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「Catch up Premier League」~2023.5.13 プレミアリーグ 第36節 チェルシー×ノッティンガム・フォレスト ハイライト

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磐石な弱者の戦い方

 エバートン、リーズと残留争いのライバルが続々と息を吹き返している現状はフォレストにとっては有り難くはない。自身もサウサンプトンとの叩き合いを制して大きな勝ち点3を手に入れたが、何もかかっていないチェルシーが相手であるならば、さらなる勝ち点を積みたいところである。

 予想通り、試合はチェルシーがボールを持ちながらのスタート。いつものようにナローに守るフォレストの3トップに対して、彼らが開けているサイドからボールを運ぶことで深さをとる。

 しかしながらここから進めないのが今日のチェルシー。前線への縦パスは受け手が相手に捕まってしまったままでボールを入れてもフリーで十分にコントロールすることができず。チェルシーはフォレストが許容している守備ブロックより深い位置には侵入を許されない状況である。

 フォレストは自陣の低い位置からロングカウンターから反撃に打って出る。直線的な鋭さはあったわけではないが、この日のフォレストは十分に勝負が可能。右サイド側にはチルウェルとククレジャ不在で先発しているホールがいるし、逆サイド側もマドゥエケとチャロバーの連携が危うくトップが流れるアクションに対応できないでいた。

 フォレストはこのサイドからあっさりと先制点をゲット。左サイドのクロスから決めたのはアウォニィ。見事なゴールでフォレストを押し上げる。チェルシーからすると、ふわりとした人を目掛けたクロスだっただけになんとか仕留めたかったところ。チアゴ・シウバとバディアシル、そして飛び出して触れなかったメンディにはそれぞれの反省がある形の失点となった。

 以降も十分にフォレストはチャンスを作り出す。サイドからの突破の糸口を作るアクションとセットプレーでの空中戦強度。ボールを持たれながらもチャンスを作るというオーダーはほぼ完璧にこなした前半と言えるだろう。

 チェルシーもチャンスがないわけではない。好調の右サイドはマドゥエケを基準にギャラガーが同サイドに抜け出すなど動きをつけられており、PA内にスペースを作るアクションはできている。

 一方で左サイドには物足りなさが残る。スターリングはワローとの抜け出しの駆け引きは残念な形で終わってしまったし、フィニッシャーに近い動きを求められがちな左のSBに入ったホールもよどみないシュートまでの道筋を描けるわけではない。

 前半終了間際のフェリックスの振る舞いを見ればわかるようにチェルシーにとってはフラストレーションが溜まる展開だっただろう。持たざる者の理想な試合運びを実現したフォレストがリードしてハーフタイムを迎える。

 後半も試合は同じ構図でスタート。チェルシーがボールを持ちつつ、フォレストがそれを跳ね返す形。右サイドを軸にハーフスペースの裏を取る形で攻撃を続けていく。フォレストは時折バックラインに圧力をかけつつ、弱者としてこのゲームの主導権を狙いに行くことを忘れていなかった。

 流れの綱引きの中で次に点を獲ったのはチェルシー。右サイドで大外に合わせてのチャネルランを披露したのはチャロバー。根性でマイナスの折り返しにつなぐとこれを仕留めたのはスターリング。狙った形が意外な組み合わせでようやく実り、チェルシーが同点に追いつく。

 勢いに乗るスターリングはさらに追加点をゲット。左サイドからのカットインをそのまま沈めてチェルシーはついにリードを奪う。しかし、スターリングが2ゴールを奪うのであれば、先制点を奪ったアウォニィも負けてない。4分後にゴールを決めて試合を振り出しに戻す。

 追いつかれたチェルシーは終盤までゴールを狙っていくが、最低限の1ポイント確保に舵を切ったフォレストを前に攻め切ることができず。試合は2-2のタイスコアで幕を下ろすこととなった。

ひとこと

 フォレストは弱者の戦い方ができていただけに2失点目のスターリングに対してフェリペが簡単にすれ違ってしまったのはいただけない。

試合結果

2023.5.13
プレミアリーグ 第36節
チェルシー 2.2 ノッティンガム・フォレスト
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:51′ 58′ スターリング
NFO:13′ 62′ アウォニィ
主審:ポール・ティアニー

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