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「現在地の提示と結果の両立」~2024.2.13 AFC Champions League Round 16 1st leg 山東泰山×川崎フロンターレ マッチプレビュー

目次

Fixture

AFC Champions League
Round 16 1st leg
2024.2.13
山東泰山
×
川崎フロンターレ
@済南オリンピックセンター

Match facts

Match facts
  • 川崎は直近22試合のACLで一度しか負けていない(W15,D7)
  • 川崎は直近4試合の中国勢との対戦は全勝しているが、全てリザーブチーム相手のもの。それ以前の6戦ではいずれも勝てていない(D4,L2)
  • 山東はACLのノックアウトラウンドで勝利をしたことがない(D5,L3)
    • 2016年のベスト16ではシドニー相手に2つの引き分けによるアウェイゴールルールで突破している。
  • 山東は直近6試合の日本勢との対戦は全敗。さらに直近の4試合では得点を挙げることができず14失点を喫している。

予習

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予想スタメン

 あまりにもわからないのでパスで。

展望

全ては前線ありき

 あけましておめでとうございます。ついに今年も始まってしまいました。どこまでついていけるかは分かりませんが、過密日程について行きたい心意気だけは持ち合わせてシーズンを初めていきます。

 さて、毎年書いている気がするが、シーズン初戦のプレビューがその1年に出す記事の中で一番ぼんやりしている。というわけでここから皆さんがお読みになるのは1年で一番ぼんやりしている記事である。

 タイトルを取れば、スーパーカップという予習の機会を得ることを許されるというプレビューを書く人視点でのご褒美がもらえるのであるが、今年はその前にACLを捩じ込まれてしまうという悲劇。AFCは許せん!なんやねん!というわけで今年はただでさえ訳のわからないシーズン初戦のプレビューを海外のチーム相手に行うというプレビューを始めて以来のスーパーハードモードである。

 去年の試合を見ることで何を得られるかはわからないが、何も見ないよりはマシ!ということで予習に使ったのはACLの横浜FM戦、浦和とACLで戦った武漢とのリーグ戦、首位との対戦になった上海海港戦、そして中国FAカップ決勝の上海申花戦の4試合である。このうち、横浜FM戦と上海海港戦はかなり特殊なものだった。前者は確か4点差で破れなければOKという特殊な突破条件だった試合(3点差までは来ていたけども)、後者は優勝決定戦にもかかわらず乱闘を中心に両軍合わせて4人の退場者を出して9人同士の試合になった試合だった。優勝決定戦は真面目にやれ。

 基本的なフォーメーションは4-2-3-1、もしくは4-4-2。ハイプレスも繋ぎも意識は低く、高い位置からボールを奪いにくるフェーズは非常に少ない。今回の対戦相手のうち、いくつかのチームは3バックを採用しているのだが、特に後方から枚数を合わせてのプレスにいく様子はなし。

 逆に自陣からの繋ぎでもショートパスから細かくパスを繋いでいく素振りすら見せず、とにかく前線に向かって蹴る。というわけで明らかに最重要な人物はフェライニ。マークを外さなくても、上から物理的に殴ることができるという点で、彼の存在は唯一無二である。しかしながら、彼は昨シーズン末で引退。山東は彼の穴を埋める必要がある。

 昨季、フェライニの相棒を務めていたクリサンはボールを収めるという点では頼りになる。だが、先にも述べたが山東はそれ以外に前進の手段を用意していないため、彼が自分でボールを収めて時間を作り、そのままボックスに走り込むというロードマップを1人でやり切るのはハード。

 予習した試合の中で最も山東が良かったのは武漢戦の後半だが、この試合ではボックス内で構えるフェライニと上下左右に動き回りながらボールを収めるクリサンの役割分担が効いていた。クリサンを収め役として自由を与えるのであれば、ボックス内に構えるような相棒が欲しい。

 その候補になりそうなゼカは負傷によりこの試合には起用できない。天敵であるレオナルドも山東に籍はあるようだが、構想外で退団を模索している上に、前所属で起こした乱闘騒ぎのせいでそもそも出場停止処分が適用中のACLでは出ることができないようである。

 というわけで前線に新しく加わったカザイシュヴィリが相棒候補の筆頭ということになるだろう。カザイシュヴィリに関しては蔚山戦で川崎も何度も対戦済み。川崎サポもすでにお馴染みの存在だろう。カザイシュヴィリはストライカーというよりはチャンスメーカー型。というわけで相棒構築のバランスとしてはクリサンはよりフィニッシャーよりのプレーを目指すことになるだろう。

 基本的にはどの上位のチームを見ても中国リーグは本当に前線がカラーを完全に決めてしまうスタイルが多い。後ろから運ぶとかほぼない。近年の川崎もそうだけど、それ以上に。だからこそ、カザイシュヴィリを獲得した新連携が成立するかどうかは山東の出来を決めることになるだろう。

変わったメンバーで昨季のベースラインに挑戦する初戦になる?

 メンバーがよくわからないというのは山東だけでなく、川崎も同じである。対策的な話をするのであれば、山東のバックラインにギャップを与えられるFWは欲しいところ。山東のCBは動かされる割に他の選手が穴を埋める意識が非常に低い。特に27番の選手はやたらと相手に動かされてはギャップを作ってしまうケースが目につく。

 というわけでエリソンには存分にFWとして暴れ回って欲しいところ。引力を活かしながら、山東のDFラインを乱す役割を担ってほしい。

 もちろん1人で行ってこいしてもらってもいいのだけども、最終ラインにズレが出て乱れるケースが多いチームなので、連携面での改善も見たいところ。特に左サイドは大外を駆け上がる三浦がレギュラーを奪取する公算が強い。登里とは異なるパートナーが入ることで、マルシーニョのプレーエリアに影響があるのかは気になるところである。

 新戦力の出来はもちろんのこと、このようにチームとしての全体設計のバランスは気になるところである。まずはSBを中心にいなくなった選手の穴をどこまで埋められているか。ACLに関してはコメントを読む限りはひとまずは継続路線で臨むようなニュアンスも見て取れるため、ひとまずは新しい戦力で既存のプランの完成度にどこまで近づけることができるのかを探ることになるだろう。

 山東の攻め手が去年をベースにするという前提に立てばまずはCBは跳ね返すことが第一。ジェジエウのコンディション次第ではあるが、大南との併用でひたすら跳ね返しを強化するというスタンスも悪くはない。左サイドの29番のアタッカーはスピードもあるので、ファン・ウェルメスケルケンもいきなり能力を試される可能性もある。

 前線を再構築することに迫られており、かつ代役が負傷してしまっている山東の状態は思わしくはない。敵地でのタフな戦いにはなるが、川崎としては2024年のスカッドの現在地を示しつつ、結果を確保する一戦にしたいところだ。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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