ガレーノの大暴れでポルトが開幕戦を制する
非常に落ち着きのない縦に速い展開で試合はスタート。どちらのチームも4バックベースでCBにはそこまでプレッシャーをかけるわけではないのだが、中盤が人についていく意識が強いため、陣形は崩れがちである。
特に立ち上がりの展開を分けたのはポルトのプレッシングである。中盤より前がハイプレスの意識は強く、SHがバックラインにプレスをかけることもしばしば。そのため、ポルトはプレス時の陣形が非常に縦長になる。
この縦長の陣形がどちらに転がるかが序盤のキーポイントだった。ポルトの先制点はカウンター返し。中盤が押し上げに成功し、タレミへの縦パスをつけることでポストからのコンビネーションでガレーノがフィニッシュ。ポルトは保持時に2-2-6のようにSHが狭く絞って攻撃に絡んでくる形を使っているため、こうした近い距離でのコンビネーションはとても熟練しているように見える。
逆にシャフタール側に転んだのは同点弾のシーン。間延びしたポルトの中盤でナザリナがボールを受けて、右サイドに展開。ズブコフとコノプリャーの縦関係から生み出したクロスをケルシーが仕留めてゴールを決める。シャフタールの攻撃はポルトのナローなSHの守備の外側を通すように大外のクロスが主体。ただ上げるだけでなくインサイドで得点の可能性を作れているものが多かった。
追いついたシャフタールだが、すぐさまミスから失点。プレスから脱出しようとしたシカンの横パスがずれてしまい、レムキンの足元には入らず。これを奪ったガレーノが追加点を奪う。
止まらないガレーノは左サイドからワンツーで裏をとって一気に加速すると、インサイドのタレミに決めるだけのパス。アシストもフィニッシュ役もどちらもこなす大暴れの前半だった。
以降はポルトはセーフティリードを保持するような立ち回り。ゆったりしたポゼッションとリトリートして早めの手当をするSHで試合を落ち着かせにいく。
後半、シャフタールは右サイドからのチャンスメイク。ズブコフ、ナザリナを軸に右の奥を取りながらPA内にクロスを上げていく。
しかしながら、ポルトはポゼッションから試合を落ち着かせにかかる。シャフタールは高い位置からのプレスを強めてはいたが、ポルトのプレス回避能力は十分で即時奪回からのショートカウンターの機会はなし。試合はポルトの保持にたまにシャフタールの右サイドからの反撃が混じる程度だった。
その後も試合をハレーションさせずに終了したポルト。シャフタールに多くのチャンスを与えないままクロージングに成功。ポルトが開幕戦を勝利で飾った。
ひとこと
ガレーノ、大爆発でしたね。
試合結果
2023.9.19
UEFAチャンピオンズリーグ
Group H 第1節
シャフタール 1-3 ポルト
フォルクスパルク・シュタディオン
【得点者】
SHA:13’ ケルシー
FCP:8‘ 15‘ ガレーノ, 29’ タレミ
主審:ダビデ・マッサ
