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「対策の対策を準備できるか」~2019.2.3 プレミアリーグ 第25節 マンチェスター・シティ×アーセナル プレビュー

前節の振り返りはこちら

目次

Fixture

プレミアリーグ 第25節
マンチェスター・シティ(2位/勝ち点56/18勝2分4敗/得点63 失点19)
×
アーセナル(4位/勝ち点47/14勝5分5敗/得点50 失点33)
【主審】マーティン・アトキンソン

直近の成績

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戦績

近年の対戦

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 13-14以降の14試合でシティの6勝、アーセナルの4勝(延長1つ含む)、引き分けが4つ。

エティハド・スタジアムでの直近10試合の対戦成績

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シティの6勝、アーセナルの2勝、引き分けが2回。

以下はBBCを基にしたプレビュー

Head-to-Head

・シティが勝てばリーグでのアーセナル戦4連勝。これは1935-37年以来のこと。
・直近4回の公式戦での対戦でアーセナルは全敗。1得点11失点。

【マンチェスター・シティ】

選手情報

・膝の負傷のメンディは当日判断。
・コンパニは筋肉の問題で8試合連続の欠場予定。

Match Facts

・直近5試合の公式戦でのホームゲーム全勝。直近4試合のエティハドでのゲームは24得点無失点。
・プレミアに限れば直近9試合で4敗。これはそれ以前の72試合で喫した敗戦の数と同じ(W56D12)。
・直近7試合のリーグ戦でリードしてから3敗を喫している。それ以前に1-0から逆転負けを喫したのは96試合で3回だけ。
・リードから落とした勝ち点は16で昨季通算よりすでに2多い。
・グアルディオラはキャリア通算11回のエメリとの対戦で無敗(W7D4)
・アグエロは公式戦直近11回のアーセナル戦で7ゴール。しかし、直近2試合のアーセナル戦はノーゴール。

【アーセナル】

選手情報

・顎を負傷したコシエルニーはすでにフルトレーニングに復帰で起用可能の見込み。
・デニス・スアレスはデビューの可能性。
・膝を怪我したナイルズは当日判断。
・足を負傷したムヒタリアンも当日判断だが、ソクラティス、ホールディング、ベジェリン、ウェルベックは引き続き欠場。

Match Facts

・プレミアでアウェイでのクリーンシートがない唯一のチーム。
・直近19試合のアウェイゲームで11敗(W5D3)。クリーンシートで終わったのは18年5月のハダースフィールド戦のみ。
・2-0で勝利した15年1月のエティハドでの試合以来、トップ6相手のアウェイゲームは20戦未勝利。直近12試合は10敗を喫している。
・直近5試合のリーグでのアウェイゲームは勝利なし(D2L3)。最後に勝ったのは11/25のボーンマス戦。

展望

 年始の天王山を制して、優勝争いに踏みとどまったマンチェスターシティ。一部負傷者が多いポジションはあるものの、カップ戦での相手にも比較的恵まれて、年が明けてからのリーグ戦は降格圏のチームが多いという幸運も。他チームよりはまったりとしたやりくりで勝ち点を積み重ねている。リバプール戦以降の6試合はいずれも無失点と好調を維持している。まったりで無失点とか最高かよ。とはいえ首位のリバプールも勝ち点は落とさず、勝ち点差はなかなか縮まらず。リバプールが積み重ねる勝ち点のハイペースさと、すでに直接対決を終えていることを踏まえれば、これ以上離されると優勝が厳しくなるだろう。まずは勝ち点差3以内につけて、相手にプレッシャーをかけ続けたいところ。そのために必要なのは連勝である。っていう原稿を週の頭に準備していたんですけど、ニューカッスルに負けてしまったぜ!リバプールとの勝ち点差は5に開いてしまったが、得意のアーセナル相手にリーグ戦巻き返し再開!と行きたいところ。

 一方素敵な年末年始を過ごしたとは言えないのがアーセナル。年が明けてから失ったものは数えきれない。アウェイでのたくさんの勝ち点、負傷した多くの主力選手、国内カップ戦タイトルに加えて、三顧の礼に迎え入れたはずのチーフスカウトも失うことになった。首位戦線に踏みとどまったシティとは違い、年末にはリバプールにも力の差を見せつけられたという現実にも直面した。無敗が止まる前までクラブを取り巻いていたポジティブな雰囲気も今や懐かしいものになってしまった。ELタイトルは狙いたいが、まだベスト32のカップ戦しかやることがないことは避けたいアーセナル。国内での4位以内と両睨みを利かせるために、鬼門であるアウェイでのトップ6との対戦に立ち向かう。

 アーセナルにとってあえてポジティブなポイントを挙げれば、今の彼らはボールを持たない方が強いことだ。スピードと決定力がある前線を生かすにはスペースがある方が好ましい。後半戦に入り献身性が目立つ2トップやラムジー、ムヒタリアンなど前線にプレスに長けた選手がいるのもプラスだ。チェルシー戦というボール保持型のチーム相手の成功体験も彼らにポジティブさを与える可能性もある。

 ネガティブな話をするならば、マンチェスター・シティはボールを持たせたらプレミアで一番のチームであるという部分だろう。シティ相手にチェルシー戦と同じハイプレスで挑んでも、前方の選手のボールを受ける技術を考えると通用するかは怪しい。後方の選手のフィード能力もチェルシーよりは上と考えるのが妥当だ。もしアーセナルがチェルシー戦を焼き直せば、空いているインサードハーフや降りてくるウイングに対して、エデルソンを軸に後方からバンバンパスを通される可能性もある。チェルシー戦で見せてしまった形はグアルディオラに対策を練る時間を与えてしまったこともマイナス。直近のニューカッスル戦はまだみられていないが、ニューカッスルはどうやらライン間圧縮でシティのミスを誘発した模様。アーセナルが前に出てきてくれれば、スペースは自動的に空いてくるはず。そもそもハイプレスにこなくともアーセナルのスペース管理はお世辞にも優秀とはいえない。アーセナルのプレスに引っかかればチャンスになるが、後ろのビルドアップの要人であるエデルソンは無事に出場できるとのこと。出れないかも感出してぬか喜びさせるのはやめてください。

 とはいえアーセナルが取れる手段は少ないはず。相性的には最もプレミアでやりづらいチームの1つだろう。恐らくボールはシティが握る展開になるだろう。アーセナルが中盤より前が相手にホルダーにプレッシャーをかけつつ、後方はエリア内にラインを下げられないように耐え続けるしかない。前線のプレスがカギになるのはもちろん、ポジションチェンジのバリエーションが豊かなシティ相手にアーセナルの中盤がどこまでついていけるかも気になるところだ。

 ヴェンゲルからエメリに政権を移行しても、ビック6のアウェイゲームでは勝利を得られないジンクスは継続している。エティハドで無失点はかなりハードなミッションだが、4位争いの致命傷となるダメージを負わないように、粘り強く戦えるチームであることを示す必要がある。限られた時間になるだろうが、流れがアーセナルに向くタイミングは来るはず。どこでどのようにハイプレスのスイッチを入れるのか、そしてその時間帯に点はとれるのか。そして最も重要なのは、ハイプレス以外の二の矢を仕込んでいるかどうかだ。アーセナルのハイプレス対策への対策をエメリがどのように準備するかが勝負の分かれ目になるはずだ。

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