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「Catch up Serie A」~2023.1.28 セリエA 第20節 クレモネーゼ×インテル ハイライト

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好調の2トップのラインを活用して押し切る

 最下位でここまでまだ勝利がないクレモネーゼ。インテルからすればエンポリ戦の敗戦を払拭する勝利を挙げることはマストの試合となる。

 共にフォーメーションは3-5-2。両チームともこの形を採用するときはビルドアップ隊は数的優位を活用しながら安定してボールを持ちながら試合を進めやすい座組である。しかし、立ち上がりはどちらのチームも積極的に裏にボールを蹴る展開に。まずは縦に速い攻撃で相手のバックラインの対応力をみる。

 試合が落ち着けば当然ボールを持つのはインテルになる。押し込むことができるインテルはいつもよりも強気なポゼッションを展開。パストーニはいつもよりもワイドにポジションを取り、普段ワイドに立つディマルコはレーンを動きながらポジションを変えており、自由度が高く与えられていた。

 一方のクレモネーゼもバックラインの数的優位を活かしながら前進の機会を少しずつ得るように。ゴールエリアに入り込めない状況が続いていたが、それを打開したのは一つのスーパーゴール。左サイドから自ら反転しつつシュートを放ったオケレケのプレーはスーパーゴールそのもの。オナナの手の届かないところに力強く突き刺さる。

 反撃したいインテルは右の大外ではダンフリースが敵陣を制圧。対面を引きちぎりながらチャンスを構築していく。ワイドに明確に起点を作られたクレモネーゼは最終ラインの人を増やしながら押し込まれる状況に対応。中盤が最終ラインに吸収される形を作られるようになる。

 人数を増やしてPA内をプロテクトにかかるクレモネーゼだが、跳ね返しに不安がある。インテルはPA内に対してはパス交換といった細かいことよりも、シンプルなクロスやその跳ね返しをミドルシュートで二次攻撃する形で攻勢をかけていく。とりあえず侵入しつつ、クレモネーゼの守備陣が決壊するのは待つプランである。

 このインテルのプランはセットプレーで成就。ゴールに近いエリアから離れたジェコの放ったシュートをラウタロ・マルティネスが押し込み同点になる。クレモネーゼのDFは2人のストライカーに気持ちよくPA内で足を振らしてしまった格好。失点に直結してしまうのは正直致し方なしだろう。

 クレモネーゼのDF陣のもろさに付け込みながら押し込む時間を続けるインテルだが、ハイラインにおいては警告で相手を止めなければいけない場面も。この辺りは同じハイラインで退場した前節のシュクリニアルを思い出す。試合を支配する要素の1つである高い位置での守備にはインテルは不安を抱える格好であり、クレモネーゼにも反撃の隙は残されていたと言えるだろう。

 後半頭もインテルが支配する前半と同じ流れ。ただし、低い位置でのロストが増えた分、クレモネーゼにも反撃の手応えはある。タイスコアの段階で前線を増員するクレモネーゼの交代プランはインテル相手にもそれなりにやれているという裏返しだろう。

 やや均衡した展開ではあったが、試合を決めたのは2人のエース。ジェコのラストパスから抜け出したラウタロが再びゴールをゲット。1点目と同じような構図で試合を決める決勝点をもぎ取ってみせる。この試合のジェコはいつもよりも低い位置でプレーすることが多く、チャンスメーカーとしての役割を十分に果たしていた。その分、重くなったストライカーとしての責務にラウタロも2ゴールという結果で応えた格好だ。

 終盤、ゴール前までは迫る機会を得ることができたクレモネーゼだが、最後までゴールを奪うことはできず。逆転勝ちを決めたインテルが前節の敗戦に歯止めをかける勝ち点3を手にした。

ひとこと

 2トップは相変わらず調子は良さそうなインテル。この試合では割と力技でゴールに迫った感があったけども、彼らにどれだけボールを綺麗に渡せるか、そしてハイラインにおけるバックラインの安定感を高められるかが今後のポイントになりそうだ。

試合結果

2023.1.28
セリエA 第20節
クレモネーゼ 1-2 インテル
スタディオ・ジョヴァンニ・ツィーニ
【得点者】
USC:11′ オケレケ
INT:21′ 65′ ラウタロ・マルティネス
主審:マウリシオ・マリアーニ

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