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「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 Asia qualifiers」~カタールW杯 アジア最終予選 グループB 第8節 オマーン×オーストラリア~ 2022.2.1

■優位に立つも2回の誤算でフイに

 オマーンは4-4-2のフラットのフォーメーションを採用。前節と同じ陣形ででグループ内における3強の一角崩しに挑んでいく。だが、この形は個人的には前節と比べて機能しなかったように思う。

 まず、オーストラリアの4-2-3-1からムーイをアンカーに下ろしての逆三角形のビルドアップにうまく対応できていなかった。おそらく、オマーンは2トップが2CB+アンカーの3枚を監視する形を実現したかったのだと思うのだけど、ここが機能しなかった。枚数が合わない分、ホルダーを捕まえられないことに加えて、オーストラリアはオマーンの最終ラインに対してスピード面で優位。高く設定されたオマーンの最終ラインの裏に積極的に蹴り飛ばすことによってチャンスメイクに成功していた。

 オーストラリアはこの優位を生かし15分にボイルが裏に一発で抜け出した形からPKをゲット。これをマクラーレンが沈めて先制。上位2チームを追いかけるための順調な滑り出しを見せる。

 オマーンの4-4-2フラットは保持の面でも難あり。予選序盤で存在感を見せることができたのは段差の多い中盤が菱形の4-4-2で多くの斜めのサポートを作ることができていたから。4-4-2フラットでは構造上、斜めのパスコースはあまり多く存在しない。

 オマーンはパスコースを創出しようと動き出しても、オーストラリアの中盤は同サイドにグーッと圧縮をかけることで密集をそのまま押しつぶす。オーストラリアは積極的にボールを取り上げることはしなかったので、保持率こそ両チームで差がない展開だったが、主導権はオーストラリアのものだった。

 順調に時計の針を進めていたオーストラリアだったが、後半の途中でまさかの誤算。トランジッションから攻め上がったSBのカラチッチの裏を使われてしまう。カバーに入ったCHを嘲笑うかのように、オマーンはCHが空けたバイタルからミドルを放ちワンチャンスをものにする。オーストラリアにとっては高くつくミスとなってしまった。

 後半のオーストラリアはサリーでバックラインの数的優位を確保し、外循環でボールを前に届けて、クロスを上げることで敵陣に迫る機会が多かった。このクロスがファーに届けば、4枚で迎え撃つオマーンのバックスは対応が難しくなる。そのため、クロスがファーに正確に届くかどうか?がオーストラリアの攻撃がうまくいく分かれ目となっていた。

 79分に勝ち越し点を生んだのもファーへのクロスで競り合うことができたから。こぼれたボールをデュークが落とし、攻め上がっていたムーイが叩き込んで再びリードを奪う。

 これで決着かと思われた試合だったが、終了間際にオーストラリアはまさかのPK献上。人数をかけて囲っていた気になっていたボールホルダーに裏へのパスを出させたことがまずは問題な気がするが、1点目と同じくカラチッチの裏を取られてしまっての失点は切ない。

 2回追いつかれてしまい勝ち点3を積む機会を逃してしまったオーストラリア。3月シリーズの日本とサウジアラビアとの連戦を厳しい状況で迎えることになってしまった。

試合結果
2022.2.1
カタールW杯アジア最終予選 第8節
オマーン 2-2 オーストラリア
スルタン・カーブース・スポーツコンプレックス
【得点者】
OMA:54′ 89′(PK) ファワズ
AUS:15′(PK) マクラーレン, 79′ ムーイ
主審:モハメド・ハッサン

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