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「テンションの制御が大事」~2021.3.14 プレミアリーグ 第28節 アーセナル×トッテナム プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第28節
2021.3.14
アーセナル(10位/11勝5分11敗/勝ち点38/得点35 失点28)
×
トッテナム(7位/13勝6分8敗/勝ち点45/得点46 失点28)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

近年の対戦成績

図1

 2016年以降の対戦でアーセナルの2勝、トッテナムの5勝、引き分けが4つ。

アーセナルホームでの対戦成績

図2

 直近10戦でアーセナルの5勝、トッテナムの1勝、引き分けが4つ。

Head-to-head from BBC sport

・アーセナルは直近35試合のホームのリーグにおけるノースロンドンダービーにおいて、2敗のみ(W19,D14)。3-2で敗れた2010年11月のエミレーツと、3-1で敗れた1993年5月のハイバリー。
・スパーズは勝てば92-93以来のダブル達成。リーグ戦3連勝もかかっており、こちらも達成すれば1974年以来。
・アーセナルは直近5試合の公式戦でのスパーズ戦で未勝利(D2,L3)。過去に6試合連続で未勝利を記録したことはない。

スカッド情報

【Arsenal】

・主だった負傷者はなし。

【Tottenham

・ELで負傷したハリー・ケインは出場可能の見込み。
・セルヒオ・レギロン、ギャレス・ベイル、トビー・アルデルワイレルドはミッドウィークは休息、スタメン復帰可能。

Match facts from BBC sport

【Arsenal】

・直近7試合のリーグ戦で2勝、直近6試合ではクリーンシートは一つもない。
・ホームでの5敗は6敗を記録した94-95以来の多さ。
・ミケル・アルテタは就任直後のノースロンドンダービーに3連敗した初めてのアーセナルの監督になる可能性がある。
・アルテタは選手時代を通してジョゼ・モウリーニョが率いたチームとの8試合のプレミアでの試合に勝ったことがない。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは直近4試合のリーグ戦の先発で6得点。それ以前の16試合の先発では3得点のみ。

Tottenham

・アウェイでのリーグ戦は開幕4連勝スタートしたが、以降の9戦で2勝しかしていない。
・直近11試合のアウェイゲームで10得点のみ。
・今季の46得点のうち、37得点がソン・フンミンかハリー・ケインが得点かアシストを決めたもの。
・ケインはノースロンドンダービーのスコアリーダー。14試合の公式戦の出場で11得点を決めている。
・ケインがプレミアでアーセナル相手に挙げた11得点よりも多くアーセナル相手に点を取っている選手はウェイン・ルーニーのみ(12)。
・モウリーニョは監督としてのアーセナル戦22試合で2敗のみ(W12,D8)

予想スタメン

画像3

展望

■好調を維持する2列目

 トッテナムのボール保持は自陣深い位置からトライアングルを作る形から。開き目のCBと高い位置を取るSBのサポートに同サイドのCHが寄っていく形で三角形を作る。逆サイドのCHは中央に絞ってパスコースの確保とネガトラの対策する。高い位置でもスイッチを入れるまでは三角形を基調としてパス交換を進める。

 2列目は内側に絞ってライン間で受ける用意をする。基本的には後方からのパス交換を行いながら、このライン間で受ける選手たちに前を向けるようなパスを送ることが目的となる。ホイビュアを除けば後ろの選手が楔に持ち味があるわけではないので、2列目の間の選手がタイトな守備のブロックの中で受けるのはハード。ケインのようにフィジカルを武器にした選手でなければ、反転して前を向くのは難しい。ちなみに開幕時と比べればケインへの依存度は少なくなっているように見えた。

 中央にダイレクトに進むのが難しい場合はサイドから。大外は基本的にはSBのもの。特にレギロンの攻め上がりは推奨されている。開幕時から積極的に行われていたレギロンの高い位置からのクロスは徐々に実を結ぶ機会は増えてきている。

 右サイドもドハーティやオーリエなどと攻撃的な面々が揃っている。ただし、レギロンよりはオーバーラップの頻度は低い。ドハーティは夏の新加入後、なかなか出番がなく苦しんでいるが、ウェストハム戦ではベイルと共に右サイドを活性化し、久しぶり存在感を見せた。

 そのベイルもここ数試合はかなりパフォーマンスを上げてきている。試合を決めることができるエクストラプレイヤーとして左足は警戒。前回対戦時とは全く異なるコンディションになっていそうである。攻撃においては早い展開におけるラメラの貢献度が地味に上がっているのも気になるところ。おそらくベンチからだと思うが、オープンな流れで仕事をさせたくない選手である。

 逆にルーカスは守備面におけるプレッシングに光る部分がある。積極的なプレスバックをいとわないルーカスはここ数試合ビルドアップのミスから失点を繰り返しているアーセナルにとってはありがたくない存在である。

■クロスを上げる機会をどれだけ得られるか?

 多士済々の2列目とは異なり、最終ラインには脆弱性が目立つ。これまでのモウリーニョのチームの水準に比べると強度が落ちるのは明らか。特に、クロス対応におけるCBの怪しさは顕著で、ウェストハム戦では最も危険なアントニオを簡単に離してしまったりなど判断が悪い。ダビンソン・サンチェスなどはボール奪取後のプレーも軽く、せっかく奪い取った後のボールをまた失ってしまうことが多い。アーセナルとしては即時奪回のプレッシャーをかけていきたいところである。

 クロス対応が悪いのならば、クロスを上げさせなければいいじゃないか!と思うところなのだが、SBが対人に強くない選手が多いのも頭が痛いところ。タンガンガを除けば対人の強さを見せるタイプは不在。SBとペペ、サカ、オーバメヤンが対峙する場面を作ることが出来たとしたら、エリア内で上がるクロスに対する備えが求められる。アーセナルとしてはファーからのクロスをフィニッシュする形が理想だが、ファーに飛び込める選手は結構少ない。オーバメヤンを左に置いた時くらい?

 CHを左右に揺さぶることも肝要。ホイビュアやエンドンベレなどの強力なフィルターを外に連れ出すことで真ん中からのかち割り方もちらつかせておきたいところではある。

 展開を読むのは難しい。ベイルが入り強化されたとはいえ、依然トッテナムの苦手分野は引いた形に対する攻略という部分である。アーセナル目線でいえば撤退した守備ブロックをどう解決するかにトッテナムを集中させればシャットアウトできる可能性もある。

 アーセナルにとって最も避けたいのは直近のバーンリー戦やオリンピアコス戦の前線からの守備である。なんとなく人に合わせたマンマークなのだが、ホルダーにタイトに行くわけではないので相手は縦パスを好きに通せる状態。プレッシャーが少なく、前後が分断する形でトッテナムに挑むのはかなり危険度が高い。カウンター対応に振り回されたくはない。

 攻撃に話を戻すと受け手と出し手とリンクしてプレーするスミス=ロウ、サカは必須だろう。前線のメンバーでいえばペペがどこまで対面の選手にマッチアップで違いを作れるかどうか?という部分も大きな要素。

 直近のアーセナルの相手に合わせるプレーを見ると、ノースロンドンダービーのテンションの高さを利用する方がベターという考え方もわかる。一方でそもそもの互いのスタイルを考えると、トランジッションがふえてボールが行きかうケース、いわばイメージとして浮かぶノースロンドンダービーの展開はスパーズの方が有利と見る。アーセナルとしては勢いに乗るのをおさえつけてトッテナムが直線的にゴールに挑む形は絶対に阻止。ノースロンドンダービーらしくない展開で巻き返しのきっかけとしたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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