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「Catch up Premier League」~2023.2.12 プレミアリーグ 第23節 リーズ×マンチェスター・ユナイテッド ハイライト

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今日のユナイテッドの試行錯誤

 3日前のオールド・トラフォードでの激闘はかなりプレミアファンの記憶に残るところだったはず。日曜の夜にエランド・ロードに舞台を移し、リーズとマンチェスター・ユナイテッドは再び対戦する。

 まず、目についたのはユナイテッドのバックラインの移動である。立ち上がりはマラシアが内側に絞る動きが目立ったが、逆サイドのダロトにも似たようなタスクが課されているようにも見えた。基本的にはボールサイドと逆側のSBが絞っての3-2を形成することが多かった。

 前節のテン・ハーグのアプローチを踏まえると、アントニーのいないサイドにおいては基本的には人数をかけて保持を解決したいという思想が見てとれる。フレッジとブルーノをフリーにしたまま同サイドでのフォローにSBを駆り出したいので、ボールサイドでは大外に張ってもらう。

 だけども、そのまま放置するとトランジッションにおけるザビッツァー周りの不具合が晒されるという前節の難点が出てくる。そこを逆サイドのSBが絞ることによって解決するのがテン・ハーグの発想だろう。ちなみに、フレッジがサビッツァーの隣まで降りてくるとSBは大外でのシンプルな仕事に戻る。

 前節の反省を踏まえると、悪くないアプローチだろう。課題を踏まえたいいテストのように思う。ややユナイテッド側の誤算だったのは、リーズのプレスが激しかったことだろう。SBの移動距離は長くなるので、リーズが強気にプレスにくると、外にパスコースを確保する前にCBにプレッシャーをかけられてしまう。特にマグワイアはボール保持においては晒されてしまい、リーズのプレスにつかまり続けていた。ユナイテッドの配置の移動が間に合わないという構造的な問題と移動までの時間稼ぎをすることができないというユニットの個人スキルの問題の合わせ技をリーズがきっちりとついた格好になる。

 テン・ハーグのユナイテッドのキーワードの1つは現実主義なので、蹴っ飛ばして逃げるというのが現象に対する回答の1つになる。リーズの激しいプレッシャーもあり、試合の中で多くのチャンスはセットプレーから生まれた。どちらかといえば、よりいいポイントでファウルを貰っていたのはバックラインに対するプレッシャーが十分にあったリーズの方である。

 後半、ユナイテッドは後方の3-2ブロックの移動を減らし、どこにボールがあっても、ある程度固定しながら動かすことが増えた。状況によって誰がどこに入るかの流動性は残してはあったが、ボールの循環と共に瞬間的な移動を減らすことで「移動間に合わない問題」を解決したいように見えた。

 しかし、それでも後半の頭に主導権を握ったのはリーズ。構造でハメるというよりは個人の時間を奪うことでエラーを誘うタイプのプレスは相変わらずユナイテッドのバックラインに混乱を引き起こしていた。テン・ハーグがリサンドロ・マルティネス投入というエスケープボタンを押すことになるのはある意味当然の帰結だろう。

 開始直後は見事な配球を見せていたユナイテッドだったが、時間の経過とともになかなか安全にボールの脱出口を見つけられずに苦労している感があった。解決策になったのはザビッツァーの対角パスだった。この試合でも何回か見られたトライだが、リーズのトランジッションの温床になるなど効果的な手段に昇華できなかった感がある。左サイドの余ったところからのクロスをきっちりしとめたラッシュフォードがまたしても大仕事を果たす。

 なかなか目立たなかった解決策がゴールにつながるという構図は2点目も同じ。ベグホルストの繋ぎは見事にガルナチョの追加点を後押しして見せた。

 時間が奪われた中で解決策を見出すことに成功したユナイテッド。リマッチを制し、上位追走に弾みをつけた。

ひとこと

 テン・ハーグのテストとトライは最近見ていて面白いなと思う。ユナイテッドは今踏んでいるステップを知っておきたいチームの1つである。

試合結果

2023.2.12
プレミアリーグ 第23節
リーズ 0-2 マンチェスター・ユナイテッド
エランド・ロード
【得点者】
Man Utd:80′ ラッシュフォード, 85′ ガルナチョ
主審:ポール・ティアニー

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