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「静的な支配と局面的な優位」~2023.9.20 UEFAチャンピオンズリーグ グループB 第1節 アーセナル×PSVアイントホーフェン プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ グループB 第1節
2023.9.20
アーセナル
×
PSVアイントホーフェン
@アーセナル・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去10回の対戦でアーセナルの3勝、PSVの2勝、引き分けが3つ。

予習

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予想スタメン

展望

保持の支配に見え隠れする不安要素

 アーセナルのCLの初戦はオランダのPSV。昨季のELのグループステージに続き、2年連続で同じグループに同居することとなった。

 エールディビジは今季の日本ではここまで配信がない。そういった事情のチームとの対戦からGSがスタートするのはレビュワー的には不運である。だが、PSVはプレーオフの勝者。WOWOWにはプレーオフの2試合分のアーカイブがある。8月中旬と少し前ではあるが、レンジャーズと戦った180分をベースにPSVの戦い方を紐解いていきたい。

 まず、この2試合はPSVの保持で進むことが基本であり、非保持に追い込まれる時間帯は少なかったことは留意しておきたい。そのため、非保持で押し込まれた時の振る舞いを推しはかるためのサンプルは少ない。

唯一180分の中で押し込まれていたのは1stレグの最終盤の10分くらい。その時間帯はなかなかボコスカにシュートを打たれていたので、基本的にはボールを持たない状況が長く続くことはあまり得意ではないのかなと推察する。

 保持においては3-2-5への変形がベース。大きく形を変えるのは左サイド。SBであるデストがフリーなポジションを取りながら基準点を乱していく。彼が相手の最終ラインにつっかけることができれば、前線の誰かがフリーになったり、あるいはピン留めされたデストのマーカーの背後をつくことで相手を押し下げることができる。なお、デストは直近のリーグ戦では右にコンパートされており、左に入っているのは直進型のファン・アーンホルト。少し左右のSBのキャラクターの傾向は変わっている可能性がある。

 ワイドでの崩しのコンビネーションはPSVの攻撃の軸であり、サイドにボールを届けたい3-2-5を採用する意義の一つだろう。大外の高い位置を取って起点になることにWGは積極的。左のラングは3人くらいのコンビネーションでの崩しが多い一方で、右のバカヨコは1on1での勝負が多い傾向がある。

 左右から相手のバックラインを縦に揺さぶることができれば、前線の飛び込みは効果的になる。2列目のサイバリの動き出しには要注意。その一方でもう1人の飛び込み役であるサンガレはこの試合以降フォレストに旅立ってしまった。これはPSVにとっては大きな痛手になる可能性がある。

 高い位置に積極的に出ていくチームの宿命として後ろの人数が少ない状態でカウンターを受ける耐性があるかどうか問われることは避けられない。PSVはその部分では正直怪しさがある。レンジャーズには相手のWGに対してターンを許したり、あるいは裏を取る駆け引きで後手を踏んだりしていた。

 また降りて受けてフリーになる選手を捕まえることも苦手。レンジャーズで言えばキャントウェル(プレミアファンには懐かしい名前!)に好き放題やらせて、自由にふるまうことを許していた。

 早い段階で潰すこと、もしくは後方でのアジリティ勝負には不安がある。プレミア相手となればその懸念が露呈する可能性はそれなりにあるだろう。

WGを軸としたオーソドックスな攻略から

 まず、一番アーセナルとしてりそうなのは相手の土俵で相撲を取らないこと。具体的にはボールを保持する時間を奪うこと、そしてボールの捨て方に留意することである。

これはいずれも静的に試合を進める今季のアーセナルの課題でもある。それをきっちり発揮して相手の色を出させないことができるかどうかは大事なチャレンジになる。

 特に保持の時間を長くできるかどうかは重要。本文で触れた以外のPSVの得点パターンとしてはルーク・デ・ヨングのセットプレーがあげられる。

    セットプレーを警戒したい場合、最も効果的なのは単純に機会を削ってしまうこと。押し込みながらプレーすることがもっともその助けになることは言うまでもないだろう。バックラインの保持から相手のプレッシングをかわし、まずは撤退を促すことが目標達成の1つ目のポイントになる。

    押し込むことができたら次はブロック攻略。PSVはオーソドックスな4バックということもあり、まずはWGを軸に攻略のポイントを見定めていきたいところ。

    ダブルチームに来るのか、来るのであればどこが歪むのか。あるいは1on1を受け入れてくるのか。まずは相手の動きを見たい。こうした4バック攻略のノウハウはきっちり貯まってるはずなので、相手の動きを見てどの引き出しを開ければいいかを考えたいところ。そして、1on1であればサカにはきっちり崩しのきっかけの役割を果たして欲しい。左サイドは先発が有力視されるトロサールを軸に連携を構築できるかどうかが鍵になる。

    試合を静的に制御しつつ、局面で勝てるポイントを作るという戦い方は今季ずっとトライしている部分。久しぶりのCLという大舞台ではあるが、まずは初戦で今季のトライの成果を示し、プレミアリーグの名に恥じないパフォーマンスを行いたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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