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「Catch up Premier League」~Match week 36~ 2024.5.4-5.6

目次

ルートン・タウン【18位】×エバートン【15位】

ロングボールとファインセーブで

 着々とリミットが迫っているルートン。今節の対戦相手は一足先に安全圏に場所を確保したエバートンである。

 今節ももちろんルートンは元気いっぱい。高い位置からエバートンを追いかけまわしていく。エバートンはこれに対してロータイムでロングボール。前節のシェルミティであれば心許ないかもしれないが、今節はキャルバート=ルーウィンが復帰をしているので問題なし。さらには右サイドに流れるガーナーなどがアクセントになり、エバートンは少しずつボールの落ち着けどころを見つけていく。

 プレスをバラすことができたので落ち着いてボールを持つことができたエバートン。ボールを動かしながら広げてクロスという形を徹底しながら敵陣のゴールに迫っていく。

 ルートンも保持に回ればCBのキャリーやチョンの奮闘などで根性を見せるが、保持での主導権を握ったのはエバートン。押し込む機会を少しずつ増やしていく。すると、この流れから先制点をゲット。PKでブランスウェイトを完全にホールドしてぶん回してしまったメンジが咎められるというVARの意義を強く感じるシーンだった。

 失点以降、保持が増えたルートン。こちらもエバートンと同じく大外のWBを起点にクロスを上げる形を作っていく。すると、先制点から7分後に同点ゴールをゲット。ロコンガから放たれたタッチダウンパスをアデバヨが仕留めて追いつく。このコンビが健在であれば、残留争いはもう少し楽に進められたのではないかと思わざるを得なかったシーンであった。

 失点したのでエバートンは保持を回復。このように失点したチームがボールを持つようになる!というのがこの試合の特徴であった。

 後半は保持の主導権がリセット。ルートンがやや優勢な状況で試合を進めていく。その状況を見たエバートンは早めの交代でリズムを作っていく。ゴメス、オナナを入れた交代は即時性はあまりなかったが、エバートンはひたすら前にロングボールを当てる根性で少しずつ起点を作っていく。これでなんとか根性で試合をフラットに戻していく。

 この試合のトリを飾ったのはGKのシュートストップ。キャルバート=ルーウィンの強烈なヘッドを超反応で止めたカミンスキが試合を沸かせば、ピックフォードも呼応するようにセービングを披露。どちらも決勝点を許さない。

 試合は痛み分け。エバートンにとっては悪くなくとも、ルートンにとっては3ポイントを積み上げられなかった悔いが残る一戦となってしまった。

ひとこと

 両GKの美しいセーブ、良かったなぁ。

試合結果

2024.5.3
プレミアリーグ 第36節
ルートン・タウン 1-1 エバートン
ケニルワース・ロード
【得点者】
LUT:31′ アデバヨ
EVE:24′(PK) キャルバート=ルーウィン
主審:ティム・ロビンソン

アーセナル【1位】×ボーンマス【10位】

王様が牽引!タイトルレースはまだまだ続く

 レビューはこちら。

 ミッドウィークの連戦が終わり、ようやくアーセナルは週1で準備を整えることができた。対するボーンマスは強敵。特に攻撃力に関してはシーズン終盤も落ちることがなく走ることができているチームである。

 立ち上がりこそ少しバタバタしたアーセナル。しかしながら、自陣からのボール保持で試合を落ち着かせることに成功する。この日のアーセナルは保持から相手を外すアクションが自由自在。ボーンマスの片側誘導に対して、逆サイドにスウィングする動きを降りるアクションから行うウーデゴールなどは王道。それ以外にも2人や3人の少ないユニットから相手をミクロに動かしながら前を向く選手を作ることができる。

 ハヴァーツ、トロサール、ウーデゴールといった降りるアクションを行う選手が効果的だったのは当然として、サリバや冨安といった選手たちの後方の選手の列上げのサポートが充実していた。

 左サイドは開く選手間のユニット、右サイドはサカとワッタラのアイソレーション、そして中央ではハヴァーツの裏抜け。こうしたあらゆる場所における崩しの決め手を中央でウーデゴールが王様のように操るというのがなかなか印象的な展開だった。

 ボーンマスは苦しい展開。前線にはソランケがアーセナルのCB相手に奮闘するが、ラヤも含めた3枚をまとめて相手にするのはなかなか厳しいものがある。30分にようやく押し上げることができたタイミングまでいけばワッタラが異分子となり勝負を仕掛けることができていた。だが、そうした状況を作るのは稀。より攻め頻度で優位に立つアーセナルがハヴァーツの抜け出しからPKを獲得し、先制点を決めた。

 後半は前半よりもオープンな展開。敵陣まで進むことができていたボーンマスだが、左右からファーのクロスを上げるアクションを狙っていくが、アーセナルのSBを軸とした跳ね返しを前に屈している。

 アーセナルはライスとウーデゴールを軸に左右をスウィングしながら横断する形。自陣でのロストからのショートカウンターは懸念ではあるが、ボールを動かしながら敵陣を攻略していく形では依然アドバンテージを握っていく。

 そうした中でアーセナルは追加点をゲット。偶発的に中央で跳ねたボールに対していち早くリアクションを見せたライスがトロサールにラストパスを送ると、これが2点目に。

 ボーンマスにとってはゴール取り消しになるなどの判定もあったが、総じて試合はアーセナルペースと言っていいだろう。仕上げの3点目はライスがストライカー顔負けの一撃を仕留めて決着。3点差という得失点もきっちり確保したアーセナルが3ポイントを積み重ねた。

ひとこと

 終盤戦にこの試合を持って来れるアーセナルは強い。

試合結果

2024.5.4
プレミアリーグ 第36節
アーセナル 3-0 ボーンマス
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:45′(PK) サカ, 70′ トロサール, 90+7′ ライス
主審:デビッド・クート

ブレントフォード【12位】×フラム【13位】

引き出し不足を感じるスコアレスドロー

 ともにロンドンに居を構える両チームのダービー。今季もなんだかんだ残留争いに巻き込まれなくて済んだ!という思いと共にダービーに臨む。

 ボールを持つスタートとなったのはフラム。ブレントフォードの4-5-1は1トップがCBを見る形で2列目はプレスが弱めで中盤の封鎖を優先する。バックラインは自由にボールを持てるが、インサイドにスペースを見つけることができない状況からの打開策を見つけられない。

 フラムはより強気にプレッシングを行っていくスタート。ハイラインでブレントフォードを捕まえにいく。しかしながら、ブレントフォードはフレッケンを軸に左右にボールを動かしながら中盤の背後を横断することで敵陣での時間を増やしていく。

 というわけで試合は時間の経過とともにフラムのプレスを超えたブレントフォードが保持の主導権を握る形に変化していた。フラムはなるべくミドルゾーンで踏ん張っていきたいところではあるが、ずるずると押し下げられてしまい思ったようにラインを上げることができない状態となってしまう。そうなると、フラムはサリーで保持から時間を作るようになり、より保持サイドが時間を作っていく流れになっていく。

 前半により色濃い決定機を作ったのはブレントフォード。左サイドのルイス-ポッターの入れ替わりからチャンスを作るが、すんでのところでクリアに遭ってしまい決定機を得点に結びつけることができなかった。

 後半も前半とペースは陸続き。ボールを持つフェーズになったのはブレントフォード。左右にボールを揺さぶりながら広く広く攻めることができている。それでもゴール前の手数不足は否めない。

 フラムはカウンターベースとなるがシャープさに欠けている展開。パスワークが不安定で不要なカウンターを食らってしまったり、連携が皆無で独力の強引なドリブルが目立ったりなどらしくないシーンが続く。セットプレー以外ではらしいチャンスが作ることができない。

 互いに交代選手をベースにもう一押しを図る。シャーデを入れたブレントフォードに比べると、より効果があったのはトラオレとヒメネスを入れたフラムの方である。この2人からの決定機を作るがシュートを枠内に飛ばすことができない。

 これ以降、フラムは押し込むシーンが増えるがそれでもフレッケンの守るゴールを破ることはできず。試合はスコアレスのまま幕を閉じることとなった。

ひとこと

 互いにゴール前での攻略方法不足が顕著なスコアレスドロー。ほぼクリーンなチャンスはなかった。

試合結果

2024.5.4
プレミアリーグ 第36節
ブレントフォード 0-0 フラム
ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム
主審:グラハム・スコット

バーンリー【19位】×ニューカッスル【7位】

死なば諸共のバーンリーをひとひねり

 元気溌剌のハイプレスでスタートしたのはもう残留に向けて後がなくなっているバーンリー。とにかくハイプレスと縦速い攻撃で行けるところまでいきましょう!という算段だろう。高い位置からのプレスでニューカッスルにプレッシャーをかけて、奪ったら前の4枚にとにかくパスをつけることでシュートまで持っていく。ムリッチの長いフィードもまた縦に速い攻撃の後押しになっていた。

 立ち上がりはこのハイテンポに少し戸惑っていたニューカッスルだったが、10分もすればこのテンポに適応。ゴードン、イサクといった背負える選手がポストで味方をフリーにする機会を作っていき、少しずつ前に推進力を持っていく。バーンリーはファウルで止めるシーンが出てくるようになり、試合は前半の半分も行かないうちに流れが変わってしまう。

 この流れを決定的なものにしたのは先制ゴール。リヴラメントのキャリーから攻撃を加速させると、ここからの流れるようなパスワークを締めたのはウィルソン。4-4-2の一角に採用された9番の2試合連続のゴールでニューカッスルが先行する。

 得点を決めたニューカッスルはプレッシングを自重。バーンリーがボールを持ちながら攻略の手段を探っていくフェーズに入る。しかしながら、カウンターからマンツーを止めることができないバーンリー。ゴードンがきっかけでウィルソンが繋ぎ、そしてロングスタッフが締める形で追加点を奪う。

 さらにはギマランイスが3点目を奪い、前半で完全に試合を決めていく。バーンリーはマンツー回避の手段を見つけられてしまった後はどうしようもなかった。

 後半もボールを動かしていくがなかなか解決策を見つけることができないバーンリー。そんな彼らを尻目にニューカッスルはゴードンの突破からPKを獲得。このPKをイサクが決めることができなかったが、4分後から帳消しとなる流れの中からのゴールできっちり得点を奪いとる。

 バーンリーは最後まで縦にパスを刺しながら前に出ていく姿勢を見せてはいるが、縦パスを収めたところからのコンビネーションは明らかにニューカッスルの方が上。イサクを軸とした楔を生かした攻撃でゴールに迫ることができていた。

 バーンリーは終了間際にオシェイが1点を返すが反撃もそこまで。どうしても欲しい勝ち点3はあまりにも遠く、またしても奇跡は霞むこととなってしまった。

ひとこと

 立ち上がりからバーンリーは死なば諸共だった。

試合結果

2024.5.4
プレミアリーグ 第36節
バーンリー 1-4 ニューカッスル
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:86′ オシェイ
NEW:19′ ウィルソン, 35′ ロングスタッフ, 40′ ギマランイス, 55′ イサク
主審:アンソニー・テイラー

シェフィールド・ユナイテッド【20位】×ノッティンガム・フォレスト【17位】

残留のポールポジションは譲らない

 残留争いは3チームが残り1つの椅子をかけての流れに。ポールポジションに立つのはフォレスト。ルートンが引き分けたこともあり、ここはきっちりとすでに降格が決まっているフォレストを叩いておきたいところである。

 立ち上がりにいきなり決定機を迎えたのはフォレスト。ギブス=ホワイトからファーのウッドを目掛けたクロスでいきなりゴールに迫っていく。

 しかしながら、ブレイズもすぐに反撃。右サイドからの厚みのある波状攻撃でガンガン仕掛けていく。はっきり言えば、圧力で優っていたのはブレイズ。カウンターからかける枚数も十分であり、後方からガンガン攻め上がりながら仕掛けていく。

 この圧力に屈してしまったのがモンティエル。完全に不要なタックルを不要なタイミングでかましてしまってのPK献上。不用意なミスからブレイズに先制点を与えてしまう。

 落ち着きたいフォレストであるが、なかなかバタバタして試合のリズムを掴むことができない。保持で相手を制圧することができず、ブレイズのカウンターをベースとする速攻をモロにくらってしまう。この辺りのブレアトンの攻撃の牽引具合は流石である。

 そうした中でもハドソン=オドイの強烈なゴールが決まったのはフォレストにとって助け舟。試合はタイスコアでハーフタイムを迎える。

 後半の頭、少しバタバタしてしまったフォレストだが、なんとか勝ち越しゴールをゲット。イエーツの得点でリードを広げて見せる。

 これ以降は殴り合いを挑んでいくフォレスト。ブレイズは1点差の段階ではまだまだあるよ!という感じではあったが、ハドソン・オドイのさらなるゴールでフォレストは突き放していく。

 1点差で保たれていた緊張感はこれで完全に崩壊。入りは悪くないけども、どうにもうまく転がらないという今季のブレイズらしい展開は今節も健在。地力で勝るフォレストに対して後半は完全に主導権を渡してしまう格好に。ボールは持てるようになったが、完全に魂は抜けてしまった。

 3点目のゴールはフォレストから見ると熱いゴール。ギブス=ホワイトとハドソン・オドイのコンビは直前に決定機を外した後に熱い会話を交わしていた。3点目は見事にリベンジ達成の追加点である。

 魂を見せたフォレストはまずは残留の第一関門を突破。ルートンとバーンリーに対してまずはアドバンテージをきっちり確保した。

ひとこと

 ギブス=ホワイトの今作のバティものも良かった。

試合結果

2024.5.4
プレミアリーグ 第36節
シェフィールド・ユナイテッド 1-3 ノッティンガム・フォレスト
ブラモール・レーン
【得点者】
SHU:17′(PK) ブレアトン
NFO:27′ 65′ ハドソン・オドイ, 51′ イエーツ
主審:クリス・カバナフ

マンチェスター・シティ【2位】×ウォルバーハンプトン【11位】

ハーランドが牽引するゴールショーで主導権キープ

 タイトルレースに邁進するシティ。アーセナルとの勝ち点を落とせない緊張感のあるマッチレースは36節でも続いている。

 この試合でもハイプレスで高い位置からウルブスの保持を阻害。支配的に振る舞う姿勢を見せつけるスタートとなった。ウルブスは保持では繋ごうとするが、咎められてしまい、非保持の多くなる展開。ここはおとなしく自陣で構えるスタートとなった。

 というわけでウルブスの5バックをシティが壊せるかどうかの展開が始まる。5-4-1と5-3-2のハーフアンドハーフで構えるウルブス。コバチッチにゴメスがついていくかどうかで陣形が決まる感じである。

 シティはブロック攻略に早々に成功。ブロック外のデ・ブライネからのライン間のフォーデンへの縦パス。ここから抜け出したベルナルドからの折り返しに反応したグバルディオルがPKを獲得。ハーランドが仕留めて先制する。

 シティはこれ以降も右サイドを中心に攻撃を仕掛けていく。ここからライン間を除くフォーデンが鬼。一瞬で前を向くとここから一気に攻撃を加速させていく。

 失点したウルブスはショートパスから少しずつ時間を作り出していく。序盤はリスクが先行していた感があったが、25分くらいからクーニャのポストを中心に手数をかけた攻撃から押し下げていく時間帯に。

 しかしながら、シティは押し込まれてなおロドリ→ハーランドという空中殺法で追加点を奪う。ここからシティは再びハイプレスに移行して主導権を握る。前半終了間際にはコバチッチとのワンツーから抜け出してPKを獲得。3点目を決めて前半で試合を決定づける。

 後半、ウルブスはオールコートマンツーで勝負に出る形での選手交代を実施。シティに真っ向から勝負を挑む。シティもこれに対して正面から応戦。こちらも高い位置から捕まえにいくアクションを見せることでやり返す。

 ウルブスの姿勢を反映するかのようにヒチャンがなんとかゴールを仕留めるが、その1分後にシティは一瞬で反撃。ハーランドのハイライン破りがまたしても炸裂してさらには追加点を奪う。

 以降はオープンな展開に終始した試合。シティは最後まで攻撃を緩めることなく、得点が欲しかったであろうアルバレスが5点目を仕留めて試合を完結。ハーランドの4得点から始まったゴールショーを見事に締めた。

ひとこと

 前半で試合を決めてしまった感。5バックに対する攻略法を見出すの、めちゃめちゃ早かった。

試合結果

2024.5.4
プレミアリーグ 第36節
マンチェスター・シティ 5-1 ウォルバーハンプトン
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:12′(PK) 35′ 45+3′(PK) 54′ ハーランド, 85′ アルバレス
WOL:53′ ヒチャン
主審:クレイグ・ポーソン

チェルシー【8位】×ウェストハム【9位】

3-2-5が上々の機能性を発揮してのゴールショー

 8位と9位で迎えるロンドン・ダービーだが勢いは対照的。逆転での欧州カップ戦出場権獲得を目指して怪気炎をあげるチェルシーと、ELの敗退からやや勢いがトーンダウンしてしまうような形となっているウェストハムとの一戦である。

 互いに強引なハイプレスにはいかない両チーム。2トップは共に縦関係を形成し、バックラインには時間が与えられる展開になった。

 そうした状況の中でより明確にポゼッションでの道を見つけた感があったのはチェルシー。前節のアストンビラ戦の後半で採用したククレジャのインサイドへの絞りから大外のWGへの攻めのルートを見つける。

 良かったのは大外一辺倒にならなかったこと。インサイドのジャクソンに当てることでウェストハムを外にフォーカスさせない仕組みになっていた。ウェストハムはズルズルと下がっているが、内側と外側のどこを封じるかが共有されておらず、ただ受けに回っている形が多くなってしまう。

 保持で主導権を握ったチェルシーは大外からの仕掛けで先制点をゲット。マドゥエケの仕掛けからインサイドのジャクソンに当てたボールのこぼれをパルマーが仕留めて先行する。

 先制されても特に試合は変わらない。カウンターに出ようとするウェストハムの攻撃は早い段階でチェルシーに潰されてしまい、反撃に打って出ることができない。

 押し込むチェルシーは順調に追加点をゲット。インサイドに当てて、こぼれたところを押し上げた後方の選手が仕留めるという先制点を似た構図でリードを広げる。

 さらにはチェルシーは前半に3点目をゲット。セットプレーからファーのシウバの折り返しをマドゥエケが仕留めて前半で試合を完全に決めてしまう。

 後半もチェルシーは保持から試合を完全に支配。後半もギアを入れることなく様子見が続くウェストハムに対して、チャロバーからマドゥエケのタッチダウンパスが通ると、この折り返しをジャクソンが仕留めてゴール。アレオラが呆れるほど無抵抗だったウェストハムの守備陣の対応はルーズ。これでわずかにあった勝ち点獲得の可能性は完全に0になった感がある。

 このゴールで試合のテンションは完全にダウン。どちらのチームもただただ時間を進めることにフォーカスしていく。その間にジャクソンは抜け出しから5点目を確保する。

 チェルシーはそれ以降、プレータイムを与えていきたい選手を交代で積極的に使う機会としてこの試合を活用する。ウェストハムは特に何も起こせないまま試合は終了。無抵抗なゴールラッシュをただただ眺めるだけの90分となってしまった。

ひとこと

 チェルシー、3-2-5の試運転としては非常に良い内容だったのではないだろうか。

試合結果

2024.5.5
プレミアリーグ 第36節
チェルシー 5-0 ウェストハム
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:15′ パルマー, 30′ ギャラガー, 36′ マドゥエケ, 48′ 80′ ジャクソン
主審:アンディ・マドレー

ブライトン【12位】×アストンビラ【4位】

後半に生まれた不均衡を生かしたブライトン

 互いに保持に心得があるチーム。試合はどちらもこの保持の心得を試されるような一戦となった。

 より余裕を持って保持ができたのはホームのブライトン。中盤に守備のスタート位置を設定する4-4-2によって、バックラインは自在にブロックを持つように。後方のビルドアップ隊は3枚が基本。中盤にはギルモアが残り、グロスはビルドアップサポートと前線の飛び出しを行ったり来たりする。

 この+1の役割をするグロスがビラにとっては厄介。前線に飛び出すアクションを作り出している。

 一方のビラはより厳しいブライトンのプレッシャーに晒されるスタート。それでもマルティネスを使って時間を作り出すと、左サイドからのキャリーで勝負。パウ・トーレスのキャリーやワトキンスの裏抜けからサイドの裏を取ることでギャップを作っていく。

 互いのチームの共通点は崩しにおいて裏という安全策がベースになっていること。裏を返せばインサイドに差すことには躊躇いがあるという感じ。クリティカルなところに入れないまま試合は進んでいく。

 前半を通じた明確なチャンスはグロスがクリーンに抜け出して1on1を作り出したシーン。だが、これはオルセンがセーブ。試合は0-0のスコアレスでハーフタイムを迎える。

 迎えた後半も前半と陸続き。ボールを持ちながらの解決策を探し合うような試合となる。前半との違いは両チームの力関係が均衡でなくなってきたこと。インサイドのジョアン・ペドロに縦パスを入れるなど、徐々に積極的に中央を使うように。内側に起点を作ることで外も少しずつ空くようになる。

 ビラはマッギンがペドロについていくようになり、時折バックラインの枚数が増えるように。これにより、SHの重心が徐々に下がっていき、自陣を守る意識が強くなっていく。

 よって、後半はブライトンが保持で一方的に押し込む展開に。攻略の軸足となったのは左サイド。ジョアン・ペドロに加えて、アディングラやウェルベックなども背負って時間を作り、抜け出すタイミングを作っていく。こちらのサイドからタメを作ったアディングラが追い越すイゴールにパスを送り、折り返しをグロスが決めるシーンを作るがこれはオフサイド。

 しかし、決め手となったのはこの左サイド。アディングラの突撃でPKを獲得し、これが決勝点に。ジョアン・ペドロはPKを止められるが、こぼれ球を落ち着いて押し込んでゴールを奪った。

 ファストブレイクに出ていく機会を見出せず、後半は出ていく機会を失ったビラ。ブライトンの攻めに屈し、4位を固めるための勝ち点を積み上げることができなかった。

ひとこと

 後半は割と文脈なく不均衡が生まれたなという感じ。

試合結果

2024.5.5
プレミアリーグ 第36節
ブライトン 1-0 アストンビラ
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:87′ ジョアン・ペドロ
主審:ロベルト・ジョーンズ

リバプール【3位】×トッテナム【5位】

遅すぎたリシャルリソン起点の反攻

 上位対決となったアンフィールドでの一戦。アストンビラが敗れたことにより、特にトッテナムにとっては重要な意味を持つ試合となる。

 立ち上がりはポロがリバプールの3センターの間に入り込むポロが縦パスを引き出すスタート。さらにはハイプレスに出ていくなどトッテナムの積極策が目立つ展開に。リバプールはこれに対して、前線に蹴るアクションを見せることでプレッシングを回避する。

 時間が経過するとリバプールはトッテナムのプレスを鎮静化することに成功。トッテナムの中盤の切れ目を繋ぎながら縦に縦に進むルートを探していく。バックスではアレクサンダー=アーノルドが内外で自在にポジションを取ることでトッテナムのプレスの狙い目を絞らせない動きを見せる。

 攻撃の出口になっていたのは右の大外のサラー。珍しくワイドからの仕掛けを行っていくサラーを軸にゴールに迫るプレーを続けていく。

 しかしながら、先制点は逆サイドから。左に流れたガクポからのクロスを仕留めたのはサラー。直前のセットプレーでも見られたファークロスへの抜け出しを見せて試合を動かしていく。

 以降もリバプールは一方的に押し込んでいく流れが止まらない。左右に振ってボックスに迫るアクションが続いていく。トッテナムが押し込むフェーズもなくはなかったが、皆要求は足元になってしまい、いい時の流動性を見せることができない。むしろ、押し込むフェーズをひっくり返してのリバプールのWGを生かしたカウンターを食らうことでピンチを生む元になってしまっていた。

 ペースを握ったリバプールは自在に揺さぶると左右のクロスから追加点。最後はボックス内に入り込んだロバートソンが押し込みリードを広げて前半を終える。

 後半もリバプールはサラーにボールを集めるスタート。リバプールは順当に押し込むと、ロングボールから追加点。好調のガクポがゴールを仕留めて早々にリードを広げて見せる。

 展開がオープンになることで後半もWG経由のチャンスメイクが増えたリバプール。オープンな展開でもトッテナムを上回り、チャンスを作っていく。すると59分にエリオットが距離のあるところから難しいミドルを仕留めて4点目。勢いを存分に生かしてさらに得点を積み重ねる。

 この一方的なリバプールペースに一石を投じたのがトッテナムの交代選手。特にリシャルリソンは素晴らしかった。足元ばかりの前線の中で左右に流れながらチャンスを作っていくと、トッテナムの攻撃は一気に活性化。文字通り、攻撃を牽引したリシャルリソンが1ゴール、1アシストを決めて一気に点差を詰める。

 アリソンのファインセーブがなければ、もっと点差は詰まっていたはず。終盤に勢いに乗ったトッテナムだったが、4点の借金は重く、アストンビラとの勝ち点差を詰めることはできなかった。

ひとこと

 反撃、15分遅かった感があったトッテナムであった。

試合結果

2024.5.5
プレミアリーグ 第36節
リバプール 4-2 トッテナム
アンフィールド
【得点者】
LIV:16′ サラー, 45′ ロバートソン, 50′ ガクポ, 59′ エリオット
TOT:72′ リシャルリソン, 77′ ソン
主審:ポール・ティアニー

クリスタル・パレス【14位】×マンチェスター・ユナイテッド【6位】

目論見通りの90分

 アンフィールドから覚醒気味だったパレスの勢いは少しずつ落ち着きつつある。もちろん、順位的にはそれでも大きな影響はないが、パレスが欲しいのは来季に向けた勢い。グラスナーが作り上げるチームのポテンシャルを広く知らしめることだろう。

 立ち上がりはユナイテッドが高い位置から出ていくスタート。前の5枚はパレスの3バックとCHにそのままプレッシャーをかけていく。その一方でアンカーのメイヌーはマテタへのロングボールに対して迎撃を見せる。そういう意味では前後分断気味の守備と言える序盤戦となった。

 保持でのキーマンもメイヌー。アンカーとしてどっしり中央に構えるのではなく、左右に動きながらのフリーマンとしてボールを自由に引き出していく。パレスは高い位置からボールを捕まえにいこうとしていたが、この動き回るメイヌーへの対応は迷いが見えていた。

 そうした中でパレスは先制点をゲット。オリーズがドリブルであっさりと時間作り出すとそのままあっさりとフィニッシュまで。ユナイテッドは枚数を合わせた分、自己責任論が強くなってしまった感があったのと、カゼミーロの抜かれ方がそれにしてもあっさりとしていたというのが明らかな反省点だろう。

 失点以降、ユナイテッドは保持の時間を増やしていくが、なかなか決めてとなる反撃のきっかけを掴むことができない。幸い、パレスはリード以降もプレスに出てきてはいたので、有望だったのはその背後をサイドの縦関係で抜け出すくらいだろうか。

 そんなユナイテッドを尻目にパレスはカウンターから追加点をゲット。好調のマテタがネットを揺らし、さらにリードを広げる。こちらはエバンスの対応が淡白。ユナイテッドはまたしてもCBの対応の軽さから失点を喫してしまう。

 後半もユナイテッドは保持の王様をメイヌーとしてパレスに挑んでいく。ゴールに迫るアクションは少しずつ増えていたのは事実だが、オフサイドやヘンダーソンのセービングに阻まれる場面でネットを揺らすことはできない。

 パレスはマテタ、エゼへの縦パスから安定したカウンターを発動。ユナイテッドの選手は寄せてはいるのだが、もう一歩入り込む鋭さがなく、若干寄せているだけになってしまったのが残念だった。

 パレスはセットプレーからさらに追加点をゲット。同じくセットプレーからのヒューズのミドルで脅かした後に、二次攻撃のクロスをファーのアンデルセンが折り返して、ミッチェルが仕留める。

 それでもパレスの攻撃は止まらず。カウンターからの即時奪回でカゼミーロを狙い撃ちにしてゴール。オリーズのこの日2つ目のミドルで4点目を奪う。

 グエイの復帰や80分以降は保持で試合を制圧したことも含めて、パレスにとっては充実の一日になったはず。いいところのなかったユナイテッドを粉砕し、目論見通りの90分を過ごした。

ひとこと

 パレスの強さがきっちり詰まった90分だった。

試合結果

2024.5.5
プレミアリーグ 第36節
クリスタル・パレス 4-0 マンチェスター・ユナイテッド
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:12′ 66′ オリーズ, 40′ マテタ, 58′ ミッチェル
主審:ジャレット・ジレット

今節のベストイレブン

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