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「Catch up UEFA Champions League」~2022.4.13 UEFAチャンピオンズリーグ Quarter-final 2nd leg リバプール×ベンフィカ

■胸を張れる3得点

1st leg

 ポルトガルから持ち帰ったのは2点のリード。先週末の激しいプレミアの首位攻防戦の消耗と、今週末のシティとのFA杯での再戦を踏まえて、クロップは大幅なターンオーバーをすることを決断する。ファン・ダイク、ファビーニョ、サラー、マネなど多くの主力を入れ替えて、アンフィールドでの2ndレグに臨む。

 1stレグのリバプールの戦い方は殴り合いのリスクを承知で組み合うスタンスだった。仮にベンフィカが早い攻撃で殴ってきても、天下のリバプールならば火力でより強く殴ることが可能!という理屈である。しかしながら、2点のリードとターンオーバーしたメンバーを考えると2ndレグには異なる軸足で挑む必要がある。

 ということでボール保持は普段よりもゆったり、幅を使いながら前進をしていく。役割のバランスとしては基本的にはスタートの11人と似た感じだった。バックラインは対角のパスを駆使していたし、左のIHのミルナーが低い位置まで降りてくるのはチアゴと同じ。もちろん、個々人のスペックは異なるけど、ポジションバランスは普段のスターティングメンバーと似たようなかけ方となっていた。

 WGをSBが追い越すようなリバプールのサイドの縦関係の入れ替わりに対して、ベンフィカはうまく対応できていなかったので、リバプールは前進することは難しくはなかった。さすがにエリア内へ迫る部分では普段よりは割引感はあったけど。それだけにセットプレーからコナテのゴールで先制できたのは大きかった。

 非保持においてのリバプールは高い位置からプレッシングを強引にかけることはしない。ベンフィカが早く仕掛けるカウンターはどうしても避けたいところ。なので、ロスト後のプレッシングはとりあえず行う。それで早い攻撃を避ける。

 発動した時の破壊力を見るとベンフィカの前4人のカウンターは迫力十分なので、リバプールがまずはそこの機会を限定したという判断は正しかったように思う。メンバーを代えた影響もあり、同日に開催されたシティほどは重さは感じなかったのはプランの遂行力も十分だった。

 速い攻撃を封じられたベンフィカだったが、同点ゴールは意外なところから。ミクロな動き出しでライン間にスペースを作りだすと、縦パスをつないでの抜け出しで最後はラモス。シンプルにブロックに対して真ん中を割る形で得点を奪う。

 後半もリバプールの守備に対してはズレを見出すことができたベンフィカ。特にサイドにプレスをかけに来る色を強めたケイタのズレを使い、中央にスペースを見出してきっちり前進する。

 だが、先に相手のズレを得点につなげたのはリバプールの方。ケイタのドリブルで対面のターラブトを動かすと、真ん中をかち割るスルーパスが通り、最後はフィルミーノがゲット。ブロックを正面から壊して見せた。フィルミーノは10分後にセットプレーでももう1点を追加。勝ちあがり自体はこの段階で決着がついたといっていいだろう。

 しかし、ベンフィカは最後まで抵抗。先制点のようにこの日のリバプールには真ん中を割れるという判断だったのだろう。ひたすら最終ラインとの駆け引きを繰り返して抜け出すと、2ndレグでのスコアをフラットにする2点を奪う。どちらのゴールもフィールドの上ではオフサイド判定。紙一重の抜け出しでリバプールの守備陣を壊すことができたベンフィカだった。

 終始完成度の違いは感じたので、正直勝ちあがるイメージはわかなかったベンフィカだったが、真っ向からリバプールと撃ち合いながら180分渡り合うその姿は見ていて気持ちのいいもの。アンフィールドから3得点を持ち帰り、胸を張って大会から去ることになった。

試合結果
2022.4.13
UEFAチャンピオンズリーグ
Quarter-final 2nd leg
リバプール 3-3 ベンフィカ
アンフィールド
【得点者】
LIV:21′ コナテ, 55′ 65′ フィルミーノ
BEN:32′ ラモス, 73′ ヤレムチュク, 81′ ヌニェス
主審:セルダル・ゴズビュユク

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