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「EURO2020ハイライト」~Group D Match day 2 クロアチア×チェコ~ 2021.6.18

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■痛み分けだが対照的な最終節を迎える

 前節の勢いそのままに立ち上がりから攻めに出るチェコ。ただし、高さ重視で直線的にガンガン!だったスコットランド戦とは異なり、サイドからボールを運ぶシーンが目立つ。狙い目としたのはクロアチアの右サイドの裏側。だが、全体を押し上げるタメが作れないのが問題となる。サイドからのクロスに合わせる厚みが中央にはなかった。

 一方のクロアチアも前節と同じくモドリッチとコバチッチにすべてをベットする前進の手法。余談なんだけど、クロアチアのやり方は今回のEUROのトレンドである『3-2-5(もしくは3-5-2)での後方の数的優位確保からの前線への長いレンジのパスで進んでいく』という要素から最も遠いチームだと思う。

 彼らは中盤を経由しないと進むことができない。モドリッチとコバチッチという他のチームであればボールを入れることもためらうポジションの選手にボールを入れて前を向いてゲームメイクしてもらう。

このポジションの選手にボールを入れにくいのは、守備の際にミドルプレスを敷くチームが多いから。そして、ビルドアップで彼らに前を向かせる仕組みが整備できているチームが少ないからだと思う。

 クロアチアも他のチームに比べてその仕組みが整っているとは思えないのだけど、モドリッチとコバチッチはそれでもなんとかしてしまう。ので彼らのスキルは超一流なのだろう。確かにくぐってきた死線の数が違う感が出てるコンビである。

 クロアチアはアタッキングサードで詰まると普通に困ってしまうチームなので、モドリッチとコバチッチは自らマークを外すボールの引き出し方をするだけではなく、局面を大きく進める展開まで求められる。そうなるとどうしてもチャンスメイクの頻度という点では劣ってしまう。

 先制点を得たのはチェコ。エリア内でのロヴレンの肘がシックに直撃してしまい、これがファウルを取られてしまった。37分のこのファウルのせいで試合全体にピリピリした小競り合いが増えたのがちょっと残念な前半の終盤であった。

 クロアチアは後半早々に追いつく。クイックリスタートから裏に抜けたペリシッチが1人でゴールまでを完結。確かにクイックリスタートを咎められなかったチェコも問題なのだけど、シンプルにここから得点まで持って行けるのはペリシッチの底力である。

 だが、このゴール以降はクロアチアは停滞。チェコが選手交代で中盤の高い位置からプレスをかけるようになると、モドリッチとコバチッチ経由の攻撃が減少。前線の単騎に依存する形が増えていった。

 選手交代後はスコットランド戦のようなロングボールからの速い攻撃はできていたものの、チェコも終盤は停滞。PKのシーンでの負傷の影響もあったか、シックが早い時間に下がってしまったのも決め手を欠く一因だったはずだ。

 試合は痛み分けで終了。勝ち点を4に伸ばして突破に王手をかけたチェコとは対照的に、クロアチアは最終節に勝ってなお他会場、他グループの結果次第という天に祈る必要が出てくる展開になってしまった。

試合結果
クロアチア 1-1 チェコ
ハンプデン・パーク
【得点者】
CRO:47′ ペリシッチ
CZE:37′(PK) シック
主審:デル・セーロ・グランデ

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