MENU
カテゴリー

「Catch up Premier League」~2022.1.18 プレミアリーグ 第17節 レスター×トッテナム ハイライト

■最後の最後で結果が内容に追いつく

 バックラインにチョーダリーを入れてまで3バックを採用したレスター、ソンの不在で中盤を増やすシステム変更に舵を切ったトッテナム。どちらのチームも緊急対応感があり、年末年始を越えてなおバタバタしていることを感じ取れるスカッドだった。

 レスターのビルドアップはそこそこ安定はしていた。GKを活用できる際はヴェスターゴーア、ソユンクがシュマイケルを挟むように立つ。ケインが無理にプレスをかけてくることはしなかったので、レスターは落ち着いてボールを運べてはいた。前に進み、GKを活用するのが難しくなったらチョーダリーが最終ラインに加わり3枚に。トッテナムの2トップに対して数的有利で後方からボールを運ぶ。

 彼らの問題はこうして落ち着いてボールを運ぶ機会をうまく確保できなかったことである。撤退時の守備が非常に不安定で、深い位置まで押し込まれる上にPA内の対応が非常に危うかった。自陣の深い位置からのカウンターを強いられてしまい、落ち着いてポゼッションする機会があまりなかった。

    ダカの先制点はタンガンガを引っ張り出して得たワンチャンス。ダカとルックマンの2トップのエキセントリックなつなぎで得点に結びつけた展開とは逆らうもの。余談だけど、この試合のレスターの崩しはこの得点のようにボールから極端に近いプレイヤーが細かくパスをつなぐことを狙うものが多かった。

 レスターが押し込まれた展開に関してはトッテナムの保持がうまくいっていたという見方もできる。5-3-2にフォーメーションを変えたトッテナムはケイン、ルーカス、ホイビュア、スキップの行動範囲を広く設定。前のブロックを3-2で構えて中央封鎖を狙うレスターに対して、上下動や左右にポジションを動かしながら相手がどこまでついてくるかという駆け引きをトッテナムは見事に行っていた。

 WBを活用できなければ始まらない!というこれまでのトッテナムの攻撃からはだいぶテイストが変わった感じ。ケインはもともと裁量が多いほど輝くタイプではあるけど、ホイビュア、ルーカスあたりがマディソンとチョーダリーというレスターの守備が怪しい右のハーフスペース付近をきっちり破壊できたのは上出来。コンテ就任後とは異なるカラーでソンの不在を補ってあまりあるおつりがくる内容といっていいだろう。

 こちらはむしろ、ケインの同点ゴールまでたどり着くまでにやたら時間がかかったなという印象である。このシーンのようにレスターはハイラインになったらなったで、後方のスピード不足がさらされてしまうという苦しい展開。ルーカスとケインにスピードに乗られたらもう詰みであった。撤退しても出ていっても守備は怪しかった。

 後半もトッテナムの優勢は変わらず、相変わらずシュマイケルは忙しい展開。ホイビュアのシュートを止めた選手(多分トーマス)がチームを救ったりなど、シュマイケル以外にもファインセーブを見せる選手が出て来たくらいである。レスターは途中から2トップのルックマンを2列目に落とし、守備にさらに人数を割く修正を施さなくてはいけなかった。

 だが、そんな劣勢でも得点をするのはレスター。1点目と同じく細かいパス交換からマディソンが決めて勝ち越す。しかし、試合はここで終わらず。トッテナムは後半追加タイムに右サイドのドハーティの抜け出しからベルフワインが押し込むと、直後のリスタートから再びベルフワインが加点し、劇的な大逆転。

   ベルフワイン、1点目の直前のプレーでブチギレイエローもらっていたので冷静にシュート決めてるのはなんかおもしろかった。ごセレブレーションでめっちゃ観客席に入ろうとしたのを止められてたのを見る限り冷静ではなかったのかもだけど。誰か知らんが2枚目の警告が出るのを防いだチームメイトに感謝すべきである。

 幕切れは劇的だったが、試合を通してみると97分にようやく内容に結果が追いついたという印象。レスターは試合を通じて見られた脆さが最後の最後で悪い方に傾いてしまった。

試合結果
2022.1.19
プレミアリーグ 第17節
レスター 2-3 トッテナム
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:24′ ダカ, 76′ マディソン
TOT:38′ ケイン, 90+5′ 90+7′ ベルフワイン
主審:ジョナサン・モス

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次