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「Catch up FIFA World Cup QATAR 2022」~2022.11.28 Group H 第2節 韓国×ガーナ ハイライト~

■左サイドを軸にした後半の猛攻は実らず

 旋風を起こしたアジア勢だったが、日本とサウジアラビアが敗れて一段落。無敗を維持する最後の砦となったのがH組の韓国である。そんな韓国は前線3枚を入れ替え。大幅にメンバーを入れ替えた日本を彷彿とされるスターターとなった。

 ガーナは前節の5バックから4バックにシフトチェンジ。ポルトガルと比べれば韓国とは十分に組み合えるという判断だろう。5バックを使った後のチームが4バックに移行した際に最も難が出やすいのはCB-SBのスペース。このスペースに出て行きすぎたり、あるいは放置しすぎたりなど判断のギャップが生じることが多い。

 立ち上がりの韓国はこのギャップを利用。右サイドのハーフスペースを狙い撃ちしながら深さを作っていく。三角形を作ってのパス交換で優位を取り、エリア内にボールをつなぐことに成功する。ガーナがクリアした後のCKもしっかりとデザインされていた韓国。序盤は攻勢に出たのは彼らの方だった。

 しかし、ガーナは前節ほど苦しい戦いになったわけではない。韓国はポルトガルと違い、ボールをロストした後の即時奪回に熱心なわけではないので、ボールを取った後に落ち着いてボールを持つことができた。

 4バックにしたガーナは前節はIHだったトーマスが降りてくるアンカーロール的な振る舞いを増やすように。韓国は2トップがトーマスを受け渡しながら守るミドルプレスを維持していく。ポルトガルほど支配的でない韓国のスタンスに対して、ガーナもまたショートパスからの前進をすることができていた。

 先制したのは序盤に主導権を握れなかったガーナ。セットプレーからの混戦を制して叩き込んだのはサリス。均衡を破る一撃をお見舞いする。

 勢いに乗るガーナは流れの中から追加点をゲット。ジョーダン・アイェウのクロスから完璧に抜け出したクドゥスが合わせてさらに突き放す。アンドレ・アイェウとクドゥスの2人が仕掛けたラインの駆け引きに韓国のバックラインは屈してしまった。

 苦しくなった韓国。時折、ロングカウンターから左サイドをソンが駆け上がるシーンが散見されるが、インサイドの攻め上がりが間に合っておらず、待っている間に挟み込まれてしまうなど有効打にならない。ポゼッションはできるか、ガーナの守備陣を攻め立てることはできず、得点とともにサイドからの崩しも沈黙してしまった印象。2点のビハインドを背負ってからは内容まで尻すぼみになってしまう。

 後半、劣勢だった韓国は選手交代とともにシステムを4-3-3に変更。前プレスの強化とサイド攻撃を手厚くする形にシフトする。ガーナが前プレにきた韓国のアンカー周りを使う攻撃をするなど、リスクはあったこのシフトチェンジ。しかしながら、2点ビハインドという状況であれば多少のリスクを負っても出力を上げられれば問題はない。左サイドからのクロスを軸としてエリア内に迫る機会を増やすように。

 すると、この左サイドのクロスから追撃弾を得た韓国。決め手になったのは交代で入ったイ・ガンイン。ターゲットが1枚という精度が問われる状況だったが、投入直後にこのクロスをバチっと決めてみせた。

 さらに韓国は左サイドからの攻撃で畳み掛けていく。ソンが対面のランプティを縛り付けると、外を回ったSBのジンスのクロスをギュソンが叩き込む。これでギュソンは2ゴール。左サイドからのクロスを軸に韓国は一気に追いついてみせる。

 ボール保持のところから呼吸をすることができずに韓国の攻勢を受け続けるガーナ。苦しい状況を打開したのはトーマス。中盤でターンを決めて前線にチャンスを供給する機会を得ると、左サイドのジョーダン・アイェウから外を回ったSBのメンサーがクロスを入れる。仕留めたのはファーに構えていたクドゥス。韓国の2点目のコピーとも言える形で3点目を奪い取る。

 ファン・ウィジョを投入し、前線の枚数を増やして総攻撃を仕掛けていく韓国。イニャキ・ウィリアムズのロングカウンターの反撃に遭いながらも攻め込み続ける。後半の頭の1枚しかターゲットがいなかった状況は一変。複数枚をエリアに入れ込む韓国に対して、ガーナのDFの対応はかなりギリギリだった。

 最後の最後まで得点のチャンスがあった韓国だが、ガーナのゴールをこじ開けるには一歩及ばず。後半の猛追も虚しく勝ち点を積むことができなかった。ガーナは後半は苦しい戦いだったが、攻撃的な韓国のサイドをひっくり返す形でワンチャンスをものにしてみせた。

試合結果
2022.11.28
FIFA World Cup QATAR 2022
Group H 第2節
韓国 2-3 ガーナ
エデュケーション・シティ・スタジアム
【得点者】
KOR:58′ 61′ ギュソン
GHA:24′ サリス, 34′ 68′ クドゥス
主審:アンソニー・テイラー

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