Fixture
プレミアリーグ 第38節
2023.5.28
アーセナル(2位/25勝6分6敗/勝ち点81/得点83 失点43)
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ウォルバーハンプトン(13位/11勝8分18敗/勝ち点41/得点31 失点53)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績
過去10回の対戦でアーセナルの5勝、ウルブスの3勝、引き分けが2つ。
アーセナルホームでの成績
過去10回の対戦でアーセナルの6勝、ウルブスの1勝、引き分けが3つ。
Head-to-head from BBC sport
- アーセナルはリーグでのウルブス戦4連勝を狙う。
- 昨季はエミレーツで2-1で敗れたウルブスだが、直近5回の遠征で唯一の敗戦でもある。
- 1979年2月のハイバリーでの対戦以降、公式戦30試合連続でアーセナルはウルブス相手に得点を決めている。
スカッド情報
- 病欠でフォレスト戦を欠場したリース・ネルソンに加えてブカヨ・サカ、レアンドロ・トロサールもモニタリングが必要。
- ガブリエル・マルティネッリ、ウィリアム・サリバ、冨安健洋、オレクサンドル・ジンチェンコ、モハメド・エルネニーは欠場。
- フレン・ロペテギは4つ目の警告をエバートン戦で受けており、1試合の指揮停止。
- ササ・カライジッチとチキーニョは長期離脱中。
Match facts from BBC sport
- 直近11年のシーズンラストゲームは全勝。
- 2005年のバーミンガムとのアウェイゲーム以来、17試合連続で最終節は無敗(W15,D2)
- シーズン前半の19ゲームで50ポイント(W16,D2,L1)をあげたが、後半の18ゲームで31ポイント(W9,D4,L5)。
- ホームでのクリーンシートは3つでこれより少ないのは1試合しかクリーンシートを達成していないサウサンプトンだけ。
- 26勝目を挙げることができれば01-02,03-04に記録した1シーズン最多勝利記録に並ぶ。
- 2得点を挙げれば今季の公式戦100ゴール。
- ガブリエウ・マガリャンイスが先発すればプレミアで4人目のアーセナルにおける全試合先発達成。これまでの3人は95-96のリー・ディクソン、ポール・マーソン、96-97のナイジェル・ウィンターバーン。
- 直近8年の最終節のうち、7試合は敗れており現在5連敗中。
- 勝利でプレミアを終えた唯一のシーズンは09-10。モリニューでサンダーランドに2-1で勝利した。
- 直近7試合のプレミアでのアウェイゲームで勝利がなく3連敗中。直近3試合の合計スコアは10-1。
- 今季ロンドンで行われた6試合で未勝利であり、うち4試合で負けている。
予習
第35節 アストンビラ戦
第36節 マンチェスター・ユナイテッド戦
第37節 エバートン戦
予想スタメン
展望
撤退第一主義からの変化
マンチェスター・ユナイテッドがチェルシーに敗れたことにより、CL出場権は最終節を待たずに確定。これに伴いELの出場権はリバプールとブライトンの手に渡ることも決まった。
残すコンペティティブな要素としてはレスター、リーズ、エバートンのうち1チームしか助かることのできない残留争い。そして、ECL出場権を争うためのトッテナム、ブレントフォード、アストンビラの三つ巴の7位争いである。今季のプレミアリーグは割と最終節を待たずに決まってしまったことが多い。
よって、エミレーツで行われる最終節は完全なる消化試合である。一応、ウルブスには12位~15位まで可能性を残した状態の最終節となるが、これがこのくらいのモチベーションになるかはよくわからない。
もっとも、消化試合だからと言って悪いことばかりではない。優勝争いが最終節を前に終わってしまったアーセナルにとっては残念な幕切れであることは確かだが、ウルブスにとっては気楽に楽しめる最終節を迎えたこと自体が幸せだろう。
残留争いレースからいち早く抜けることができた勝因は監督解任の賭けに勝ったことだろう。各チームが暫定監督でお茶を濁す路線に走る中でウルブスは正式監督としてロペテギを招聘。しかも、W杯直前に呼び寄せたことで冬の移籍市場は彼にあったメンバーを選ぶことができた。レミナやクーニャはセンターラインの柱としてウルブスのレギュラーに君臨している。
基本的なフォーメーションは4-4-2。ボール保持を重視するチームには不向きな形な気もするが、ウルブスはどこが相手でもボールを持つ!という感じでもないので、その辺りはバランスだろう。
まず、保持においては基本的にはCHは縦関係を形成する。低い位置に降りる担当はレミナorネベスのどちらでもOK。基本的にはネベスの方が役割と資質があっているように思える。
バックラインの枚数を担保することでプレスを回避すると、幅を使いながら前進を行う。後方からは大外に対角方向のパスが送られる。大外の選手に渡ったら、サポートを行うようにハーフスペースの裏抜けを行っていく。
インサイドではCFのポストワークも光る。特にクーニャはキープ力と味方を前に向かせるポストワークの両面で貢献する。2列目は多士済々。インサイドに入り込みながらパス交換を行うことができるポデンスや大外で勝負ができるネト、より直線的な攻撃を好むヒチャンやトラオレなど人の入れ替えで味も変わる仕組みになっている。
SBではトティ・ゴメスの台頭が著しい。CB色の強いゴメスだが、シーズン終盤にLSBで起用されると徐々に流れの中での攻め上がりを覚えるなど成長。ブロックの攻撃の強度を担保したまま、サイド攻撃で厚みを出すことができる。
非保持はアンカーを受け渡す形の4-4-2が基本線。プレスにでていったり、オープンにすることに関してはここ数年のウルブスに比べれば寛容。早い展開もやぶさかではない感じである。
撤退第一優先のローライン型のというこれまでのウルブスのカラーはロペテギの就任とともに少しずつ変化がみられているといっていいだろう。こういうカラーがはっきりすることは今季だけでなく、来季以降の編成も見据えたうえでのアドバンテージにもなりうる。
ハイプレスには躊躇なく
うまくいかない流れでシーズンを終えてしまうことになりそうなアーセナル。最終節には何もかかってないということで、スタメンの起用に関しては少し読みにくいところがある。何が優先されるかはアルテタ次第といったところだろう。
だが、個人的にはこの一年の集大成といえるゲームに出場可能なベストメンバーで臨んでいただきたいところだ。4バックでオープンな志向が少しずつ出てきたウルブスに対しては、今のアーセナルのスタイルはそこまで相性が悪いものには思えない。
十分に勝負ができる大外のマッチアップを基準点にしつつ、ハーフスペースへのランと逆サイドへの展開を織り交ぜながらウルブスの4バックを揺さぶる形は十分に現実的なプランといえるだろう。
フォレスト戦ではほとんど機能不全だった左サイドのユニットの再構築にも着手しておきたい。マルティネッリとジンチェンコという2人の軸がいない中で、残されたメンバーで何を作り出せるか。今季最後のテストである。
ハイプレスには躊躇なくいってほしいところ。ウルブスのバックラインはプレス耐性に少し怪しさがあり、サリーも相手がついてこない前提で枚数を多く保って安定感を担保するためのものというイメージが強い。枚数を合わせられた時のプレス耐性は未知数だ。
何より今季のトレードマークであるハイプレス×ファストブレイクという掛け合わせをもう一度エミレーツで見たい。今季の快進撃を支えたスタイルで勝利を挙げて、ファンがそれに歓声で応える。このアーセナルにふさわしい今季最後の光景を作り出すための90分にしたいところだ。