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「苦しいからこそトライすべき」~2021.8.14 J1 第24節 柏レイソル×川崎フロンターレ BBC風オカルトプレビュー

 このプレビューは対戦カードの過去の因縁やジンクスを掘り起こして、試合をより一層楽しむための物です。

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第24節
2021.8.14
柏レイソル(15位/7勝2分14敗/勝ち点23/得点24/失点33)
×
川崎フロンターレ(1位/19勝4分0敗/勝ち点61/得点55/失点15)
@三協フロンテア柏スタジアム

戦績

近年の対戦成績

図1

直近10回の対戦で柏の2勝、川崎の7勝、引き分けが1回。

柏ホームでの戦績

図2

直近10試合で柏の6勝、川崎の3勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

<Head-to-head>
・川崎は直近の柏戦で5連勝中。
・しかし、通算の対戦成績では柏の18勝が川崎の16勝を上回る。
・日立台での試合において川崎は直近4戦負けなし。しかし、それ以前の6戦は全敗。
・直近3試合のホーム川崎戦において柏は全て先制点を挙げているが、いずれも勝利できていない。

 川崎サポにとっては古くから天敵のイメージが強い柏。しかしながら直近の対戦成績は川崎が対戦成績を盛り返している。。5連勝中と立場は逆転し、今度は柏が苦しめられる立場になっている。川崎は通算成績での勝利数を追い越す勢いで勝利を重ねている。

 苦戦の象徴といえる日立台の舞台でも川崎が粘りを見せるように。特に直近3試合は全て柏が先制するものの、川崎が反撃に出てそこからスコアをひっくり返されたり、追いつかれたりしてリードを守れないことが多い。川崎にとっては昨年、一昨年と共に逆転の舞台となった日立台。今年はどのような戦いが待ち受けているだろうか。

スカッド情報

【柏レイソル】

・染谷悠太とマテウス・サヴィオは全体練習に復帰済みの模様。
・大南拓磨と仲間隼斗は前節メンバー外。
・大谷秀和は足の手術からのリハビリ中。欠場。

【川崎フロンターレ】

・負傷中の小林悠、大島僚太はランニングを再開。
・レアンドロ・ダミアンは前節内転筋の負傷で途中交代。
・塚川孝輝はACLの脳震盪以降欠場が続いている。

予想スタメン

画像3

Match facts

【柏レイソル】

<柏のMatch facts>
・勝てば今季2回目の3連勝。
・直近公式戦5試合はいずれも得点も失点もしている。
・75分以降の失点が16。全体の37%。
・リーグで最もファウルの回数が多いチーム。
・直近4試合の勝利した試合はいずれもクリスティアーノが得点を決めている。
・ネルシーニョは直近7試合のホームでの川崎戦で5勝を挙げている。

 直近のリーグ戦は連勝。勝てば今季の2回目の3連勝である。ちなみに鹿島戦は今季初めてのトップハーフ相手の勝利。成績が悪いトップハーフ相手に再び結果を出せるだろうか。

 開幕時は5試合中4試合無得点など、得点力不足が顕著だったがその部分は改善。外国籍選手のフィットが原動力だろうか。ペドロ・ハウルの定着とクリスティアーノの復帰が大きな武器になっている。ただし課題となる失点は大きく減っていない。

 特に試合終盤は得点も失点も確率がグッとアップ。全体の37%の失点に加えて、全体の35%の得点も記録。神戸戦のように土壇場で得点を記録して勝ち点を拾う成功体験もある。ちなみにファウルの多さは中盤より前にもハードな守備のタスクを課する柏らしいスタッツである。

 ラッキーボーイ化しているのがクリスティアーノ。ここ4試合は勝つ試合は必ず彼が点を獲っている。柏が2連勝中ということは彼は2試合得点中ということである。

 ネルシーニョは川崎キラーだったが、直近4試合は勝ちがなくどうなってるの?と感じてしまう采配が多いのは気になるところ。ただ、昨年を除けばホームでの川崎戦は非常に勝率が高い。得意のホームで鹿島、神戸に続き上位勢を撃破したい。

【川崎フロンターレ】

<川崎のMatch facts>
・2021年は公式戦32試合無敗継続中。
・勝てば今季3回目のリーグ戦5連勝。
・直近3試合は全てアウェイゲームを0-2で制している。
・直近4試合のリーグ戦は前半で全て得点をとっている。
・山根視来は大分戦で今季8つ目のアシスト。レアンドロ・ダミアンと並びリーグ最多。
・チョン・ソンリョンは1000分を越えているGKの中で被枠内シュートが最小。

 絶賛アウェイ連戦での真っ最中だが、リーグでの無敗記録は何とか継続。勝てば今季の最多記録であるリーグ戦の5連勝に並ぶ。

 直近の試合は爆発力こそないものの、0-2を量産し手堅く勝っているイメージ。押し込まれる時間帯もあるが、基本的には優位に押し切れる時間で得点を挙げて逃げ切っている。特に前半の早い時間で得点できていることが手堅く進めている要因。引き分けた湘南戦はハーフタイムまでに得点をあげることが出来ていない。

 大分戦で輝いたのは山根。クロスだけでなく、今季から取り組んでいる奥行きのあるスルーパスとサイドの浅い位置でのレパートリーが増えたのはチームとして本当に心強い。逆サイドの登里とはまた異なる形でチームを支えている。

 もう1人、派手さはないもののチームを支えているのはソンリョン。少ない失点と枠内シュートはハイラインのDFラインの裏で予測を利かせた飛び出しがあってこそ。未然に防ぐことで枠内シュートの芽を摘んでいる。昨年もハイパフォーマンスだったが、今季はそれをさらに凌ぐといっていいコンディション。一時期は正守護神の座が危ぶまれた時期もあったが、自分も含めて手のひらを返さないといけない人は多かったのではないだろうか。

展望

■テイストは変わっていないと思いきや・・・

 外国籍選手の入れ替わりの激しさが俺の中で随一の柏。今季入った外国籍選手がさっぱり覚えられない。なお、横浜FCとの対戦は終わってしまっているので、あそこのチームは多分覚えないまま終わってしまうだろう。

 本題に戻る。柏が使っているフォーメーションは5-2-3と5-3-2のハーフ&ハーフという風情である。前線は中央にペドロ・ハウルを配置し、両サイドがアシンメトリーな役割をこなす。左のシャドーの方がよりストライカー色が強く、守備において前に残ることが多い。相手が4バックの場合はペドロ・ハウルと左シャドーの選手がCBにまでプレッシャーをかける。このポジションは中断前は瀬川や戸嶋を試していたが、どうやら中断の間に獲得した武藤雄樹がこのポジションを掴みそうな予感がしている。

画像4

 一方、右のシャドーは中盤まで戻って中盤CH2枚とスリーセンターのような守り方をしつつ、時には前線に出ていくという左に比べるとより行動範囲が広いイメージである。このポジションに入っているのは神谷やクリスティアーノ。特にクリスティアーノにはそこやらせるんかい!感が強い気もするんだけど、確かに攻撃面でIHは迫力がある。

 両シャドーは相手によって立ち位置を変える。押し込まれている状況では無難に大外の低い位置までケアする5-4-1もあるし、逆に両翼を上げる5-2-3のような姿勢も見える。アシンメトリーといえるのは5-3-2の時。この図でいうと武藤が前線、クリスティアーノがIHに入る形になるときである。フォーメーションは相手の姿勢や時間帯によって使い分けている。

 スタイルは前回対戦した時と大きく変わっていない。中盤より前の対人で潰し、スピード感に乗ったショートカウンターで一気に攻め落とす。したがって、攻撃的なメンバーにおいてもチェイシングとボール奪取後の前線への奪取が求められることになる。攻撃面では先ほど述べたように、深い位置にいる分、一足遅く飛び込んでくるクリスティアーノは迫力満点。守備側からすると捕まえにくい。

 ただ、数の論理を使いながらゆっくり攻めるのは苦手。相手に退場者が出た横浜FM戦で急ぎながらプレーしており、数的優位があまり活きなかった感じがした。後ろから数の優位を生かした形でボールを運ぶのは苦手なチームである。

 バックラインは守備時にはPA内に控えることも多いが、以前よりは最終ラインのチャレンジは散見されるように。上島や大南がインターセプトから、素早く縦パスが入るとチームとしての重心も前に行くし、好循環を生み出せる気配はある。まだ数は少ないけど。そこから少ないタッチでゴールまでつなげて、相手の帰陣が間に合う前の段階で仕留めてしまうのが柏の理想となる。

 だが、ここまで述べた柏の傾向とは若干異なっていたのが直近の神戸戦。真っ先に目についたのは非常にゆっくりとしたビルドアップ。神戸の2トップに対して、3バックで余裕をもって運ぶ姿はこれまでの柏とはテイストがはっきり異なる。おそらくこれは右のCBにエメルソン・サントスが入ったことが原因として大きいのではないか。左のCBの古賀と同じくボールを運べる選手が右にも入ったことでGKも使った数の論理でのボール回しを始めた感じはする。

 また前線では裏に動き出せる武藤が入ったことでボールの引き出しが増えた。柏の前線にはあまりいないタイプで繰り返しになるがこのままスタメン奪取まで行っちゃうんじゃないかな感は感じるところ。属人的ではあるがテイストは変化している。

 神戸戦の守備においては5-3-2型を採用。アンカーをトップの2枚が受け渡しながら、神戸の中盤ダイヤモンドのフォーメーションに対して数的不利を食らわないようにしていた。

画像5

 神戸戦に向けての対策なのか、補強を経ての変化なのかはわからないが、神戸戦のようなゆっくりとした数の論理を重視するスタイルも持っていることは頭に入れておいた方がいいだろう。

■正念場となりそうな2人の数ヶ月

 川崎としてはまずは早い攻撃を食らう回数を減らすことが最優先である。アップテンポモードだろうが、数の論理モードだろうが、攻撃で一番迫力があるのがスピードに乗った縦に早い状態というのは変わらない。保持で押し込める局面も以前よりは作れる予感だが、三丸のクロス対応さえしっかりやっておけば、中が堅い川崎相手に遅攻で得点するハードルはそれなりに高い。なので下手にボールを失わないことが最優先の課題となる。運ばれないに越したことはないけど、撤退守備はある程度耐えられる公算はある。

 逆に保持ではしっかりと押し返したい。中途半端にひっかけてカウンターを食らわないためというのも大きいけども、レアンドロ・ダミアンに離脱の可能性があるのならば、前進はより丁寧さを織り交ぜながら行うべきである。大分戦で見せたように相手のブロックを横に揺さぶってパスコースを作ること。慌てずに縦に入れない取り組みを続けることは重要なファクターになってくる。

 相手にがどこまで強気のプレスで出てくるかはわからないが、仮にハイプレスで来た場合もコースを作りながら運びたいところ。中央へのパスはチャレンジングになるが、CBのボール運びとIHのポジション取りでここは大分戦同様に優位を取ってプレスの心を折りたい。逆に神戸戦のように中央を固めるやり方で来たら、SBを使いながら前に進みたい。多分、ダミアンと三笘がいなくなると後ろからの保持の部分から取り組まないと勝てないフェーズに差し掛かると思う。なのでサボるわけにはいかない。

 もう1つ、多くの川崎サポの懸念は知念と長谷川の状態が上がってこないことだろう。長谷川に関してはもう少し、パスを受ける前の段階で決着をつけるプレーを増やしたい。相手と正対して1対1をやるのもいいと思うが、相手の逆を取ってボールを受けた時にはもうすでに交わして決着がついている!みたいな場面をもっと増やしたい。

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画像7

 そういう部分で長谷川と組んで機能しそうなのは小塚なのだけど、登里や橘田でも十分に連携は構築できると思う。特にダミアンで中の優位が取れない状況においては抜ききれずに上げるクロスの効果はかなり薄まる。それならば、抜け出してからDFラインにマイナスのスペースを作るところから始めたい。

 知念に関しては非常に迷うところなのだが、基本的には大分戦のようにダミアンタスクを求め続けてもいいのかなと思っている。やっぱり背負えるようになってほしいし、狭いところでの落としとかもできるようになってほしい。ダミアンというお手本もいるし、彼も最初からできたわけではないし。

 それにプラスアルファで機動力を生かしながら左右に流れて起点を作る動きを期待したい。特に柏を相手に押し込まれる状況になった場合は、こういう形での陣地回復は図れるはず。持ち上がりが多いワイドCBの裏に流れてスペースメイクしつつ、押し返すことで持ち味を見せてほしい。

 これは直感なのだけど、どちらの選手も今後数カ月のパフォーマンスで川崎での選手キャリアが決まる気がしてならない。もちろん、川崎サポとしてはそれがいい方向に転がることを心から願っている。

【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)

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