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「Catch up J1 League」~2022.8.7 J1 第24節 湘南ベルマーレ×北海道コンサドーレ札幌 ハイライト

■大差のきっかけは最終ラインの対応から

 残留争いから遠ざかりたい両チームの一戦は序盤から意外なワンサイドゲームの様相を呈した。互いにロングボールで様子見をしながら前進する立ち上がり。このロングボールを有効打に繋げたのはアウェイの札幌の方だった。

 前線からのプレッシングの意識が高い両チームだったが、異なっていたのはロングボールの受ける対応の仕方である。湘南のバックラインがロングボールに対してタイトなアプローチをかけることができず、あっさり札幌に収めることを許したことでペースが彼らの方に流れる。

 札幌の攻撃のパターンはバックラインからのWBへの対角のパス、もしくはFWへの楔をポストでサイドに流してWBに繋げるという形のもの。いずれもサイドが出口になる形である。

 ここから札幌は一気に同サイドを崩し切るところでフィニッシュまで持ち込んでいく。サイドチェンジのやり直しが少ないまま崩し切ることができたのは大きく、札幌の逆サイドの選手たちは迷いなくエリア内に飛び込むことができていた。先制点の駒井の動きはお見事。ややマイナス気味に構えることでフリーになって見せた。

 ここからは札幌のワンサイドな展開。2点目の場面はトランジッションから一気にボールを進めると、背走を強いられた湘南のバックラインは非常に拙い対応に。最後は興梠が押し込んで追加点を奪って見せた。

 飲水タイム後は比較的ボール保持で落ち着きを見せるようになった札幌。ボールを最終ラインで繋ぎながら湘南をプレスに誘き出すようなアプローチが見られた。全体を押し下げた札幌は高嶺を起点とした前線へのフィードから宮澤が3点目を決める。試合は前半で大勢が決まってしまった印象だった。

 湘南は保持でも苦しんだ。マンマーク志向が非常に強い札幌に対して大きな展開を生かすことができずに、狭いスペースでデュエルを挑んでしまったのが命取り。札幌の強気なプレスをなかなか剥がすことができない。

 だが、湘南は基本的には非保持でテンポを握るチームなはず。前節の磐田戦もそうだが、あっさり失点を重ねていくチグハグさの方がより際立ったと言えるだろう。保持の方は時間の経過とともに横に相手を振りながらプレスをいなす場面も出てきたが、非保持での解決策はなかなか見つけることができない。

 ハーフタイムに投入した中野を軸に後半の湘南は左サイドからの打開を狙っていく。しかしながら独力でゴールを脅かすほどのチャンスメイクに繰り返したどり着くまでには至らず、流れを完全に変えることができない。

 後半も相手がプレスのスイッチを押すようにまったり最終ラインで横パスを繋いでいた札幌。巻き返しを狙う湘南を嘲笑うかのように、セットプレーで田中が決めた4点目でさらに引き離していく。

 直後には交代で入ったスパチョークの裏抜けから青木が仕上げの5点目をゲット。スパチョークはいきなり存在感を見せることに成功した。

 湘南は最後の最後で奮闘していた中野からのラストパスで阿部がゴールをゲット。元川崎コンビのラインから反撃を見せるが一点を返すのが一杯。序盤からワンサイドゲームで試合を運んだ札幌が大勝を飾った。

試合結果
2022.8.7
J1 第24節
湘南ベルマーレ 1-5 北海道コンサドーレ札幌
レモンガススタジアム平塚
【得点者】
湘南:79′ 阿部浩之
札幌:9′ 駒井善成, 14′ 興梠慎三, 41′ 宮澤裕樹, 69’ 田中駿汰, 72′ 青木亮太
主審:井上知大

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