MENU
カテゴリー

「BKBコンビを陰で支えた屋台骨たち」~2018.8.25 J1 第24節 川崎フロンターレ×ベガルタ仙台 マッチレビュー

クリーンシートっ!
スタメンはこれ!

画像1

目次

【前半】
川崎の狙い→横のチェーンを切る+前後分断

 お盆で時間があったからという理由で清水戦から始めた当ブログ。4試合目にて、初めて5バックのお相手をお迎えしました。

 チームごとに狙いを整理します。川崎のビルドアップはCB2人+MF1人の3枚。仙台は2トップがメインでプレスに来ます。たまに仙台のIHが手助けに。その時は川崎の中盤が数を合わせに降りてきます。川崎の狙いは仙台のスリーセンターの幅を広げること。

画像2

 あくまでこれは一例。こういう場面でスペースにボールを出し入れ。最近は前半はどこが空くか動かしながら観察しているといっていいでしょう。noteは動画貼れないみたいですけど、前半13分10秒~13分30秒くらいのシーンはこの動きを繰り返すイメージで行われている感じです。

川崎が前半に見つけた仙台の隙はDF-MF間の連動。低い位置サイドでボールを持った時にプレスをかける仙台MF陣にDFが押し上げられないシーンがちらほら。

 ボールは画面下側エウシーニョに。仙台の選手はボール周りと最終ラインに分断された形。間にはスペースがあります。このシーンのエウシーニョはめちゃめちゃ上手。相手との間を取りつつ前を向きました。前方にはボールを受けられる選手が。エウシーニョはハーフスペースの大島を選択、大島が受ける前に家長が裏に抜けます。抜けました。仙台のDF-MF間には川崎の選手がいますね。チャンスが期待できる形。

 でもこれは別に仙台的には悪くない形ですよ。ボールホルダー付近は2対4で仙台のほうが選手多いし。むしろここは渡邉監督が狩りどころとして狙ってた部分かなと思います。ただ、この形で結果的に川崎がロストした回数はとても少なかったです。

 ただ川崎もあまりチャンスは多く作れてませんでした。最終ラインの人口密度が高いため、小林がいい形でボールを受けるシーンが限られていたこと。仙台の選手たちがうまくカバーしながら陣形を維持していた時間が多かったことなど。チャンスはミドルやキラーパスが通った散発的なものでした。

【前半】-(2)
仙台の狙い→(一発裏抜けと)サイドからサイド

 次は仙台の狙い。仙台のビルドアップは最終ラインの3枚の前に冨田が鎮座する形。川崎がSH込みの3枚でプレスにきて苦しいときは、WBが降りてくる形で数的優位を確保してました。

 本来仙台がやりたかったのは高い位置からプレスをかけて、川崎にボールを持たせないこと。ただ、実際はそれは厳しかった。それならば西村とジャーメインのFW2枚の裏抜けを使いたい所。しかし、それも谷口と車屋が比較的よく抑えてました。たまにボールを保持できても周りにヘルプできる選手がいないシーンが多かったです。

 そんな中、構造的にチャンスができそうだったのはこの形。仙台は引いてきた西村にマイナス方向のパスが入るところ、川崎はラインを上げる動き。大外に抜けるパス。川崎のラインが下がります。

 このラインが下がった時に空くバイタルエリアが仙台の狙いとしては最も有効だったかなと。実際に今季序盤戦においては、川崎の弱点といっていい部分だと思います。でもこの最後の写真見るとしっかりケアできてますよね。サイドチェンジがうまくいったのに仙台の狙いほど上手くチャンスにならなかった。守田と阿部がしっかりケアをしています。この部分は前任者のネットには任せにくい部分です。前任者とは異なる持ち味で、守田がしっかりと川崎の屋台骨になっていることを感じたシーンでした。

 双方、締めるべきところを締めた試合はスコアレスのまま後半に。

【後半】
リスクが取れる信頼関係

 後半に入ってまず気になったのは、川崎のボール保持時の仙台のWBの位置。前半より川崎のSBを深い位置まで追いかけるようになりました。特に蜂須賀のサイドはよりその傾向が強かったです。時には4バックのような陣形に見えることもしばしば。

 川崎側で気になった変化はボールロスト後のプレス強度の上昇。仙台の陣形が前半よりも縦に長く、蜂須賀が前に来ることが多い分、後ろが手薄になっていることが多く、川崎的にはプレスをかけやすかったのかもしれません。

 50分のシーン。川崎がボールをロスト。中村憲剛が即時プレスに。仙台は横にはたく。そこにも憲剛がプレス。正直ここは本当は仙台の選手は比較的選択肢に余裕あったので別の選択もできたかと。戻してGKから蹴りだします。

 続いて、得点シーンも似たような形。平岡のバックパスがGKに。プレスに行ったのは中村憲剛。ここでもです。戸田さんもブログで称賛している通り、この試合の中村のプレスは効いてました。70分の時間限定がいい方向に出てますね。GKは蹴りだします。

 この後、大岩がコントロールをミスし、川崎はこの試合の決勝点を挙げることになります。

 登里の遠方からのプレーはとてもリスクが大きいです。仮に入れ替わられたらかなりまずい。本人は助走があるジャンプには自信があると試合後に話していましたが、このプレーを選択した理由はそれ以外にもあるのかなと。センターサークル付近、大島の動きに注目しましょう。登里が空けた位置をカバーできるように徐々に動いているのがわかるでしょうか。

 このシーンだけではなく、大島はこの試合かなり広範囲のカバーをしていました。攻めあがるSB(主にエウシーニョ)の裏のケアは彼に一任されていたといってもいいくらい。さらに前半で述べた通り、車屋と谷口はこの試合ではかなり仙台のFW相手に分がいいデュエルができてました。(石原には少し手を焼いていましたが)

 多少のリスクをとっても後方ではカバーが見込める。登里がリスク覚悟のプレーを選択したのは、そんな思いもあったのかもなと思わせるゴールシーンでした。

 川崎はその後追加点は奪えなかったものの、仙台に目立った決定機はつくらせず、試合は1-0のまま終了です。

まとめ

 ファンタスティックな決定機を大量に作り出した最高の試合ではありませんでしたが、川崎は局面局面で仙台の狙いを外し優位性を示した試合だったといっていいと思います。決定機もほとんど作らせず、点差は最少ながら完勝だったのではないでしょうか。殊勲の中村と登里、そしてそのプレーを支えたのは後方でチャンスの芽を摘み続けた大島、守田、車屋、谷口の4人。守田には厳しめなツイートをすることが個人的には多いですが、彼は後半戦とてもあらゆる面で向上しています。この4人はまさしく今の川崎の屋台骨です。

 敗れた仙台も特に前半はチームとしての力を見せられたと思います。FW2枚の選択によって、かなりチームの色が変わるように感じました。渡邊監督も言っていたように終盤はハーフナーをもう少しうまく使いたかったのはあるかもですね。。西村が仮に移籍すればFWの組み合わせは再考となるはずでこれも楽しみです。板倉が戻ってくればもう少しできることも増えてくるでしょうか。

川崎フロンターレ1-0ベガルタ仙台
等々力陸上競技場
得点者:54′ 中村(川崎)
主審:木村博之

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次