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「スロースターターダービー?」~2019.3.1 J1 第2節 川崎フロンターレ×鹿島アントラーズ プレビュー

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目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第2節
川崎フロンターレ(前年成績:1位/勝ち点69/21勝6分7敗/得点57 失点27)
×
鹿島アントラーズ(前年成績:3位/勝ち点56/16勝8分10敗/得点50 失点39)
@等々力陸上競技場

戦績

近年の対戦

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直近5年間の14戦で川崎の6勝、鹿島の5勝、引き分けが3回。

等々力陸上競技場での直近10試合の対戦成績

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川崎の5勝、鹿島の3勝、引き分けが2回。

Head-to-Head

・通算の対戦成績は川崎の19勝、鹿島の20勝、引き分けが7回。川崎が勝利すれば同カードの勝利数はタイになる。
・鹿島が勝てば、新潟に並び公式戦における対川崎の通算勝利数最多タイになる。
・直近の等々力での試合以降の3回の対戦で鹿島は川崎に勝利を許していない。
・リーグにおける等々力での対戦は直近8試合で川崎の敗戦は1つのみ(W5D2)
・双方得点の多いカードで、リーグ戦の等々力での対戦に限ればどちらか片方に得点が入らなかった試合は2007年の開幕戦までさかのぼる。
・そのシーズンの1回目の対戦において、鹿島が川崎を下したのは2010年が最後。以降の8年間は川崎の7勝1分。
・過去にこのカードが金曜に実現したのは一度だけ。2017年5月のカシマスタジアムでのゲームで川崎が0-3で勝利をしている。

【川崎フロンターレ】

選手情報
・馬渡和彰に初のスタメンの可能性。

Match Facts
・開幕戦での無得点はJ2優勝を決めた99年以来20年ぶりのこと。
・リーグ戦のホームゲームは直近11戦負けなし(W9D1)。うちクリーンシートは8。
・昨季5回あったACL前の国内のゲームでは1勝のみ(D2L2)。
・3月の公式戦は直近11試合で3勝のみ(D5L3)。
・金曜日の公式戦は過去20試合あるが、敗戦は2試合のみ。最後の敗戦は2011年4月の名古屋戦で、直近10試合は負けなし。
・家長昭博が出場した鹿島戦では3戦全勝。家長個人が出場した試合において鹿島は直近8試合未勝利。最後に鹿島が勝利したのは2009年の大分時代。

【鹿島アントラーズ】

選手情報
・三竿健斗がフルトレーニングに復帰。
・鈴木優磨はハムストリングの負傷で2ヶ月離脱。
・伊東幸敏は長期離脱中。
・山本脩斗、チョン・スンヒョンは欠場濃厚(3/2追記)

Match Facts
・開幕戦でのホームでの敗戦は17年以来2年ぶり。当時は第2節はアウェイで勝利を挙げている。
・アウェイでのシーズン初戦は3年連続クリーンシート中。
・10試合以上対戦したチームのうち、最も勝率が低い対戦相手が川崎(43.5%)。
・昨季のセットプレーでの失点数は6で、鳥栖に次いで少ない。
・93年8月の清水戦以降、金曜開催のJリーグは8戦で1敗のみ。唯一の敗戦は2017年の川崎F戦。
・直近7回の公式戦での川崎戦のうち、勝利した2試合はいずれも山本脩斗が得点を決めた試合。計3ゴールを挙げていて、うち2つは遠藤康によるアシスト。
・直近14試合のリーグ戦において、三竿健斗が出場した8試合は6勝1分1敗、不出場の6試合は2勝2分2敗。

予想スタメン

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展望 

    まずはデータ面の話から。直近の勝敗の傾向がとてもはっきりしているのがこのカードの特徴。近年のリーグ戦においてはホームかアウェイかに関わらず川崎が優勢。鹿島が川崎に勝ったのは2015年が最後だ。Head-to-HeadやMatch Factsで紹介したように、特にリーグ戦に限れば川崎に有利なデータが多いのは事実。2017年の逆転でのリーグタイトルの奪取など、川崎に対して並々ならぬ敵意を抱いている鹿島サポーターは多いに違いない。
    それでも川崎ファンの多くが依然鹿島を脅威に感じているのは、カップ戦では勝敗の傾向がきれいに逆転するから。2ステージ制時代のチャンピオンシップや2017年元日の天皇杯決勝、去年のルヴァンカップなどカップ戦で常に川崎の前に立ちはだかるのは鹿島だ。昨年のこの試合のレビューを書いた際には「目の上のたんこぶダービー」と紹介させてもらった通り、リーグ戦において鹿島が川崎を邪魔と感じるように、川崎から見ても鹿島は未だに大きな壁といっていい。

川崎のキーワードは「おびき寄せ」

    試合のキーになるのは鹿島のDF-MF間の距離だ。自陣深い位置までピッチを縦に長く使った大分相手には、鹿島のMF陣は前におびき寄せられてしまい、DF-MF間のFWに長いボールやWB経由のサイドからのボールが入り、前進を許す場面が多かった。そのため広いエリアをカバーする必要がある犬飼やスンヒョンに負荷がかかってしまった。
   川崎が狙っていきたいのはまさにこの部分。後ろで人数をかけてボールを回しながら、レオ・シルバや永木を中央の低い位置からおびき出すことができれば、DF-MF間の距離は開き川崎の勝利は近づく。まさしくゼロックスのイメージ。鹿島の成績が三竿の存在で大きく左右されるのは、出ていくかいかないかの部分のバランスが、ほかのCHと比べて優れているからではないか。近年のこのカードでは裏への抜け出しで鹿島の陣形を縦と横に引っ張っていたエウシーニョの存在が際立っていた。この試合で右サイドバックのスタメンが予想される馬渡が鹿島の陣形をかき乱すことができるかが注目だ。

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    川崎のビルドアップ隊が鹿島のプレスにつかまり、川崎が無理にロングボールを蹴らされる展開になれば、鹿島のCB陣も狙いを絞って跳ね返しができる。その際は鹿島がラインを上げて波状攻撃を仕掛けることができる展開になると予想。鹿島が押し込んだ時にはSHとSBをメインにサイドから崩すパターンが主になるはず。安部や安西の突破力も脅威だが、このカードで猛威を振るっているのは遠藤康のクロス。PA手前のサイドからゴール方向に巻いていく高精度のクロスは川崎が最も手を焼く攻撃パターンの1つだ。山本脩斗とのホットラインはこの試合でも見られるだろうか。
    前節では対面の久保にやられるシーンが目立った車屋は遠藤を封じて面目躍如と行きたいところ。

鹿島のキーワードは「割り切り」

    一番展開が読みにくいのは川崎がボールを相手陣まで運んで押し込んだパターン。いわゆるハーフコートゲームの展開になった場合だ。裏と幅を使いながら鹿島の中央に穴をあけることができたら川崎のペースといえるが、高さが加わった前線に安易にクロスを入れるパターンが続けば、それはむしろ鹿島の得意分野。「跳ね返されたとて守田や大島のセカンドボール回収からの波状攻撃があるじゃん!」といえなくもないが、対面するレオや永木相手にセカンドボールでどこまで主導権を握れるかは不透明だ。セカンドボールを鹿島が制すれば、前線にはセルジーニョや安部などボールを運べる選手までボールを届ければ、ロングカウンターのチャンスは開ける。パフォーマンスがまだ安定しない奈良を 狙い撃ちしてくる可能性もあるだろう。昨季終盤よりはまだ川崎のハイラインの完成度は低い。この展開で鹿島が勝利するには局面での個人のデュエルを制する必要がある。

    鹿島が勝ちに近づくのに必要なのは割りきりだろう。大きくラインを上げるべきシーンもあれば、自陣に引きこもる必要が出てくる時間帯もあるはず。チーム内で意思を合わせてどのゾーンのプレスにおいてもDF-MF間の距離を閉め続ける必要がある。引きこもるにせよ、ハイラインにせよ一定のリスクを伴うのは間違いない。大事なのはイレブンが割り切ってリスクを許容できるかどうかだ。

 共に初戦を勝利で飾れなかった両チーム。近年はスロースターターの印象が強い両チームだが、タイトル争いのライバルに初勝利をプレゼントするのはお互い避けたいところ。フライデーナイトの等々力を制するのはどちらのチームになるだろうか。

参考transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)

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