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「コパアメリカ2021ハイライト」~Semi-final アルゼンチン×コロンビア~ 2021.7.6

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■個には個で

 ブラジルの待つ決勝戦へ是が非でも駒を進めたいアルゼンチン。準決勝で迎えるのは、今大会における我慢強さはトップクラス。準々決勝ではクアドラードの出場停止という難局をウルグアイ相手に何とか凌ぎきったコロンビアである。

 コロンビアはどちらかといえばファルカオやハメスのイメージのように、攻撃的なタレントの優位を生かしどんな相手でも殴り返せるイメージだった。だが、今大会のコロンビアは我慢が出来るし、あまり苦手な展開が少ないように見えた。

 この試合でもアルゼンチン相手に十分に渡り合ったといえるだろう。準決勝ともなるとメッシも含めて守備も徐々に強度を増してくるのを見ると、コパアメリカもいよいよ大詰めなのだなと思ったりする。アルゼンチンもプレスの回避の耐性は十分。アルゼンチンの前線の守備をいなしながら縦パスでスイッチを入れて進撃する。

 縦パスをつけたあとのお決まりはサイドに流すこと。サイドからはルイス・ディアスとクアドラードの両翼がブロックの外側からアルゼンチンのDFラインにダメージを与えるようなクロスを放り込む。決定的な機会は少ないものの、外から打ち抜ける武器をアルゼンチン相手に有しているのは驚異的である。

 一方のアルゼンチンが狙うのはDF-MFのライン間。コロンビアが敷く4-4-2に対して、やや苦戦するも結局はこのチームはライン間でメッシに前を向かせてナンボ。試合開始早々にその形からラウタロ・マルティネスの先制ゴールを挙げることが出来たのは大きかった。

 先行を許したコロンビアはHTの交代でカルドナを投入。クアドラードを1列下げた。もっとも、1列下げたとはいえクアドラードの役割は大きく変わらずに幅取役のまま。内側で受けられる枚数をカルドナで増やしてリスクをかけつつ、アルゼンチンを押し込もうという算段である。

    これが非常に効果的だった。圧を強めるコロンビアにアルゼンチンはそもそも前進することが出来ずに自陣に押し込まれてしまう。頼みのメッシも相手のマークが厳しく、ボールを運ぶことが出来ない。

 押し込んでいるコロンビアに同点ゴールをもたらしたのは左のルイス・ディアス。クイックリスタートからペッセッラを出し抜き、そのままゴールに一直線。裏への駆け引きを制して得点までこぎつけて見せた。

 劣勢の状況で同点まで追いつかれてしまったアルゼンチン。打開策としては外に流れても切り裂けるディ・マリアを投入する。やや個人の能力に頼った部分があるものの、これでやや盛り返したアルゼンチン。大外から崩せるディ・マリアの登場で内側が少しマークが緩くなり、攻めどころを見つけられるようになった。

   一方で、オープンになった分非保持では広いスペースを守らなくてはいけなくなったアルゼンチン。ルイス・ディアスとクアドラードの両名は相変わらず面倒だったし、CHのバリオスはオープンな展開でも渡り合うことが出来たのでペースはイーブンに戻せてもコロンビアはややこしい相手である。

   PK戦まで持ち込まれた熱戦で大活躍したのはエミリアーノ・マルティネス。アルゼンチンに足りなかった確固たる正守護神の座をこの大会でしっかりつかんだ苦労人GKの活躍でコロンビアを下し、悲願の決勝進出を決めた。

試合結果
アルゼンチン 1-1 コロンビア
マネガリンチャ・スタジアム
ARG:7′ ラウタロ・マルティネス
COL:61′ ディアス
主審:ヘスス・バレンズエラ

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