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「こう勝てればなお良い」~2026.4.18 J1百年構想リーグ 第11節 横浜F・マリノス×川崎フロンターレ レビュー

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レビュー

CFのロマニッチ活かし

 国立での試合では横浜FMが5-0。大勝でライバルを倒すことに成功した横浜FM。勝てば2014年以来のシーズンダブルを達成。川崎は12年ぶりの屈辱を阻止し、国立での借りを返したいところだろう。

 まずは川崎は左サイドに流れるロマニッチへのロングボールから。少しサイドに流れることで確実にボールを収めていく。

 ただ、ロングボールの入りは序盤の落ち着かない展開ゆえという感じ。本命となるのはロマニッチの縦パスから細かく中央に段差をつけていく前進。強引なロングボールからだけではなく、伊藤が絞ったりなど人を多く置くことでロマニッチのポストを起点にライン間から前を向く選手を作っていく。

 普段であれば降りるアクションを見せないマルシーニョも中盤にボールを落ち着かせに降りてくる。前半の最後にしっぺ返しが来るのだけども、そのしっぺ返しまでは降りて受けるアクションは効果的に活用する事ができていた。

 横浜FMとしては中盤にプレスバックする天野が間に合えば咎める事ができる場面があるものの、そうした場面はあまり多くはない。

 前を向く選手を作る事ができたら左サイドに素早く展開する川崎。マルシーニョの外側を追い越す三浦のクロスから仕上げを狙っていく。全体的にゴールに迫る形は良かった。

 サイドからスムーズに前進する形もあり、この日は前進の緩急も使えていた。伊藤と山原の二人称での前進から開始早々にチャンスを作るなど、縦に速い形から一気に進んでいく場面もあった。

 先制点も右サイドからの早めの仕掛けがきっかけ。伊藤からのクロスを収めたロマニッチ。横浜FMのCBのラインの乱れを活用し、最後はキニョーネスを振り切ったところからゴールを仕留める。

 起点として効いていただけでなく、得点も決めたロマニッチ。先発起用に十分に応える立ち上がりとなった。

流れを堰き止めるハーフタイム前

 全体的にはうまく試合を進める事ができていた前半の川崎。欲を言えば、川崎は左サイドからよりスムーズにボールを前に進める事ができるチャンスがあったように思う。三浦に合わせて対面のクルークスは低い位置に下がっていたので、この位置に山本が出てきたりなどができればさらに異なる展開を見せる事ができた。

 もう1つ、気になったのはロマニッチの活用方法。彼自身は収めるので問題はないのだけども、サイドに流れるプレーを好むのは今の川崎の他の選手とは相性が悪いように思える。今の川崎はトップの選手がサイドに流れた時に代わりにボックスの中に入っていく事ができるストライカーがいない。

 強いて言えばこの役割を果たそうとしているのはマルシーニョ。右の伊藤やCHがボックス内に入っていく事ができればサイドに流れたロマニッチを有効活用する事ができるはず。ロマニッチの特性と川崎の選手の特性がマッチしていないように見えた。

 ただ、この日のロマニッチは中央に立っても起点となれたので、位置を固定すればチャンスはできたはず。前半の終盤に向けてややチャンスのカラーが薄まったのはロマニッチがサイドに流れるシーンが増えたことで、ややミスマッチな方向に試合が進んでしまった事が要因のように思える。

 横浜FMの保持はゆったりとした形が中心。2CB-2CHを軸にショートパスでボールを動かしながら、チャンスの形を探っていく。

 狙い目にしていた感があったのは右サイド。マルシーニョと三浦の間にCHがサイドフローしてフリーになる。逆サイドも同じ動きを狙っていた横浜FMだが、山原がスライドすることでギャップを素早く埋めていた。

 山根、天野などがマルシーニョサイドへのフローで起点作りに勤しむ横浜FM。中盤でフリーマンを作ることは川崎と同じくできた。ただ、中盤のフリーマンの先があまり定まらなかった横浜FM。浮いた選手からの縦パスがハマらず、川崎に怖い展開を見せる事ができない。

 右サイドから強引にファウルを奪ってのセットプレーか、あるいは細かいことを抜きにして谷村にロングボールを当ててしまうことの方がより明確にチャンスを作る事ができていたように見える。

 川崎目線で言えば相手にチャンスを与えないまま順調に時間を過ごしていた。そうした中で前半追加タイムにまずいプレーでミスが出る。落ち着いて落とせば問題ない場面で浮き玉でパスを出してしまい、自陣でのロストをしてしまったのはマルシーニョ。その直前で横断パスをミスした山原も含めてパスを通せない精度不足を嘆くことしかできないミスで横浜FMにチャンスを渡し、そこから天野にゴールを許してしまったというのは非常に重たい。鹿島戦の失点の仕方を踏まえても非常に残念な前半の締めくくりとなってしまった。

冗長な後半を劇的に制する

 後半、勢いに乗る横浜FMはダイレクト志向を打ち出してロングボール中心の形。左右のサイドから川崎のCBを引き出しつつ、その背後を取ってサイドをえぐったところからの折り返しで勝負をかけていく。

 川崎はまんまとその誘いに乗ってしまった感。特に松長根のサイドは目をつけられた感じで、横浜FMは左サイドのローテーションから背後を取っていく。松長根自身も強引にボールにアプローチしようとした結果、入れ替わられてしまうなど、一番やってほしくないワンプレーで穴をあけてしまう。

 川崎の保持においては前半同様にロマニッチのポストを生かしながらの前進を狙う。だが、前半よりも厳しくボールにアプローチする横浜FMに苦戦する。その分、踏ん張りを見せたのはサイドアタック。右サイドは伊藤と山原のコンビネーションに脇坂が絡む形で崩しまではもう一声という感じ。

 左サイドでは例のパスのせいか早々に退いたマルシーニョの代わりとなった宮城がチャンスメイク。個人的にはロマニッチがサイドに流れた時のストライカー役として面白いのかなと思ったが、位置交換からの侵入(初期配置が入れ替わっていたことはあった)から入っていくシーンはあまり見られなかった。

 後半は明らかに保持の機会が増えた横浜FM。川崎のラインがズルズルと下がってしまったこともあり、シュートに行く強引さを見せていくがなかなか前が空かない。

 川崎はなかなか保持の機会を大事にできない印象。山原のスローインや伊藤とロマニッチのパス交換のコミュニケーションミスなど、なんでそこで?と言いたくなってしまう場面が多かった。横浜FMもそうだが、こういう類のミスから後半はやや冗長な時間を過ごしてしまった感は否めない。

 川崎は何とかポゼッションを回復すると、アウトサイドのクロスからボックスに届けるところまではたどり着く。2試合連続で左サイドに入った長は宮城との均質的な役割から中央と左でレーンを入れ替えながら進撃していく。

 最終盤は互いにゴールチャンスを迎える展開。横浜FMが右サイドから抜け出したチャンスを川崎がしのぐと、CKからのカウンターで走ったエリソンが劇的なゴールをゲット。後半追加タイムのゴールで勝利を手にした川崎が国立のリベンジを果たした。

あとがき

 やはり勝利というのはうれしいのだけども、レベルの高い試合での勝利の方がよりうれしい。川崎は前半のプレーは軒並みよかったように思えるのだが、やはり失点のところで試合の緊張感が緩んでしまったように思う。

 せっかく試合をするのだから、つまらないミスを減らし、緊迫した試合をモノにする経験が欲しいところ。鹿島のようなチャンピオンチームには90分を通してそういう状態を保たないと勝てないし、何よりもこの神奈川ダービーもかつての姿はそうだった。急にできることは増えないかもしれないが、ちょっと切ないミスから試合のテンションを下げることはなるべく避けたいところだ。

試合結果

2026.4.18
J1百年構想リーグ
第11節
横浜F・マリノス 1-2 川崎フロンターレ
日産スタジアム
【得点者】
横浜FM:45+3′ 天野純
川崎:15′ ラザル・ロマニッチ,90+7′ エリソン
主審:上村篤史

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