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「Catch up Premier League」~2022.3.5 プレミアリーグ 第28節 バーンリー×チェルシー ハイライト

■シビアなバランスで成り立っていた前半の奮闘

 試合の展開としてはチェルシーがボールを持ちながら、ブロックを組むバーンリーに対してどのように攻略を進めていくか?という局面である。普通に組めばチェルシーの3-4-3はバーンリーの4-4-2に対してズレが発生する。だけども、バーンリーはそのズレを最小限に埋める形でチェルシーにプレッシャーをかけていく。

 具体的にはCBにどこまでプレスにいくか?という話。つまり、チェルシーの3枚のバックラインに対して、2トップ以外のもう1枚が出ていくかどうか。これを判断する役割を担っていたのはレノンだった。彼がリュディガーにプレッシャーをかけにいくか否か。そこでバーンリーがどれだけプレスに前のめりなのかを図ることができた。同サイドのCHであるウェストウッドもレノンに合わせて高い位置をとり、リュディガーのパスの選択肢を消す動きを連動させていたのもチェルシーにとっては非常に厄介だった。

 チェルシーからすると、相手のSHがCBに出てくるということはSHとSBの距離が空くということでもある。そうなれば、チェルシーとしては左のWBのサウールは前進の狙い目ではあったはず。だけども、正直ここにボールをつけることができても、チェルシーは前進の方策を見つけることができなかった。サウールもよくないし、周りもそれに連携できない。それならば、同サイドの裏にリュディガーが一気に狙う形の方がまだ可能性があった感じである。

 構造的な部分でよりチェルシーの狙い目になったのは、バーンリーのSHとSBのズレではなく、レノンとウェストウッドの意識にズレが出た時。どちらかが出て行こうとしたのに、どちらかが出ていかなかったパターンである。このパターンでできた切れ目に縦パスをつけて前進するパターンが一番クリーンにチェルシーの前進がうまくいく形となった。

 時折、マウントがこの形から好機を生み出すのだけど、チェルシーからすると頻度はものたりない。むしろ、引っ掛けてからの被カウンターでバーンリーのピンチに晒される方が多かった前半だった。

 90分間これを同じようにやれればいいはずだったバーンリー。だが、30分以降自陣撤退で5-4-1のようにスペースを埋める時間が増えるように。初めはそれでも守ることができていたが、やはりDFラインにミスが許されない形はプレッシャーがかかる。

 後半はその部分をよりうまくチェルシーがついてきた。捕まえるのがややこしかったのは中央で背負ってよし、サイドに流れて良しだったハフェルツ。彼のせいでバーンリーは5バックが狭く守る必要があった。

 ハフェルツを軸にした中央からの崩しと、外に広げる動きを繰り返すことで撤退守備を壊したチェルシーは後半開始から立て続けに4点。前半は互角以上の戦いを見せたバーンリーだったが、90分これを繰り返すのは見た目以上に至難の技なのだろう。ノーミスを90分続けることはできず、大外の対応でミスが出て立て続けに失点。前半の奮闘を勝ち点につなげることはできなかった。

試合結果
2022.3.5
プレミアリーグ 第28節
バーンリー 0-4 チェルシー
ターフ・ムーア
【得点者】
CHE:47′ ジェームズ, 53′ 55′ ハフェルツ, 69′ プリシッチ
主審:アンドレ・マリナー

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