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「Catch up 日本代表」~2024.3.21 アメリカ・メキシコ・カナダW杯 アジア2次予選 グループB 第3節 日本×北朝鮮

目次

守田と田中の併用が安定をもたらした前半

 アジアカップでは失意の結果に終わってしまった日本代表。リスタートとなる3月シリーズは北朝鮮とのホーム&アウェイでの2試合をこなすことになる。

 国立競技場で行われる日本ラウンド。日本は遠藤をベンチにおいてのスタートとなった。代わりにCHでコンビを組んだのは守田と田中。日本の前半はいかにも守田と田中を併用したなという展開だった。

 保持時においては守田がアンカーの位置に入り、田中はフリーマンとして解放。左の大外に流れたり、少し高い位置でサイド攻撃のサポートに入ったり、あるいはボックス内に飛び込んだりなど多岐に渡るタスクをこなすことになる。いうまでもなく、2分に決めた田中の先制点はボックスに入っていくという動くことを許された方のCHに託されたタスクということになる。

 アンカーの守田は不動。彼が中央から動かないため、北朝鮮の2トップはガンガン日本のCBにプレスをかけることができない。CBの2人は北朝鮮の2トップの外側から前進していくことができる。

 守田と田中のコンビは不動のアンカー役とマルチタスク役を入れ替えることができるという特徴がある。10分のシーンのように守田が前線に飛び込んでいく形もある。解放されて自由に動くCHは北朝鮮のプレスの基準点を乱しながらボールを前に進める役割だが、守田も田中もこの役割をこなせることは北朝鮮にさらなる困難を読んだ。

 SBがビルドアップに関与しなくて済むのも守田と田中の併用の影響だろう。右サイドはインサイド専任の堂安の外を菅原が回る形がメイン。左サイドは前田と伊藤がレーンを入れ替えながらゴールに迫っていく形である。サイド攻撃だけでなく、南野と堂安は上田のそばでプレーをして中央打開を図ることも。20~30分くらいはインサイドの上田のポストを生かした形からの攻撃も見られた。

 中央、サイド、即時奪回と日本の攻め手は多様。いつかの再現のようにシュートが決まらない堂安のフィニッシュ以外は軒並み完璧な攻撃だったと言えるだろう。

 北朝鮮の保持は立ち上がりこそショートパスから動かそうとしてくるが、日本の先制点のシーンやその直後の自陣でのロストで少しビビってしまった感がある。ロングボールを前線に蹴っ飛ばす安全策を取るが、町田と板倉のCBコンビが跳ね返すことで守備の安定感をもたらす。ボールを落ち着いて北朝鮮が持つくだりはそもそも少なかったが、南野に掻っ攫われてピンチになったように、ボールを持ちながら攻めることがそもそも北朝鮮にとってどれくらいいことなのかはよくわからなかった。

 後半も引き続き落ち着いた保持から進めたい日本。立ち上がりはその思惑通りいきそうだったが、北朝鮮は2トップが縦関係になるロングボールから迎えた決定機で勇気を得ると流れはガラッと変化。前半の立ち上がりのような中盤のタイトなプレスが復活する。

 日本は前半と異なり、保持でこれをいなすことができなかった。トランジッションで中盤が後手に回ったところもあったため、遠藤を投入するがなかなか流れは変わらず。日本の攻撃は上田、前田らの前線の個を生かすものになっていたし、人数をかけてサイドからの崩しにトライできていたのは北朝鮮の方だった。

 日本は74分の交代で押し込まれる状況を受け入れた様子。谷口を投入しての3バック化と対空性能に優れる橋岡、 前線に浅野を加えることで後方の手当てと少ない人数でも攻撃が成立することを念頭においた前線に切り替える。

 後半は少しバタバタしたが、逃げ切ることに成功した日本。これで二次予選突破に王手である。

ひとこと

 ロングボールの成功で勇気を与えてしまい、後半はだいぶ試合が難しくなった。前半に追加点を奪えなかったことなど、次に向けてやれる間を北朝鮮に残してしまったのは厄介な気もする。次が開催されるのかわからないけども。

試合結果

2024.3.21
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
アジア2次予選 グループB 第3節
日本 1-0 北朝鮮
国立競技場
【得点者】
JPN:2‘ 田中碧
主審:アデル・ハミス・アルナクビ

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