきっちりとラインを上げる積極策が中心。まずは1on1で勝てる地点を作ること。

 一番効果がありそうなのはCFのところだろう。ギョケレシュとファン・ヘッケのマッチアップは狙っていきたい。広い範囲に動くことでファン・ヘッケを最終ラインから動かすことができるからだ。強引に反転を狙わなければ、挟んで2人で対応するケースが少ないブライトン相手なら収めることはできる。

 降りるアクションを入れることでファン・ヘッケがボールに突きにくい状況を作り出す。少ないタッチで味方に落とし、WGの斜めのランを絡めることで敵陣への侵入を試みたい。

 サイドのWGを活かした1on1も当然選択肢に入る。1on1なら引きちぎってほしいところだし、ダブルチームに来るならそれはそれでいい。WG、特に三笘を押し下げることができればそれもメリットの1つである。

 押し下げることができれば、ボックス内での空中戦にブライトンはやや不安がある。ダンクとファン・ヘッケ以外はあまり競り合いに強くない。ブレントフォードもシンプルなクロスから制空権を握っていたため、アーセナルもマドゥエケやハヴァーツなど、外側のレーンで空中戦に優位を取れるプレーヤーを活用するのはありかもしれない。

 チェルシー戦を見る限り、アーセナルのハイプレスのフィーリングは悪くない。ブライトン戦でも継続したいところだ。怖いのは抜け出す選手を捕まえにくいミドルブロック。ウェルベックとの単純な走り合いなら対応しやすいが、ピン留めされた周辺を抜け出すブライトンのMF陣を逃してしまうケースが最も怖い。

 撤退守備で完全に受けるのも怖いが、DFラインの背後に抜け出すスペースが生まれるミドルブロックが個人的には一番警戒度が高い。押し込む形ですりつぶすのが理想だ。撃ち合いは層の厚さでアーセナルが優位のようにも思えるが、ミンテやラターがベンチから出てくるなら、彼らが最も輝けるフィールドは撃ち合いだろう。

 上昇気流に乗り、スカッド的にも充実感があるのが今のブライトン。アーセナルにとっては連勝を重ねたロンドンダービー以上にタフな展開になってもおかしくない。ここを乗り越えれば次はFA杯。リーグを連勝で締めくくり、一息つきたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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