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「Catch up Premier League」~2023.2.15 プレミアリーグ 第12節 アーセナル×マンチェスター・シティ ハイライト

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天王山第一ラウンドの行方は

 首位を走りながらもここにきて2試合連続で未勝利が続くアーセナル。このタイミングでアルテタが国内で唯一勝利したことがないグアルディオラという難敵を迎えることになった。

 立ち上がり、シティのプランは明確な中央封鎖。左右に張っていることが多い両WGが受け渡しながら中央のジョルジーニョを監視していたのが印象的だった。中央にジンチェンコが入った時は揃ってインサイドをプロテクトすることもあった。

 よって、サイドからは時間が与えられたアーセナル。ただし、ビルドアップにおけるストロングサイドである左側はデ・ブライネが積極的に出て行くことでシティが警戒を強めていた。逆サイドの冨安は時間を貰えており、黙々とサカに縦パスを送る。しかしながら、相手を動かすボールの受け方ができず、サカのサポートという観点では不十分だった。

 しばらくすると、シティはプレスのスタンスを変えて冨安にもプレッシャーをかけることになる。サカ×ベルナルドのマッチアップを避けたかったのか、敵陣でのボール奪取から攻撃機会を増やしたかったのかは不明だ。同じ時間に裏のハーランドにひたすらボールを送る試みもシティはトライしており、アーセナルに阻まれるも即時奪回から二次攻撃を行う形でアーセナルにプレッシャーをかける。冨安のミスが絡んだ失点はこうしたシティ側のプレッシャーが引き起こしたエラーといえるだろう。

 中央を強力にプロテクトする方針が変わったことでアーセナルもライン間に起点を作る。ウーデゴールはライン間に定住し、ポストから周りの味方を開放する役割を果たしていた。前を向く選手を作ったアーセナルはここから裏抜けでシティのエリア内に迫る。地道な裏抜けはPKという形で結実。エンケティアの抜け出しをエデルソンが倒してしまい、アーセナルに前半の内に追いつくきっかけとなるPKが与えられた。

 後半、シティは保持の時間を増やしながらアーセナルを敵陣内に押し込む。ハーランドを中心に縦に早い攻撃を重視していた前半とは異なるアプローチ。しかしながら、ブロック守備攻略はなかなかリズムをつかめない。特に右の大外に陣取るマフレズのプレー精度の低さは足かせになっていた。

 結局縦に早い方が効きそうとわかったグアルディオラはバックラインを本職DFでかため、前線にベルナルドを投入。プレスの旗手として試合のテンポを上げる役割を託す。

 この役割変更がアーセナルに刺さる。バックラインが時間を貰えなくなったアーセナルは強引なつなぎでミスを連発。徐々にシティがショートカウンターから主導権を握るようになる。シティの2点目はガブリエウの繋ぎのエラーから生まれたものだった。

 勝ち越しゴールで波に乗るシティはさらに右サイドを攻略し追加点。アシスト役のデ・ブライネ、フィニッシャーのハーランドはアタッキングサードでの精度がピリッとしないこの日のアーセナルの攻撃陣に「こうやるんですよ」と教えているかのような一発回答で試合を決める3点目を決めて見せた。

 前半は互角も後半に地力の差が表れた両軍。天王山第一ラウンドはアウェイのシティに軍配が上がった。

ひとこと

 ベルナルドの移動を起点に行われたプレスは紛れもない変身。アーセナルはシティの分厚さを体感するとともに、シティが変身をつかうほど、このカードの重要性が高まっていることを実感することが出来たのも確かである。

試合結果

2023.2.16
プレミアリーグ 第23節
アーセナル 1-3 マンチェスター・シティ
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:42′(PK) サカ
Man City:24′ デ・ブライネ, 72′ グリーリッシュ, 82′ ハーランド
主審:アンソニー・テイラー

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