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「Catch up Premier League」~2023.8.19 プレミアリーグ 第2節 リバプール×ボーンマス ハイライト

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アンソニー周りを狙い撃ちで右サイドから加速

 初戦はともにロンドン勢に引き分けで開幕を迎えた両チーム。特にアンフィールド初戦を迎える今節はリバプールにとっては負けられないゲームになるだろう。新加入の遠藤航も登録が間に合い、ベンチに入っている。

 序盤はボーンマスの高い位置からのプレスが完全にハマる展開。バックラインに対する2列目と前線の強烈なプレスはリバプールのバックスを飲み込み、ボールを高い位置からビシバシ奪う。一度目はオフサイドだったが、二度目は許されず。あっという間に先制点がボーンマスに入る。

 リバプールはアリソンのCB化→コナテの開く動きを行うことでビルドアップのバランスを修正。アレクサンダー=アーノルドのインサイドに入る動きやサラーの降りる動きなど中央のポイントを増やす方向に舵を切った。だが躊躇いのないボーンマスの守備の迎撃に返り討ちに遭い、なかなかバランスを見出すことができない。

 風向きが変わったのはリバプールがビルドアップの解決策を見つけてから。開くコナテがアンソニーを引き付けると、そのアンソニーの裏にアーノルドやマック=アリスターを走らせることで右の大外にポイントを作る。

 これにより、右の大外にポゼッションの落ち着きの場を作ったリバプール。ここから攻撃を加速する。アタッキングサードに入ってからの攻撃の性能はそもそも折り紙付きなので、こうなるとボーンマスは苦しい。前に出て行った分、4-4-2ブロックの構築にも時間はかかるため、リバプールが攻略するのも容易。

 右サイドから攻め手を見つけたリバプールはアンソニーの背後から同点。クロスをプレシーズン好調だったディアスがアクロバティックに沈めて追いつく。

 ボーンマスは中盤を捕まえるスタンスに戻してバックラインへのプレスを弱める方向にシフトする。だが、それでもアンソニーの食いつきを見逃さなかったリバプールは再び右サイドから加速する。すると、この流れからショボスライがPKを獲得。ロズウェルの接触を巧みに利用して得点のチャンスを得る。これをサラーが止められながらも押し込んで勝ち越す。

 ボーンマスはプレスラインを下げる選択をしたので、カウンターに出ていくコストも増大。新監督になって直線的なスタイルが前面に出てきているので、押し返さないといけないコストが増えるのはしんどい。それでも押し返せれば前節のリバプールのブロック守備の課題であるライン間の甘さは活用できる予感はあったので、そこは希望の光にはなっていた。

 後半もボーンマスはリスクを回避しつつ試合を進めていく。だが、隙あらば高い位置には出ていきたいので、プレスの色気は見せる。するとリバプールはサラーの裏抜けからこれをひっくり返す。ミドルゾーンからフィニッシュまでノンストップの攻撃はチェルシー戦でも見られた形。

 このスタンスで押し込む流れにブレーキをかけたのはマック=アリスターの一発退場。遠藤にとってはハードなデビュー戦になりかけたが、ジョタのゴールが少しプレッシャーを和らげてくれたのは大きかっただろう。

 ビルドアップに対してプレス強度を増すことがなかったボーンマスに対して、リバプールはそれなりにボールを動かしながら前に進めることができた。遠藤がショボスライに気を使って下がり目の位置に専念したことが効いているのだろう。ショボスライは前を向かせたときの推進力が異次元であり、フリーにするとあっという間に陣地回復をやり遂げてしまっていた。

 遠藤にとってはハードな環境だったのは前提として、なかなか持ち味を出せる状況ではなかった。保持では捕まり危ういカウンターを受け、非保持では通されたくないところを通されて決定機を作られてしまうなど、満足のいく状況ではなかっただろう。それでも今日の環境ではそれなりに言い訳がたつので、この辺りは時間をかけてアジャストしていきたいところだ。

 ゴメスが入ったところでボーンマスはプレスの圧力を上げてチャンスを作る。右サイドにビルドアップの起点を失う代わりにクロップは守備ブロックの強度を選んだのだろう。

 スマートにとはいかなかったがリバプールはなんとか逃げ切りに成功。10人でボーンマス相手に守り切り、アンフィールドで今季初勝利を手にした。

ひとこと

 今季のリバプールは本当に尖っている。チームとしてはプレス強度高めのチームをどういなすかという部分と向き合うことになると思う。遠藤はその流れに食らいついていくしかない。頑張れ。

試合結果

2023.8.19
プレミアリーグ 第2節
リバプール 3-1 ボーンマス
アンフィールド
【得点者】
LIV:27′ ディアス, 36′ サラー, 62′ ジョッタ
BOU:3′ セメンヨ
主審:トーマス・ブラモール

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