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「Catch up Premier League」~2022.3.7 プレミアリーグ 第28節 トッテナム×エバートン ハイライト

■シティ戦からの明確な退化

 両チームとも相手のバックラインにプレッシャーをかけずにボールを持たせる立ち上がり。したがって、試合のテンポは過度に上がらなかった。トッテナムはこれまでの試合の通りに、シャドーを下げた位置に置くコンパクトな5-4-1でエバートンを迎え撃つ。

 対するエバートンはコールマンをバックラインに加えた3バックへの可変で後方からの前進を狙う。しかしながら、アランを抑えられたこともあり、エバートンはバックラインから効果的なパスを供給することができない。エバートンのプレスの脱出口はキャルバート=ルーウィンへのロングボールに集中。そのほかの前進の手段として言えば、偶発的に1人でボールを運ぶことができるゴードンの前にボールが転がったときくらいのものだろう。

 守備においてのエバートンは後方から繋ごうとするトッテナムに対しては無理にプレスはかけなかったが、ボールロスト後は即時奪回の気配を見せる。だが、トッテナムは横に揺さぶることであっさりこれを回避する。

 ゲーゲンプレス!といえばエバートンの守り方は聞こえがいいかもしれないが、ボールに近づくだけでホルダーを捕まえるのが遅くなってしまっている。これではトッテナムに大きな展開で脱出されるのは当然。そもそもコンテ就任以降のトッテナムはWBを共に攻撃に参加させることで横幅を駆使するスタイルがベースである。

 加えて、エバートンはプレスに対して遅れて飛び込むという悪い癖がある。1失点目のゴードンのプレスもそうだし、2失点目のバックラインは軒並みそう。SBの遅れたプレスを起点にCBも出ていってさらに傷口を広げるという悪の循環がずーっと繰り返されていた。

 シティ戦では相手の選択肢を消しながら、無理に飛び込まないようなプレスで勝ち点まであと一歩のところまで迫ることはできてはいたが、この試合では勝ち点の可能性をわずかにも感じることができなかったのは残念である。

 ホルダーを捕まえるのが遅れれば、トッテナムに一気に押し下げられるのは当然だし、間に合わないのに後から無理にプレスに出ていけば、そのスペースに走られるのは当たり前。トッテナムの前線の面々にとってはそんなことは朝飯前である。

 ワイドに裏にとうまく使えたトッテナムは見事ではある。でも、この試合ではそれ以上にエバートンの拙さが目立った。シティ戦からは規律の面で明確に後退。監督が代わっても、だらっと人を捕まえにいってしまうという悪癖が邪魔をするというのはエバートンのいつものパターン。アンチェロッティにベニテスという経験豊富な指揮官でも克服できなかったこの悪癖をなんとかできなければ、シーズン終了間際には想像し得なかったまさかの結末が起きることは否定できないだろう。

試合結果
2022.3.7
プレミアリーグ 第28節
トッテナム 5-0 エバートン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:14′ キーン(OG),17′ ソン,37′ 55′ ケイン, 46′ レギロン
主審:スチュアート・アットウェル

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