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「三方良しのベンフィカ」~2023.3.7 UEFAチャンピオンズリーグ Round16 2nd leg ベンフィカ×クラブ・ブルッヘ マッチレビュー~

目次

攻めて良し、受けて良し、対応して良し

 1stレグではリードを奪い、ホーム凱旋を果たすことに成功したベンフィカ。圧倒的有利な状況でクラブ・ブルッヘを迎え撃つ。

 試合は序盤から前からプレッシングに出て行くアグレッシブなスタートとなった。両チームのフォーメーションは噛み合わせのいい形とは言えなかったため、プレスをかける側にはエネルギーがいる状況。それでもベンフィカは相手を狭いサイドに追い込みながら強度を部分的に上げることでブルッヘを苦しめていた。

 一方のブルッヘのプレスはベンフィカのボール回しに対してワンテンポ遅れるものだった。ベンフィカはフォーメーション上空きが出やすいSBのところからズレを作り、そこからボールを前に進める形で活路を見出す。

 ブルッヘはラインを高く保っていたので、ベンフィカは裏を狙うことも可能。そのため、ベンフィカは大外のSBを起点に前線の4枚がアウトサイドの裏抜け、ライン間、そして中央寄りの裏抜けと複数の選択肢をブルッヘに仕掛ける形になっていた。

 というわけで前進の迫力ではベンフィカが明らかに優勢。初めにネットを揺らしたマリオのゴールはオフサイドによってといり消されたが、ラモスの抜け出しからネレスへの折り返しで先制点を決めた。

 先制点以降、ブルッヘはボールを持つ時間を作りながら敵陣でのプレータイムを増やしていく。3人のCBが大きく開き、サイドに起点を作りながら外から裏を回すことでボールを前に送っていた。

 しかし、ベンフィカのリードは2戦合計で3点。裏を取られるくらいならある程度ボールを持たせてスペースを消す方向性を優先しても特に問題はない。よって、ブルッヘはボールはもてるものの、エリアに迫っていく手段を持たないまま時間を過ごすこととなった。

 ベンフィカが厄介なのは押し込まれてもきっちりロングカウンターから反撃できることである。押し込まれている流れの中で2点目をゲット。左サイドのマリオの抜け出しからラモスが決めてさらに突き放す。

 苦しくなったブルッヘ。後半は5-3-2と4-4-2のミックスのような形で守備を整備する。SHとSBのハーフ&ハーフのような形になったソワーとマイェルはサイドにおける迎撃の第一人者である。ベンフィカはブルッヘが前に出て来た時にこの背後のスペースを狙う形で前進することが出来ていた。

 よって、ブルッヘは最終ラインの横スライドをサイドの迎撃と合わせて行うことで背後のスペースを封鎖。前半のベンフィカの動きを受けたいい対応策のように思う。

 しかし、ベンフィカはそのブルッヘの対抗策を上回ってくる。このブルッヘの仕組みの弱点は最終ラインに横のスライドを強いなければいけないこと。素早いサイドチェンジを行われたら簡単に後手に回ってしまう。

 ベンフィカの3点目はまさに攻略のお手本。右→左への素早い展開をおこなったおかげでブルッヘは左の大外のグリマルドの迎撃が間に合わず。余ったところからインサイドに入れられてラモスのゴールで3点目を決める。

 このゴールでブルッヘは切れてしまったか、ここからさらに2失点。最後に意地の1点を返すが試合はすでに終わってしまった後だった。

 リードを守るどころか、さらに増やしたベンフィカが大勝でベスト8進出。ブルッヘとのダークホース対決を制した。

ひとこと

 ブルッヘも悪くないチームだったが、ベンフィカはえぐかった。押し込んでも抑えきれないし、引いても受け切れない。かつ相手への対応も早く、特にこの試合では圧巻の出来だったといえるだろう。

 保持で攻撃機会を削ってくるチームはあまり得意ではないかもしれないが、シティとナポリ以外はそのタイプも見当たらないので、決勝トーナメントをかき回す面白い存在になるかもしれない。

試合結果

2023.3.7
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 2nd leg
ベンフィカ 5-1 クラブ・ブルッヘ
エスタディオ・ダ・ルス
【得点者】
BEN:38‘ シウバ, 45+2’ 57‘ ラモス, 71’(PK) マリオ, 77‘ ネレス
BRU:87’ マイェル
主審:ハリル・ウムト・メレル

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