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「Catch up Premier League」~2022.1.18 プレミアリーグ 第24節 ブライトン×チェルシー ハイライト

■足音が聞こえてくる引き分け

 まず、目についたのはチェルシーのフォーメーションである。メンバーを見た時はいつもの並びかなと思ったのだけど、蓋を開けてみれば4-4-2というのが正しいだろう。

 狙いはおそらく縦に速い攻撃の強化だと思う。ルカクに速い段階で縦パスをつけたときのフォローを2トップの相方(この日はハドソン=オドイ)にやってもらう。前節でルカクを孤立させてしまったことの手当てではないだろうか。事実、この日のチェルシーはブライトンと比べて直線的に縦に進むパターンが多かった。

 だが、理想通りにいったかは微妙なところ。バックラインの押し上げは早くなく、全体が間延びした攻撃になることが多かったし、速い攻撃で完結させられるほどカウンターはスピード感のあるものではない。数の論理を最大限に生かしたチェルシーの3バックを活用したビルドアップも見られなくなっていることもあり、フォーメーションを変更してまでルカクのフォローを入れた収支はマイナスに触れているように見えた。

 強いていれば崩せそうだったのはリュディガーに行くか、アロンソに行くかの判断がやたら多かったランプティのところ。最終ラインのこの部分のズレを利用し、敵陣までを運べる機会はチェルシーにもあった。ただ、ブライトンはアンカーとCFを軸に中央で待ち構え、チェルシーからサイドをスムーズに変える機会は取り上げた。なのでチェルシーは同サイドを壊し切る必要があった。制限付きのポゼッションである。

 チェルシーが膠着を打ち破ったのは外からのミドル。なぜか本人は大喜びをしていない状況だったが、それなりに機能していたブライトンのブロックを打ち抜くツィエクのゴールは貴重だった。

 チェルシーは守備においてはハドソン=オドイをSHに下げる形で4-5-1で受ける形に変形。中盤も3枚で受ける形にしつつ、場合によっては2列目の4人からプレス隊が出ていく形で守る。だが、ここはブライトンが一枚上手。相手のフォーメーションに寄ってビルドアップの人数を調整するのは彼らの得意分野。チェルシーの守備の狙いは綺麗にはハマらない。

 WBがいない分、大外のフォローが甘くなることが多く、SBの攻め上がりには弱さを見せる場面もあったチェルシー。ブライトンは前進はできるものの、そこからアタッキングサードの侵入が少し物足りず決定機を作るところまでには至らなかった。

 後半は両チームとも修正しての立ち上がり。ブライトンはモデルとウェルベックの入れ替えを断行、チェルシーは4-2-3-1へ切り替えた。ペースを握ったのは1点を追うブライトン。左サイドのククレジャが1列前に入ってボールを引き出す機会が増えたことでサイドからの侵入が増えた。

 だけども前半と同じくなかなかフィニッシュまで至らない。チェルシーは前半にこの状況をミドルで解決したが、ブライトンはセットプレーで解決。見事に設計されたCKで同点に。1人だけ走り込む方向を変えたウェブスターがきれいにフリーになり、完全に狙い通りに同点弾を叩き込んで見せた。

 ブライトンは直後にモペイ、トロサールが交代で入れて流れはさらに引き寄せる。モペイのポストからトロサールが前を向く形を作り、左サイドで攻めるパターンが出来てくる。逆サイドはランプティがアロンソに勝てるのでスペースを空けておけばOKである。

 だけども、今度はブライトンお馴染みの決定力不足問題が立ちはだかる。この日はモペイへのパスがみんな異常に厳しくて、モペイがトラップミスしまくるというパターンもあった。

 後半のチェルシーの攻撃はレーンわけを意識したポゼッションでの攻略に目を向けたものだったとは思うけど、パスの精度の部分で時間を使ってしまい、ズレをうまく前線に送れない。パスワークで前に時間を送ることに関してはブライトンの方が明らかによかった。それでも馬力に関して言えばチェルシーなのだろうけど、ルカクを下げてしまったことでその部分の強みも消滅。

 交代で入ってきた選手も起爆剤にならず、ホームと同じくブライトン戦は1-1で終了。これでここ4試合のリーグ戦で得た勝ち点は3。そろそろ前よりも後ろの足音の方が気になってくる頃だろう。

試合結果
2022.1.18
プレミアリーグ 第24節
ブライトン 1-1 チェルシー
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRI:60′ ウェブスター
CHE:28′ ツィエク
主審:ケビン・フレンド

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