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「Catch up UEFA Champions League」~2023.9.19 UEFAチャンピオンズリーグ グループE 第1節 ラツィオ×アトレティコ・マドリー~

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完璧なアトレティコのプランを打ち破ったプロヴェデル

 立ち上がりから両チームのスタイルのコントラストはくっきり。ボールを持って試合を進めたいラツィオとそれを受けるアトレティコの関係性で試合はすぐに平衡が取れた。

 アトレティコの守備は5-3-2。IHが出ていく形でSBにプレスに出ていく。ラツィオはその出てきたサイドの裏を取る形で加速していきたいところだが、アトレティコのバックラインの撤退は必ずラツィオの加速に間に合わせていたのはさすがである。

 アトレティコの守備の狙いは同サイドにボールを閉じ込めて圧縮し、ボールを奪えればカウンター。迎撃したところの背後を狙われても撤退は間に合わせるし、逆サイドへの展開は壁を作ることで素早い形で動かされることは避ける。アトレティコの試合は久しぶりだが、以前は4-4-2で教科書となるブロック守備だったように、5-3-2で新しい教科書を作っているかのような守備だった。

 ラツィオはルイス・アルベルトの3 on lineからのギャップ作りや、鎌田のミドルなどブロックの外から動かすアプローチをいくつか仕掛ける。しかしながら、シュートを打つご褒美はなかなかもらえず、アトレティコのブロックを前に攻撃は通らない。

 ビルドアップになるとアトレティコはワイドのWBが高い位置まで顔を出してサイドから押し下げることに貢献。CFが背負って叩くアクションをすることでワイドの高い位置を取るためのサポートをしていたことも述べておきたい。そういう意味では機会は少なかったが、押し込むまでの流れはスムーズだったと言えるだろう。

 右サイドから押し下げる機会が多かったアトレティコ。その機会を生かしてマイナスのボールを受けたタイミングでシュートを放ったバリオスが先制点をゲット。ややコースが変わったシュートでネットを揺らし、ラツィオが手にできなかったシュートを打つご褒美をもらえた格好だ。

 後半もラツィオはジリジリしたポゼッションからスタート。しかしながらヒメネスが入った最終ラインでさらに強固になったアトレティコの守備は後半も引き続き堅い展開を呼び込む。

 セットプレーでもCKからファーのゴールライン付近から折り返しを狙う。一度はネットを揺らすが、オフサイドで先手を奪うまでには至らない。

 ならばと次は高い位置からのボール奪取からのカウンターを狙う。ボール奪取で片側サイドに追い込みたいラツィオだが、こちらも不発で押し上げることができない。それでも、オブラクのミスからややばたつくシーンがあったアトレティコ。50分台はロマニョーリもジョレンテに置いていかれる形でピンチを迎えており、バックラインのミスからチャンスを作れる時間帯だった。どちらのチームもネットを揺らせなかったけど。

 落ち着きを取り戻したアトレティコは押し込まれつつもショートパスからのビルドアップでラツィオの波状攻撃を回避。実に見事に時計の針を進めていた。このまま終わるかと思われた試合だったが、なんとCKから上がったプロヴェデルがルイス・アルベルトのクロスに抜け出して合わせての同点ゴールという劇的な幕切れを迎える。

 ほぼ完璧にゲームプランを遂行したアトレティコ。最後に見せたわずかなスキで勝ち点2を取りこぼしてしまった。

ひとこと

 追いつかれちゃったけどアトレティコの5-3-2はとても見応えがあった。残りの2チームも崩すのに苦労しそう。

試合結果

2023.9.19
UEFAチャンピオンズリーグ
Group E 第1節
ラツィオ 1-1 アトレティコ・マドリー
スタディオ・オリンピコ
【得点者】
LAZ:90+5’ プロヴェデル
AMA:29‘ バリオス
主審:スラヴコ・ビンチッチ

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