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「Catch up Premier League」~2023.4.1 プレミアリーグ 第29節 クリスタル・パレス×レスター ハイライト

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祝福と別れの号砲となったマテタの一撃

 クリスタル・パレスが代表ウィーク直前に断行したパトリック・ヴィエラの解任。暫定監督のまま残りのシーズンを走り抜けることを決めたチームも多い中、パレスは隠居しているレジェンドのカムバックで解決を図る。ベンチから眩しそうにピッチを眺める姿がおなじみのロイ・ホジソンに命運を託す。

 どちらのチームも立ち上がりはコンセプトが似ていたように思う。バックラインは大きく幅を取りながら、相手のプレッシングを引き付けるように守り、間延びしたところで前進の機会を狙っていく。

 だが、その練度には大きな差があったように見える。敵陣深くまで攻め込むことが出来ていたのはパレスの方。ホジソンは中盤を逆三角形型に変更し、エゼをスタメン起用するなどアタッカー色の強い選手を増やす変更を行っていた。対角パスを積極的に使い、大外のアタッカーにきっちりボールを届けることもできていた。

この試合ではアタッカー増員の方針がとてもよく効いていたように思える。敵陣でボールを落ち着いてもちつつ剥がせる選手はザハ(前半終了間際に負傷交代したが)、オリーズ、エゼと3人いる。この3人を基準にオフザボールで周辺の選手が動き回りフリーになることでサイドの深い位置まで入れるように。

 ミドルシュートの積極性もパレスの魅力。相手に当たっていることも多いため、完全に剥がせているわけではないのだろうけども、割とゴールを脅かしたりCKにつながったりなど敵陣に流れるボールになっているのは何か傾向があるのだろうか。ミドルを思いっきりぶつけてカウンターのピンチ!みたいになるシーンはほぼみられなかった。

 よって、試合の展開はセットプレーとミドルシュートと中心にひたすらパレスがシュートを重ねていく形に。レスターは自陣深い位置からの脱出を試みるが、バックラインがプレッシャーに追い込まれ、長いボールを蹴っていくことの繰り返し。前線はパレスのバックスに全く歯が立たず、ひたすら跳ね返されるばかりだった。というわけで前半はほとんどパレスが相手を釘付けにして攻め込むという非常に珍しい展開となった。

 一方的に攻め立てられたレスターは後半にリカルド・ペレイラを投入して後方を3バックにシフト。中盤とサイド攻撃の両面に加勢することができるペレイラの投入で、後半のレスターは前半にはないポゼッションの安定性で敵陣に迫っていく。

 プレス回避、サイド攻撃の2つで勢いを取り戻したレスターは後半立ち上がりからの勢いに乗って先制点をゲット。試合の流れを変えるキーマンとなったリカルド・ペレイラの右サイドからのミドルで先手を奪う。前半の流れを考えるとなかなか想像しにくかった展開である。

 だが、先行されたパレスもすぐさま反撃。FKからエゼが放ったシュートは跳ね返りがイヴェルセンの背中に当たり、そのままゴールにすっぽり入る。試合はあっという間に振り出しに戻ることとなった。

 徐々にパレスはペースを引き戻していくが、前線のプレスの勢いがない分、レスターはまだ呼吸ができる状態ではあった。それでもきっちり敵陣に押し込んで、即時奪回からレスターに蹴らせることができればペースを握れるのは前半と一緒。時計の針が進むにつれて、パレスが押し込み続ける前半の光景が再現されるように。

 後半追加タイムも一方的にチャンスを作っていたのはパレス。交代で入ったマテタは追加タイムの決定機を逃してしまうが、幸運なことにこの日は彼に2回目のチャンスが与えられる。中央で縦パスを受けて反転し、フリーで抜け出すとそのままGKとの1on1を決めて見せる。

 セカンドチャンスを決めたマテタの一撃はロイ・ホジソンの復帰を祝うと共に、ブレンダン・ロジャーズにレスターが別れを告げる合図にもなった。

ひとこと

 相手の出来の関係もあるだろうが、アタッカー1人増やしただけでこれだけアグレッシブなパレスの姿が見られるのは正直驚き。

試合結果

2023.4.1
プレミアリーグ 第29節
クリスタル・パレス 2-1 レスター
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:59′ イヴェルセン(OG), 90+4′ マテタ
LEI:56′ ペレイラ
主審:ティム・ロビンソン

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