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「その土俵では負けられない」~2021.5.4 J1 第12節 川崎フロンターレ×名古屋グランパス BBC風オカルトプレビュー

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第12節
2021.5.12
川崎フロンターレ(1位/11勝2分0敗/勝ち点35/得点34 失点8)
×
名古屋グランパス(2位/9勝2分2敗/勝ち点29/得点16 失点7)
@等々力陸上競技場

戦績

直近の対戦成績

図1

 直近10試合で川崎が5勝、名古屋が2勝、引き分けが3つ。

川崎ホームでの試合

図2

 直近10試合で川崎が7勝、名古屋が2勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

<Head-to-head>
・直近17試合で逆転勝利のないカード。
・勝てば川崎にとっては3年ぶりに名古屋相手にシーズンダブル。
・ホームでの名古屋とのリーグ戦で川崎が敗れたのは2012年が最後。
・GWにおける等々力での名古屋戦は2013年以来。

 前回のプレビューでは『先制点が大事』と口を酸っぱくしていったのだが、データ的にもこのカードにおいては伝統的に先制点が重要である。2011年8月の対戦を最後に、先制したチームが勝ち点を持ちかえれなかった場合が多い。

 等々力においては特に川崎が優位な戦績。直近8試合での名古屋戦では無敗(W7,D1)と勝ち切れている試合が多い。勝てば2018年以来となる対名古屋3年ぶりのリーグダブルがかかっている。

 ちなみにGWの等々力での対戦は2013年以来。山本真希が87分に決勝ゴールを生み出した8年前以来である。

スカッド情報

【川崎フロンターレ】

・小林悠は広島戦で負傷の模様。
・山村和也は左大腿二頭筋肉離れで3か月の離脱。
・大島僚太も長期離脱中。

【名古屋グランパス】

・金崎夢生は右ひざ前十字靭帯損傷及び外側半月板損傷で離脱中。

予想スタメン

画像9

Match facts

【川崎フロンターレ】

<川崎のMatch facts>
・引き分け以上でクラブ記録に並ぶ19試合連続での無敗。
・昨年同時期と比べて勝ち点は3多い。
・GWのホームゲームは直近6試合で3敗(W2,D1)
・勝てなければ2019年8月以来の2試合連続のホーム未勝利。
・ジョアン・シミッチ先発時のホーム6試合でクリーンシートは5つ。
・レアンドロ・ダミアンはここまで90分換算で1.74得点に関与。リーグ最多。

 あまり話題になっていない気もするが、Soccer D.Bによれば川崎の連続無敗記録は19。今季の川崎は開幕13戦無敗+昨季は最後5試合が無敗なので、この試合で引き分け以上ならばこの記録に並ぶことになる。昨年は同時期において既に名古屋に敗れていたが、今季はこの関門を突破し昨季以上に順調に勝ち点を挙げている。

 ただし、GWのホームゲームはあまり得意ではない。2018年に浦和とFC東京に連敗したように、直近6試合で3敗と成績は振るわない。もっとも、絶好調な2020年はこの期間には試合はなかった。直近のホームゲームである広島戦を吹き飛ばすような勝利で嫌な思い出を払拭したいところだが。

 名古屋戦で復帰したシミッチはここまで等々力の試合の多くで無失点に貢献。C大阪戦を除けば出ている試合はクリーンシート。特に4-4-2相手のチームには攻守に絶大な力を発揮している印象だ。

     センターラインで言えば同じくダミアンも頼もしい。90分換算でここまでの得点関与数はリーグで断トツ。2位以下に0.6をつけてぶっちぎりで躍動している。名古屋とのシックスポインターの第2ラウンドでもセンターラインの外国籍選手の活躍で連勝を狙いたい。

【名古屋グランパス】

<名古屋のMatch facts>
・アウェイゲームでは今季負けなし。
・連敗すれば2020年10月以来。
・今季PKを与えておらず、許してもいないチーム。
・敗れれば2019年以来のシーズンダブルを食らう。
・稲垣祥は今季枠内シュート3本が全て得点になっている。
・ミッチェル・ランゲラクが2試合連続でクリーンシートを逃せば2020年10月以来。

 今季敗れた2試合はいずれもホームゲーム。アウェイゲームは2020年11月の広島戦以来7試合負けなしとなっており、6勝1分と勝ち切っている。敗れれば2020年10月以来のリーグ戦連敗、そして2019年以来の特定チームからのシーズンダブル、さらには2020年10月以来のランゲラクの2試合連続でのクリーンシート未達成となる。

 名古屋は今季はPKを与えておらず、PKを得ていないチーム。同様に川崎もPKに関与していないチーム。ここまでPKを得ていないチーム同士の対戦だが、この試合においてもPKはお預けとなるだろうか。

 得点の部分で言うと稲垣のミドルは大きな武器。枠内シュートを全て得点に代えているパンチ力は名古屋が欲しい先制点を得るための手段となりうる。

展望

■何も決まっていませんから

 首位決戦は短期間でのリマッチとなった。豊田での対戦での4-0という結果はJリーグファンへのなかなかのインパクトを残したと思われる。

 前回のプレビューで述べたライン間を制するというポイントにおいて川崎は完勝。ちりばめられた名古屋対策を完遂し、あっという間に試合を決めたという豊田ラウンドであった。

 確かにその試合では川崎は強さを証明することができた。しかし、『優勝間違いなし』とかそういう声は個人的にはあまり信用していない。何せ2位との勝ち点差はまだたったの6。名古屋の後ろにも追手はわらわら連なっている。

 さらにはオリンピックやACLなど川崎の今後のシーズンは過密日程が約束されたもの。どこかで歯車が狂う可能性がある日程を踏まえればリードは決して十分なものとは言えない。

 今はちやほやされたとしても、負けだすとすぐにやいのやいの言われるフェーズに入ることを俺はあちこちオードリーに出演した田中みな実から学んでいる。

「ぶりっ子から、すごい急に人気者になったみたいな感じでもてはやして、今度また地に落ちたみたいに言うんでしょ?」



田中みな実「34歳独身で、ちょっと不幸そう」 嫌いな女子アナから女性の憧れへ、人気の理由を自己分析:…|テレ東プラス


【配信終了:2021年4月21日(水)】動画はこちら水曜夜11時台に引っ越しして「カメラが1台増えた」(若林)と大幅リニュ


www.tv-tokyo.co.jp

画像3

 田中みな実が女優業に転身し始めて叩かれると予測しているように、川崎がACLに出ていった途端に叩かれうるシナリオというのは十分あり得るだろう。田中みな実にとってのドラマ出演は川崎にとってのACLなのである。そもそもACLはどうやったら見れるんですか!お願いです!教えてください!

■名古屋の川崎対策を考える

 話がそれた。確かに豊田ラウンドは川崎がやり方の幅で出力の強度で名古屋を上回ったとは言える。だが、それが等々力での勝利を約束するものではない。手前味噌ながら、完成度は現段階では川崎の方が上であろう。だが、それでも次の試合では負けるかもしれないのである。

 当然、名古屋にしても豊田でのリベンジに燃えているはず。では名古屋がどのような対策を講じ、4日前に感じた差を埋める手段を行ってくるかを考えていきたい。

 まず、名古屋が川崎対策として解決しなかければいけない問題点は大きく分けて3つ。

1. 4-4ブロックと2列目の分断

画像4

 名古屋の4-4のブロックは数の論理で成り立っている。すなわち、前の2枚が2列目が出ていったスペースを埋めることができるという前提で成り立っている。川崎がまず講じたのは2枚の名古屋のプレス隊を横に揺さぶり、4-4ブロックのカバーリングから切り離すことである。

 なのでこの数の理屈での守備を成り立たせるようにしたいという所が名古屋の目論むところだろう。

2. 4-4ブロックからのおびき出し、及びライン間のスペース管理

画像5

 川崎はプレス隊を4-4ブロックから切り離すと、そこからCHを引き出して4-4ブロックから人をつり出し、後方のブロックの強度を弱める。米本や稲垣が動いたスペースから入り込むところまでセットで設計されており、彼らが出ていくことが穴になっていた。

 また、レアンドロ・ダミアンが体を張って名古屋の守備陣を押し下げているせいで名古屋のDFがラインを上げることができず。その結果、DF-MFライン間が空いてしまい、川崎の選手たちに入り込むスペースを与えてしまったという問題があった。

3. 同サイド攻略におけるネガトラ時の密集

 川崎は敵陣においてサイドチェンジが少なく、密集でのパス交換が多かった。もちろん、狭い分川崎にもロストのリスクはあるが、ロスト後の名古屋の選手へのチェックには川崎は素早く移行することができる。狭いスペースのボールコントロールは名古屋の選手はあまり得意ではない。ロスト後の状態が川崎の方が有利になっているように思う。したがって、それを踏まえてのサイドチェンジの頻度低下かと思う。

 以上、3つがざっくり名古屋が川崎を前に直面した問題である。まず、数の論理を大事にする名古屋にとっては4-4ブロックと2トップの連動性を維持することが最優先。豊田で撤退気味だった4-4-2が機能しなかったことも踏まえれば、当然もう1つの手段は高い位置からプレッシャーをかけることである。

 特に川崎の4-3-3に対して4-4-2で立ち向かうのだとしたらまず問題になるのはアンカーのケア。ここを米本と稲垣の2人の運動量でカバーする。先日の対戦では4-4ブロックの穴をあけるきっかけになった彼らの行動範囲の広さをプラスに転じることが必須である。

画像7

 もちろん、彼ら自身がただ動き回るだけではこないだの二の舞になる。米本と稲垣のプレスが前線と連動するか、そしてよりハードルが高い後方のラインの押し上げができるかどうかがこの形を機能させるカギとなる。

 正直、後方の押し上げはなかなか難易度が高い。川崎に比べると名古屋はDF個人が広い範囲でカバーリングをするのは難しい。さらにテンポが速くボールを回せる川崎相手には逆にこのやり方は傷口を広げる可能性もある。

   でも、鳥栖やあるいは以前の川崎のように苦しくても前からチェイシングして、時には爆死しているチームがいるのを考えると、苦しくても前から出ていくやり方はここでテストする価値があると思う。第1ラウンドとは異なるリスクを取ることはチームの現在地を測るという意味でも重要なことではないだろうか。

 米本、稲垣と前後の連携以外において、プレスのキーになるのはマテウス。1stレグで苦しんだ谷口からの左サイドへの供給を断つことができれば、流れは名古屋に傾くだろう。自身がそのまま仕掛けに移行出来ることを踏まえれば引っかけた時の実入りも大きい。豊田ではやや途中から守備に戻る部分が切れてしまった感のあるマテウスが守備で機能すれば名古屋にとっては大きな上積みとなる。

 とはいえ、高い位置からプレスに行くだけでは体力的に限界がある。ブロックで受け止めなくてはいけない場面が出てくるのは仕方ない。その際には中央への展開は許さないこと。同サイドでボールを閉じ込めきること。そして、先制点を取っておいて、ボールを狭いスペースで扱わせることを川崎にとってストレスとして感じさせることが重要である。

 焦れて川崎がブロック守備にバランスを崩して人をかけるようになればしめたもの。ボール奪取後のロングカウンターの可能性は広がることになる。心理的にストレスがかかる状況でのプレータイムを増やすことが最も重要。そのためには高い位置からのチェイシングから先制点を引き出せれば。

■対策も土俵の中

 では、川崎はどう組むかである。名古屋がハイプレスに来る前提であるのならば、まずはシミッチよりも後ろの保持における耐性である。谷口やジェジエウが時間を持って受けられる豊田での試合とは異なり、余裕はなくなるはずだ。

 しかしながら、ソンリョンまで窒息をさせられるほどのプレスにはならないはず。彼を起点にダミアン、家長への長いボールで前に起点を作りたい。CBが封じられてしまうのならば、GKのソンリョンに精度が問われる存在になりうる。GKまでにプレッシャーをかける必要が出てくれば、今度はCBへのマークが甘くなるはずだ。

 その上でつくべきは名古屋の押し上げの際に生じるであろうMF裏のスペースである。田中、旗手、山根、三笘などでターゲットを後方からサポートする。個人的にこの試合でポイントになりそうなのは山根と踏む。豊田ではオーバーラップは自重気味だったが、この試合ではまた局面は変わるはず。家長に吉田がついていく頻度が多かった豊田での様子を踏まえると、彼の後ろのスペースは山根がつく隙があるはずである。

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 仮に名古屋に先制点を取られて引き込まれたとしても、エリアの内と外でクロスを上げる状況さえ十分に戦えるはずである。スペースに立ち止まらずに出し入れを続けること。そして、その際に焦れずに立ち位置を大きく崩さないこと。前回対戦で見られた以下のようなシーンは避けたいところ。

画像6

    名古屋のカウンターの隙を消しつつ、クロスの状況を整え続ける。PAに相手を押し下げ、ライン間を使うことができれば追い上げることができる。

 おそらく名古屋はやり方を変えてくる。こないだの試合はそれだけのインパクトはあった。だが、相手が変わった時の変幻こそ今季の川崎の強さの真骨頂でもある。名古屋が変わるというトライ自体が、川崎の得意分野でもある。このフィールドで川崎は負けるわけにはいかない。なぜなら、まだまだ強くなる必要があるからだ。

【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)

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