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「最善手の天才」~2018.10.22 プレミアリーグ 第9節 アーセナル×レスター レビュー

 今季初のマンデーナイト!スタメンはこちら!

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目次

【前半】
レスターが勝負を仕掛けたタイミングでスコアが動く

 特にアタッカー陣の色はミラクルを起こしたシーズンから様変わりしたレスター。この日の現地のレスターの予想スタメンは外れ。現地予想は4-2-3-1だったが、実際は3-4-1-2のような形だった。非保持時でのプレスは前の3枚でアーセナルのCB+トレイラにマークに行く。
 後ろは5枚。縦の5つのレーンを全て押さえる形。

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 いつもは3枚で組み立てることが多いアーセナルはジャカの位置を下げながら4対3でビルドアップする形にシフトする。レスターは最終ラインに降りていくジャカに関しては、枚数調整をすることなくスルー。
 レスターが嫌がっていたのは、1stプレスラインの3人(イヘアナチョ、ヴァーディ、マディソン)を超えたところで前を向いてボールを持たれること。だから、アーセナルが後方に人数を増やそうと気にしない。より危険なエリアで前を向かれることを回避すべく、パスコースを消すことを優先。仮に楔が入ったら、前を向かれたりパスがつながらないようにケア。
 やむを得ない時はサイドに追いやる。リヒトシュタイナーには1on1は期待できないし、ベジェリンのところはスピードのあるチルウェルで対応できると考えたのだろう。単純に外のほうが危なくないっていうのもあるし。

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 それでも限られたスペースで柔らかいポストができるのがラカゼットの魅力。序盤のアーセナルの前進は中央にラカゼットにに楔が入ったときか、エジルが2列目のメンディーやンディディの脇で前を向けたときがメインだった。ラカゼットがサイドに流れることもあったけど、オーバメヤンなしでそれやると中にストライカーいなくなりますね。

 レスターの攻撃はなるべく早く前につなぐ形がメイン。前線はいずれもスピードと技術があるし、右WBのリカルド・ペレイラも普段は2列目の選手で攻撃性能が高い。ボール保持の局面になったときは大外を使って、スピード勝負を仕掛けるパターンも。
 得点シーンも大外のスピード勝負だ。このシーンはメンディーが最終ラインへのプレスに参加。珍しくてそのまま高い位置をキープして、仲間のプレスを促す。これでレスターはボール非保持のまま、全体の陣形を上げることに成功。ハーフウェーラインでボールを奪取して起点になったのはCBのマグワイアだった。
 数少ない勝負を仕掛けたタイミングで結果が出たレスター。アーセナルにはピンチらしいピンチは与えず、限られたリスクをかけた場面で得点を取る。このまま前半を終わることができたらパーフェクトといってよかった。

 同点のシーンは前半終了間際。このシーンもレスターの得点シーンと同じく流れの中でレスターが前がかりになっている。ただし、今回はアーセナルがプレスをかいくぐることに成功した。ラインを上げたレスターを攻略したのはエジル。ジャカのパスを受けて脱兎のごとく駆け上がり、ベジェリンにラストパスを促すようなパス。若干ハーフバウンド気味のクロスだったが、浮かさずにしっかりゴール端に沈めた。この日、アームバンド巻いたアーセナルの10番が、レスターの完璧な前半を阻止した。そんな45分だった。

【後半】
おびき出せ!WB!

 前半のアーセナルのどこに可能性を感じたか。いろんな意見はあると思うが、自分が一番可能性を感じたのはイウォビ。それを踏まえて後半のアーセナルを考えてみると、面白かったのはSBが低い位置でボールを触る回数が増えた点だ。特にリヒトシュタイナーはピッチの後方でボールを触る回数が増えた。狙いとして考えるのはリカルド・ペレイラのつり出し。本職がSHなことは関係あるかはわからないが、彼はとにかくDF時の人への意識が強く、ボールホルダーについてくる。

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 この恩恵を受けたのはイウォビ。より広いスペースを享受することで、前半から有効だったギャップを突いた間受けや、仕掛けのドリブルがさらに効果的なものになった。イウォビを軸にした前進で後半のペースを握ったのはアーセナルだ。

 そんな中で60分にアーセナルファンをざわつかせる交代が。オーバメヤン、ゲンドゥージの投入に伴い、左サイドバックにジャカがスライド。マジか、って思いました。笑
 長いレンジを蹴れるジャカを左に置くことで、よりリカルド・ペレイラのおびき出しを強く狙ったのかもしれない。この采配の意図を読み取るのが難しいのは、交代直後に戦局が動いたから。ベジェリンの大外のランをエジルが見逃さなかった。WBをピン留めしたイウォビも見事。最後はオーバメヤンが決めたゴールだった。

 そして3点目である。このゴールはぶっちゃけここでどんな言葉を尽くそうと意味がないので、TDKさん動画またお借りしますね。

 はい。すごいゴール。あえてコメントを付けたすならば、ゲンドゥージの投入はアーセナルのテンポアップに寄与していたので、このゴールを生みだす引き金になっている感じはした。

 失点後、いつもの4バックに戻すレスター。いよいよジャカの左サイドバックの評価が難しくなっていく感じだ。エメリの意図も読み取れなければ、投入後からは戦局も相手のフォーメーションも変わってしまった。
 ゲザル、岡崎、オルブライトンの投入で4-4-2にシフトしたレスター。マディソンが下がってからはやや前進に苦労していた印象だ。

 目立たぬチャンスを作れないまま、試合は終了。試合は3-1でアーセナルが勝利した。

まとめ

 5バックで前半はアーセナルを硬直させたレスター。WBがサイドをもう少し食い止められる算段だったかもしれないが、イウォビを中心に徐々に狂わされていった印象。得点シーンのマグワイアの奪取とかとてもよかった。このチーム、中島獲得のうわさあるんだよね?マディソンうまいから、レギュラー争いめっちゃハードそう。個人的には見たい!

 今日も今日とて、交代選手が結果を出したアーセナル。本文中でも述べた通り、ジャカの左サイドバックについては保留!というのが、自分の評価だが、彼が左サイドバックに移ったタイミングで投入された2人はとてもよかった。ゲンドゥージの投入は推進力を与えたし、オーバメヤンは得点以上に徐々にドリブルが切れ味を増してきたのが好材料。ゴールはもともと決められるもんね!この先の不安要素をあえて述べるならば、トレイラとラカゼットへの依存度の高さか。多分、この2人のどちらかがかけると攻守に結構破綻する感じはする。逆にポジティブな面としては、イウォビが一過性の活躍に終わらなそうな点だ。

あとがき

「パーフェクト10」。翌日のガーディアンはレスター戦のアーセナルをこう評している。
 この言葉には公式戦10連勝の達成に加えて、この日初めて腕章を巻いた背番号10を称える意味も込められている。エジル自身、完璧な船出といえるシーズンではなかったかもしれない。W杯では惨敗だったし、ピッチ外でも無駄に議論の的になることもあった。新政権が発足したアーセナルにおいても、「エジルがここまで抜群の存在感を見せた!」と胸を張っていえるアーセナルファンはあまり多くはないのではないか。

 彼のプレースタイルとしてより静的なイメージを持つ人もいるかもしれない。クールな見た目よろしく、相手のブロックを崩すパスを出せるアイデアマン。もちろんそのイメージは間違っていない。わずかな隙間を見つけ、そこをつくアイデアはアーセナルで一番だろう。しかし、自分の考える最もエジルが輝くシチュエーションはそれではない。レスター戦のようなスペースがある状況において、最も効果的な手段を最も効果的なタイミングで選びとることができる。それこそがエジルのプレーの真骨頂ではないかと思う。いわば、最善手を選び取る天才といってもいいだろう。彼自身は爆発的な加速力や、当たり負けしない強靭なフィジカルはない。彼が輝きを放つには仲間とのコンビネーションが必要だ。組織的なプレスもそうだろう。いい形でボールを奪えなければ、必然的に数的優位な状況でのカウンターも不可能だ。「エジルはビックマッチでは輝けない。」と言われてきた。しかし、それはチームとして彼が輝く下地ができていなかったとも言い換えられる。ビッククラブ相手にプレスがハマれば、目の前には彼が好む広大なスペースがある。

 レスター戦では一つの形を示すことができた。プレスの精度はまだまだだが、カウンターの連係の向上は日々感じられる。ビックマッチでの活躍を期待しても、バチは当たらないだろう。「最善手の天才」のアーセナルでのさらなる飛躍を願って、このレビューを締めくくりたい。

試合結果
2018/10/22
プレミアリーグ 第9節
アーセナル3-1レスター
エミレーツ・スタジアム
得点者
ARS: 45′ エジル, 63′ 66′ オーバメヤン
LEI: 31′ OG
主審:クリス・カバナフ

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