Fixture
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 1st leg
2026.3.11
レバークーゼン
×
アーセナル
@バイ・アレナ
戦績
過去の対戦成績

過去2回の対戦でアーセナルの1勝、引き分けが1つ。
Match facts from BBC sport
- レバークーゼンはイングランド勢とのノックアウトステージでの対戦では過去5回中4回突破。唯一の例外は2004-05のCLのリバプール戦。
- レバークーゼンのアーセナルとの過去の対戦はグループステージのみで2001-02の2ndグループステージ。レバークーゼンのホームで1-1のドロー、アーセナルのホームで4-1でアーセナルが勝利を挙げている。
- アーセナルのノックアウトラウンドにおけるドイツ勢との対戦は過去5回いずれもバイエルン。04-05,12-13,13-14,16-17のRound16と23-24のQF。
- レバークーゼンは直近3試合のCLで無敗(W2,D1)。いずれもクリーンシートを達成。この大会で過去に4試合連続のクリーンシートを達成した経験はない。
- アーセナルは今季のCLでビハインドを経験していない唯一のチーム(62%がリード、38%がタイスコア)。ドロー時におけるxGによる得失点差も+8で最多(xG:9.4 被xG:1.4)。
- レバークーゼンは今季ここまでハイターンオーバー(Chat GPTによると「相手陣地の高い位置でボールを奪うこと」)からの被シュート数が最も多いチーム(26)。ハイターンオーバーでロストしている回数も109回でこれより多いのはカラバフ(118回)だけ。
- 43%の今季のCLのレバークーゼンのチャンスは左サイドから生まれており、全チームの中で最も高い数字。LWBのアレハンドロ・グリマルドは23回のチャンス構築をしており、他のどのチームメイトよりも少なくとも12回多い(イブラヒム・マザ:11回)。
- ヴィクトール・ギョケレシュは14回のCL出場で10得点。そのうち4ゴールはキャリー(5m以上のボールを運ぶアクション)から生まれている。Round16までで昨季開幕からこれより多くキャリーから得点を決めているのは6得点のヴィニシウスと5得点のハフィーニャとラミン・ヤマルだけ。
- 昨季の開幕からユリエン・ティンバーは50回以上のタックルを試みた選手の中でドリブルで抜かれた割合(4/54, 7.4%)が最も低い選手。
- アレイクス・ガルシアは今季のCLで90分平均で16.6本のラインブレイクパスを記録しており、300分以上プレーしたMFの中で最も高い数字。
スカッド情報
- パトリック・シック
- アルトゥール
- ロイク・バデ
- エリッセ・ベン・セギル
- マーク・フレッケン
- ナタン・テラ
- ルーカス・バスケス
- ウィリアム・サリバ(足首)
- リカルド・カラフィオーリ(鼠蹊部?)
- レアンドロ・トロサール(脚?)
- ベン・ホワイト(?)
- マルティン・ウーデゴール(膝)
- ミケル・メリーノ(脚)
予習
CL PO 1st leg オリンピアコス戦

CL PO 2nd leg オリンピアコス戦

第24節 マインツ戦

第17節 ハンブルガーSV戦

第25節 フライブルク戦

予想スタメン

展望
自分たちらしさを出す上での足枷
ついに始まるCLのノックアウトラウンド。リーグフェーズで8連勝を遂げたのは素晴らしい成果ではあるが、ここからはそんな功績は関係なし。負けたら終わりの一発勝負である。
アーセナルの初戦の相手はレバークーゼン。シャビ・アロンソ就任を機にブンデスリーガを席巻し、中堅からさらにワンランク上のクラブにのしあがったドイツの雄である。
ヒュルマンド監督になっても陣形は同じ。3-4-2-1がフォーメーションのベースとなる。基本的には保持にかなり手数をかけるスタンス。フリーの選手をきっちり作るために変形を繰り返す。アーセナルのように2トップでプレスに来るチームであれば2トップの脇を起点にしながら、相手の陣形に揺さぶりをかけていく。
迷わずマンツーではめられてしまった場合はサリー。CHの2人のうちのどちらかが最終ラインに落ちる。誰が落ちるかは試合や時間帯によって流動性を持たせている。
バックラインはとにかくフリーの選手を作る。そしてそこから縦パスを入れていく。サリーをしてしまうのであれば、ややライン間の選手は不足することもあるが、その点を補う役となっているのはWBのグリマルド。左サイドからスルスルとインサイドに入っていき、フリーになったら大きな展開からボールをサイドに逃していく。

グリマルドがインサイドに入る際には、左の大外はシャドーが務める。ポクやマザといったサイドに張っても強みが出せる選手との縦関係でグリマルドの自由なポジショニングを補完する。ちなみにグリマルドが絞らなくてもテンポを掴める相手であれば大外に専念するケースもある。
このグリマルドはエクストラプレイヤー。プレースキックも含めたアタッキングサードにおけるキックの精度はレバークーゼンの得点手段における大きな武器となっている。
レバークーゼンの保持にはとにかくインサイドの景色をよくしたいというコンセプトが見て取れる。CH、特にガルシアに複数の選択肢を与えながら、小気味いいテンポで縦パスを入れていく。そのために周りは細かくオフザボールの動きを行い、パスを通せるゲートを常に調節し続ける。数的優位を生かすうまさはカウンター局面でも生きており、縦に速い攻撃も得意だ。
インサイドに通すのが難しいようであればアウトサイドに対角のパスを展開するという逃し方もある。大外のアタッカーには1on1で仕掛けていける選手を起用しており、ここからボックス内に入っていく形を視野に入れることができる。右サイドではSBロールをやるクアンサーもサイドアタックのアクセントになっている。
クロスに関してはCFのシックがファーに構える形。ロングボールも含めて制空権を握れれば大きい。土曜の試合は筋肉系の負傷で欠場しているが、この試合には間に合うのだろうか。
非保持はマンツーを主体としたハイプレスでまずはガッツリとぶつかってくる。相手の陣形が3-4-2-1と噛み合う形でなくとも、高い位置から陣形をズラしながらバックラインを捕まえにいく。高い位置から奪ってハイプレスまでいく形のスピーディーなカウンターが守備の理想系である。
ただし、ハイプレスに固執するわけではなく、自陣に下がって受けるケースに移行する割り切りの良さも垣間見える。その際は5-4-1でのミドルブロックに移行しつつ、そこから改めて2列目が出ていく形のプレスに移行し、なるべくであればラインを下げないような対応をしていく。
なるべくであればずっと自分たちのターンで延々と相手をねじ伏せたいチームであり、ハーフコートゲームから延々と殴り続ける形を作っていきたい。
攻守両面に懸念となるのはコンディションだろう。保持においては相手に複数の選択肢を作らせるためのオフザボール、非保持においては高い位置で相手からボールを奪い切る運動量が欲しいところ。だが、負傷者とそれに伴うメンバー固定の弊害で先に示した支配的なスタイルが試合終盤まで持たず、息切れしてしまうケースが増えてきている。
ポジション別に見ると最も苦しいのはアルトゥールとルーカス・バスケスの2人の本職がいない右WB。CFも気になるところでフライブルク戦ではシックが怪我していた中でコファネも負傷の影響からか終盤にコンディションを大幅に下げていた。3バック+CH、そしてグリマルドなどもかなり出場時間が嵩んでいる。バレていても相手を破壊するというよりは選択肢を多く作り乱したところを仕留めるイメージの方がつきやすいだけに、機能性が下がった時の脆さは気がかりである。
さらに180分単位の話をするのであれば、アーセナルとの1st legと2nd legの間に待ち受けている国内リーグの相手はバイエルン。文字通り、レバークーゼンにとっては山場の1週間になるだろう。
ハイプレス回避が最重要も懸念あり
アーセナルからすると国内以上に欧州では結果を出せているシーズンになっている。中でもドイツ勢はきっちりと向かってきてくれる分、基本的には相性は悪くないように思える。
まずはレバークーゼンが仕掛けるハイプレスを回避できるかどうかだろう。レバークーゼンはマンツー気味のプレスから前に出てくるチームではあるが、一人が出ていったところに連動が遅れる場面も目立つ。フライブルク戦では中盤中央がぽっかり空いたところを突かれて失点に繋がってしまった。
5-4-1で撤退した場面でもライン間の管理には甘さがある。1人を動かせばスペースが空く場面は少なくない。アーセナルとしては先手を取って相手の得意な試合運びを封じることができれば理想。差し込まれてしまった時に自分たちのリズムを取り戻すことはあまり得意ではないチームのように見える。
もちろんアーセナル側にも懸念はある。ここ数試合では自陣の低い位置からのパスミスから決定的なピンチを迎えるシーンが目立つ。普段の力を出せればかわせるプレスだとは思うが、その普段の力を出せない試合が続いていることも確かである。2列目の選手たちの降りるアクションがレバークーゼンのショートカウンターに繋がるのか、アーセナルの加速に繋がるのかは大きな分かれ目になる。
攻撃では少ない手数を使った前進も視野に入れていきたい。ハイラインを敷くレバークーゼンに対してはアタッカーが1on1の形を作りやすい。CCBのアンドリッヒはウニオン・ベルリン戦で1on1の対応ミスから失点を許しており、ギョケレシュの馬力が効くかどうかは試す価値がある。
ブロック攻略ではクロスも有効な手段になり得る。予想スタメンには反映していないが、ハヴァーツの起用など空中戦の強さを生かす形も一つの選択肢。レバークーゼンの守備はボックス内で相手に先に触られる場面も多く、高さにはやや不安がある。WBのクロス対応も懸念があり、ファーサイドからのクロスに対する駆け引きには付け入る余地がある。WGやSBは積極的にボックス内に入る動きを増やしたい。
もちろんセットプレーもチャンスとなる。通常の跳ね返しでも怪しい場面はあり、デザインされたセットプレーに対しても隙が生まれる可能性はある。ニアに入ってくるマルティネッリ、ファーに走り込むガブリエウといった形で制空権を握る展開は狙い目になる。
その上で大外から起点を作ることができればさらに心強い。本職はもう1列前ながらRWBの起用が予想されるポクのところを攻略できれば、アーセナルにとってはよりクリティカルなチャンスに繋がるはずだ。
非保持においてはまずインサイドを封鎖できるかどうか。ガルシアを中心としたテンポのいいパスワークを封じるには、縦パスを受けられるスペースをコンパクトに制限することが理想となる。内側でテンポを作らせず、大外へ迂回させることができればWBやマザの1on1に負荷をかけることができる。
圧力を受けた場面での逃がし方はそれほど得意ではなく、前線に長いボールを預ければ解決するタイプの選手もいない。バックラインを信頼して前から潰しにいく形は積極的に狙っていきたい。
2nd legがあることや敵陣で試合を進めたがる相手であることを踏まえても、試合のクローズはノースロンドンダービーのようなハイプレスからの制圧が理想となる。負傷者が多く、相手の選手層には不安がある。アウェイ連戦となるアーセナルも楽ではないが、週末を大幅ターンオーバーで凌いだ分はアドバンテージと言えるだろう。
優位に戦える材料はある。だが、ここからは一発勝負の怖さがある。退場者や一つのミスの重みが大きく変わる戦いが始まる。週末とCLでコントラストをつけながら戦うフェーズはここまで。週末もCLも常に目の前の相手に全力で向き合わなければいけない修羅の終盤戦がついに幕を開ける。
