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「今季ごとひっくり返す」~2023.11.25 プレミアリーグ 第13節 ブレントフォード×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第13節
2023.11.25
ブレントフォード(11位/4勝4分4敗/勝ち点16/得点19 失点17)
×
アーセナル(3位/8勝3分1敗/勝ち点27/得点26 失点10)
@ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去の対戦でブレントフォードの1勝、アーセナルの4勝、引き分けが1つ。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • ブレントフォードのプレミア初試合は2021年8月の2-0で勝利したホームのアーセナル戦。しかしながら、それ以降の4回の公式戦ではいずれも勝てていない(D1,L3)
  • その4回のうちの1回はブレントフォードのホームで行われた今年9月のホームでのEFLカップ。アーセナルが1-0で勝利。
  • 同一シーズン内でアーセナルがロンドンでのアウェイのスタジアムで2勝すれば92-93のパレス相手以来のこと。この年はリーグで2-1で勝利し、リーグカップで3-1の勝利。いずれもイアン・ライトが得点を決めている。

スカッド情報

Brentford
  • ナタン・コリンズはアイルランド代表の活動で足首を負傷し離脱。
  • ケビン・シャーデ、アーロン・ヒッキー、アイヴァン・トニー、リコ・ヘンリーなど多くの選手が欠場見込み。
Arsenal
  • 契約条項により出場できないダビド・ラヤに代わりアーロン・ラムズデールが先発予定。
  • ファビオ・ヴィエイラは出場停止。
  • ブラジルから帰国したガブリエル・ジェズスは起用可能。
  • 脳震盪のマルティン・ウーデゴールも復帰予定。
  • ベン・ホワイトは経過観察中だが、エミール・スミス・ロウとユリエン・ティンバー、トーマス・パーティは欠場。

Match facts from BBC sport

Brentford
  • 2022年9月のアーセナル戦での敗戦以降、リーグでの14試合のロンドンダービーで負けなし(W8,D6)。クラブレコード。
  • 直近10試合のホームでの敗戦は9月のエバートン戦のみ(W5,D4)
  • 1936年以来のトップリーグにおけるホームゲームでの3得点以上の3連勝を狙う。
  • 2022年の10月のチェルシーとのスコアレスドロー以降、19試合のホームでのプレミアで全て得点を決めエイル。
  • リードした状態から落とした勝ち点は11でバーンリーとボーンマスと並んでリーグハイ。
Arsenal
  • リーグでの16試合のロンドンダービーで負けなし(W11,D5)。リーグ歴代3番目の記録。
  • 公式戦直近5試合のアウェイゲームのうち、3試合で敗れている。
  • この試合はミケル・アルテタの200試合目のアーセナルでのゲーム(W115,D34,L50)。土曜日の結果にかかわらず、過去9人のアーセナルの監督のうち、初めの200試合で最も多くの勝利を手にした監督。
  • アーセナルにおける7つのレアンドロ・トロサールの公式戦のゴールは全てブカヨ・サカのアシストによるもの。トロサールは出場した直近4試合のプレミアでのブレントフォード戦のうち、3試合でゴールを決めている。
  • ウィリアム・サリバが決めた3つのプレミアリーグでのゴールはいずれも頭文字が「B」で始まるチーム相手に決めたもの。ボーンマス、ブレントフォード、そして直近のバーンリー。

予習

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予想スタメン

展望

苦しい台所事情も実直で手強い仕上がり

 ここからFA杯の3回戦まで1か月半ノンストップで行われる8試合は各チームが終盤戦の目標を再設定するための重要な期間。上位勢にとっては今季チームにタイトル争いに加わる資格があるかどうかを自らに問いかけることなるだろう。

 アーセナルの再開初戦は今季2回目のブレントフォード戦。カラバオカップに続き、ブレントフォード・コミュニティ・スタジアムでの一戦となる。

 リーグでは昇格初年度の開幕戦でコテンパンにやられたイメージが強いが、それ以降アーセナルはブレントフォードに無敗。相性としてはそこまで悪くはない相手である。

 今季のブレントフォードは離脱者に苦しんでいる。20ゴールを保証できるストライカーであるトニーと守護神であるラヤの2人の長期的な不在はもちろんだが、その一方で負傷という不幸な形で戦力化できない選手も多い。

 代表格となるヘンリーの負傷はプレミアファンとしても非常に残念。年を経るごとに順調にキャリアアップしてきただけに、ここでの長期離脱は心が痛い。素早い攻め上がりなどトランジッションの側面で違いを出してきた選手なだけに、元の状態までカムバックできることを祈りたい。

 それ以外にもSBは開幕からフル稼働を続けてきたヒッキーが離脱。ローアスリウとアイエルという適正的には右に偏った選手のみが残ることとなった。そのため、左にはジャネルトを入れ込むことで乗り切るなど非常に苦しい台所事情になっている。

 前線もやりくりには苦労している。トニーは順当に行けば1月には戻ってくるが、それまでの間を埋めることを期待されていたシャーデが離脱。上り調子だっただけにこちらも残念である。

 苦しい前線で柱として踏ん張っているのがムベウモ。もともと、トニーの相棒としてすでに能力の高さは示していたが、トニー不在のシーズンでエースとしても攻撃を担えることを証明するシーズンとなっている。

 カウンターの先導役としては前線で6得点。スコアラーだけでなく、右サイドに流れれば正確無比なクロスからアシスト役もこなす。無骨な見た目の印象とは異なる万能性に中軸としての責任が加わり、明らかにチームの攻撃の柱になっている。

 このように今季もブレントフォードは出られる戦力の中でチームとしてのスタイルを体現すべく奮闘を惜しんでいない。トーマス・フランクが作った実直でソリッドなチームは今年もしっかり形になっている。これだけ苦しい台所事情でもここまでの12節で負けは4つのみだ。無理な背伸びもなく自分たちのスタイルを堅実に突き詰め続けるブレントフォードは今季も強敵としてアーセナルの前に立ちはだかることになる。

出方で変わるキーマン

 昨季からおなじみの同格相手への4-3-3とビッグマッチ用の3-5-2の使い分けは今年のブレントフォードも健在。このフローチャートに従えば、この試合でも3-5-2を採用すると考えるのが筋だろう。

 やや迷うのが立ち振る舞い方。ブレントフォードといえば、キック&ラッシュで相手を潰し切るような強気なスタンスがベースにあるのだが、直線的な勢いという意味では例年よりも控えめ。前節のリバプール戦ではWBは自陣側に控える5-3-2のような形で試合をアップテンポに持ち込むための仕掛けはあまり見受けられなかった。

 例年よりも直線的な速さがない理由の1つはラヤ→トニーという一撃でお手軽に陣地回復ができる手段がなくなったからだろう。ラヤ在籍時も負傷離脱の際にはこのホットラインが機能せずに怖さは減った。退団となればマイルドな変化は必要と考えても不思議ではない。トランジッションで素早くサイドの奥をとれるヘンリーがいないのであればなおさらだ。

 リバプール戦ではうまくいかなかったが、自陣できっちり固めてのカウンターが刺さることもある。こちらはスタンフォード・ブリッジでの一戦が成功例となる。少ないチャンスをモノにして自陣に引きこもるとカウンターからしたたかに追加点を奪う。やや受け身ながらスマートに得点を重ねてチェルシーを叩いた一戦である。この一戦では保持側に回ると、左右に相手を振りながら手数をかけたプレス回避をしていたのも印象的だった。直線的な殴り合いを少し避けるための選択肢を持っているのが今季のブレントフォードである。

 そのため、3-5-2攻略には2つの方向性が考えられる。1つは撤退色が強いリバプール戦仕様の場合。アーセナルはバーンリー戦と同じように敵陣に押し込んでの攻略に挑むことになる。これは昨年のエミレーツでの一戦と同じ流れでもある。

 バーンリー戦ではファーサイドへの早めのクロスからの折り返しから問題解決に成功したアーセナルだが、この試合では同様の解決策の難易度は高い。屈強なブレントフォードのDF相手にそもそもファーサイドのクロスで制空権をとれるかどうかは怪しい。

 であるならば、バーンリー戦のもう一つの攻め筋である同サイドの裏をきっちりとってマイナスの折り返しを決めるという形を作りたい。そのためにはきっちりと手前を取ることが大事。

 個人的にキーマンとして挙げたいのはウーデゴール。直近ではややコンディションが整っていないが、DFラインを引き出して背後のスペースを作り出すアクションを期待したい。DFが食いつけば裏、食いつかなければミドルの二択を持っておきながら相手に合わせて柔軟に対応をしていきたいところ。

 カウンターの対応になればなるべく外に追いやるように。奪いきれずにスローダウンは許しても問題はないが、CKや深い位置でのスローイン(イェンセンのロングスローがある)などセットプレーにつながる逃げ方は怖い。高さのあるDFが参加するセットプレーは彼らの重要な得点パターンだ。

 ここまではブレントフォードが自陣引きこもり型ロングカウンタースタイルだった場合の過程。従来のガンガンプレスに出てくるサッカーであれば少し事情は違う。この場合はシンプルで低い位置からプレスを外し、ミドルゾーンから加速できるかどうかが争点となる。

 契約条項でこの試合ではラヤが欠場。ラムズデールが先発になることが濃厚だ。バックラインではバタバタすることも多いラムズデールがよどみなく相手のプレスを外すための働きができるかは重要なポイントになる。

 クロスの対応などラヤにも付け入るスキはあるだけに、先発の機会が回ってくればラムズデールにとっては今季を占う大一番になる可能性はある。ミドルゾーンでの加速の機会を後方から作りながら、セービングでチームを救う。この試合で流れを変える働きができれば、ここまで思うように進んでいない今シーズンをひっくり返すきっかけになるかもしれない。

 苦しい時期のチームを救ってきたのがここまでのアーセナルにおけるラムズデールの活躍。チームのためにというのはもちろんだが、この試合では何よりも自分を救うために活躍がみたいところ。苦しい流れの今季ごとひっくり返す勢いのパフォーマンスでチームを勝利に導きたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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