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「悩ましい優先順位」~2019.1.25 FA杯 4回戦 アーセナル×マンチェスター・ユナイテッド プレビュー

目次

Fixture

FA杯 4回戦
アーセナル(プレミア5位/勝ち点44/13勝5分5敗/得点48 失点32)
×
マンチェスター・ユナイテッド(プレミア6位/勝ち点44/13勝5分5敗/得点46 失点33)

直近の成績

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戦績

近年の対戦

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 13-14以降の12試合でアーセナルの3勝、ユナイテッドの5勝、引き分けが4つ。

エミレーツ・スタジアムでの直近10試合の対戦成績

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アーセナルの3勝、ユナイテッドの5勝、引き分けが2回。

以下はBBCとFA杯公式サイトを基にしたプレビュー

Head-to-Head

・アーセナルがホームでユナイテッドを迎えるのは3回目。前の2回(1937,1988)はいずれもアーセナルが勝利している。
・しかし直近6回の公式戦でのこのカードではアーセナルは1勝のみ(D2L3)。
・直近8回のFA杯の対戦で5人の退場者を出しているカード。

【アーセナル】

選手情報

・ベジェリンは前十字靭帯断裂で今季絶望の重症。
・ムヒタリアンは中足骨の骨折からのリカバリーが間に合わず。

Match Facts

・公式戦でのホームゲームは2敗のみ。(W13D3)
・5回戦以上に進んだのは直近8季で7回。唯一逃したのはノッティンガム・フォレストに敗れた昨季。
・ユナイテッドに勝利した直近3シーズン(02-03,04-05,14-15)はいずれもFA杯を制している。
・直近13試合のFA杯でのプレミア勢との対戦で12勝。

【マンチェスター・ユナイテッド】

選手情報

・サンチェスはふくらはぎの負傷からフィット。起用可能の見込み。
・ロホとフェライニは負傷により欠場。
・足の負傷を抱えていたスモーリングはトレーニングに復帰済み。前節病欠したショーと共に起用可能の見込み。

Match Facts

・スールシャール就任後の7試合で全勝。19得点4失点。
・スールシャール就任後のアウェイゲームでは3試合で失点は1。
・直近14回の4回戦において敗退を経験したのは一度のみ。
・ルカクは直近14試合のFA杯で13ゴール。ユナイテッド時代は7試合で6ゴール。
・サンチェスはアーセナル時代を合わせてFA杯の19試合の出場で18ゴールに絡む。

予想スタメン

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展望

流れを変えた暫定指揮官

 上でも見た通り、ユナイテッドは目下好調を維持。潮目になったのは言うまでもなく、スールシャールの就任だろう。一部の選手は生き返ったようなパフォーマンスを見せている。中盤はマティッチをアンカーに入った3センターが基本。中央に構えるマティッチの脇を運動量のあるエレーラとポグバ(やる気があれば)で固める形がメイン。前線は前節アーセナルが使用した2トップ+トップ下が基本線。前半戦チームを牽引したマルシャルと年明けから絶好調のラッシュフォードのコンビを、トップ下からリンガードが支える。一方でルカクはベンチスタートが続いている状態だ。4バックは右にヤング、左はダロトかショーが中心。スールシャールは攻撃時にSBに積極的な攻撃参加を要求しているよう。4-3-1-2というシステムもそれを後押しする形になっている。
併用している4-2-3-1においても中盤のトリオの起用は継続して使われる。4-2-3-1においてはマタの右サイド起用を実施。マタは直近10試合のFA杯の出場で、8つのアシストを決めており、右サイドからエリア内に飛んでくるラストパスにはアーセナルは要警戒だろう。

 狙いたい展開としてはSBのオーバーラップを軸に、アーセナルの横幅を広げ、アーセナルのバイタルをがら空きにしたいところ。ポグバがこのエリアでボールをフリーで持てれば、チャンスにつながる確率はかなり高いはずだ。ラッシュフォードを中心にスピードで劣るアーセナルDF陣をかき回すのも有効だろう。フェライニは不在とはいえ、アーセナルが何度も苦杯をなめさせられてきたセットプレーにも活路を見出したい。
スールシャール就任で、CL圏争いに復活してきたユナイテッド。コンペティションは違うものの、直接のライバルであるアーセナルをここで叩けば勢いにも乗れるはず。スパーズに続いて、ノースロンドン勢連勝を決めたいところだ。

悩みは尽きないアーセナル

 4位戦線生き残りをかけたチェルシー戦に勝利したアーセナルだが、クラブを取り巻く状況はあまり明るくはない。
まずはベジェリンの長期離脱。文字通りの代替不可能な戦力であり、右サイドのクオリティが低下することは避けられないだろう。前十字靭帯での負傷は、復帰後の本人のパフォーマンスにも影響しかねず、アーセナルファンの心配は募るばかり。本人が前向きなコメントを発したのが、唯一の救いだ。
そしてチーフスカウトであるミスリンタートの退団決定。単独行動が目立ち、TDとして不適格と判断されたという報道も出てきてはいたが、どういう経緯にせよヴェンゲル後のクラブのリスタートを任せた人間がガジディスに続いて退団したことは事実であり、アーセナルの中期的な組織改革がうまくいっているように見えないことは明らか。誰が悪い、という犯人捜しはしなくてもいいとは思うが、クラブに残った人間をファンが信用できない事態だけは是が非でも避けたいところ。ラムジーの放出に続き、フロントはプレッシャーのかかる決断をした印象だ。
最後は冬の補強。早々に金がないことを明るみになったこの移籍市場。新たな長期離脱者や、チーフスカウトの退団により二転三転している部分もあるだろうが、聞こえてくる選手はタイプもポジションもバラバラ。金がないなりに即戦力を補強して、何としてもCL出場権を!というところだろうが、金がないことはバレているので足元見られまくりの難しい交渉になっているのは確か。野心があるのはいいことだろうが、長いスパンで見た計画との兼ね合いを考えると難しいところだ。

 ピッチ内部に話を戻せば、前節みせたラカゼットとオーバメヤンを軸にした2トップは、本人からも継続希望のコメントが出るなど感触はいいようだ。層が薄いセンターハーフにハードワークを強いる4-3-1-2を継続するかは不明だが、この2トップから逆算したチーム作りを1つの方針とするのは大いにあり。ただ、これはユナイテッドにも言えることだが、ミッドウィークにはプレミアが控えているため、CL圏内を狙うアーセナルにとってはこのユナイテッド戦は位置づけが難しい。エメリの今季の采配を考えると、個人的な予想ではターンオーバーは最小限にとどめ、ユナイテッド戦勝利のために全力を尽くすと見る。オーバーラップしたサイドバックの裏が狙い目の1つになるはず。デヘアを除けば足元が安定してるとは言えない後方のビルドアップからショートカウンターを狙う作戦も考えられる。プレスなら、4-3-1-2は引き続きハマる可能性があるが、先述のように負荷のかかる作戦を継続するかどうかがポイントになる。

まずは両チームのFA杯の位置づけ次第

 早々に優勝争いから離脱してしまった赤の両雄。リーグ戦の勝敗数も全く同じ。得点数も失点数も似通っており、リーグ戦においては似たような歩みを進めている両チームといえる。CL権獲得が両チームの第一目標になるだろうが、すでにリーグカップでは共に敗退しており、負けた方は国内無冠が実質確定する。長々とチーム状況を述べてきたが、両チームのこの試合のプライオリティを見定めるのはとても難しい。その部分で仮に差が出る展開になれば、試合が片側に大きく傾く可能性も否定できない。ここを越えればFA杯のタイトルも徐々に視野に入ってくる。アーセナルにはユナイテッドを超えれば、FA杯タイトルを獲得できるというジンクスがあるが、今年も再現できるかどうか。指揮官が用意するゲームプランが大いに注目を集めるフライデーナイトになるだろう。

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