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「走り負けずに走らせる」~2020.7.26 J1 第7節 川崎フロンターレ×湘南ベルマーレ BBC風オカルトプレビュー

 このプレビューは対戦カードの過去の因縁やジンクスを掘り起こして、試合をより一層楽しむための物です。

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第7節
2020.7.26
川崎フロンターレ(1位/5勝1分0敗/勝ち点16/得点17 失点5)
×
湘南ベルマーレ(15位/1勝1分4敗/勝ち点4/得点7 失点10)
@等々力陸上競技場

戦績

近年の対戦成績

図1

 直近5年の対戦で川崎が5勝、湘南が1勝、引き分けが3つ。

川崎ホームでの対戦成績

図2

 直近10回の対戦で川崎が6勝、湘南が2勝、引き分けが2つ。

Head-to-Head

<Head-to-Head①>
・直近7試合の公式戦での湘南戦で川崎は無敗(W4D3)
・直近3試合のリーグでの川崎戦において、湘南はノーゴール。

 直近の対戦成績では川崎が有利。最近のリーグ戦は川崎の勝ちと引き分けを繰り返していたが、直近の対戦で川崎が久しぶりの連勝を決めている。

   湘南が川崎相手に得点を決めたのは2018年3月の松田天馬の同点弾が最後。以降、3試合の川崎戦では得点から遠ざかっている。

<Head-to-Head②>
・直近10試合の公式戦におけるホームゲームで互いにクリーンシートは1回ずつ。
・リーグ戦29回の対戦で湘南が川崎相手に無失点に抑えたことは4回

 とにかく両軍に得点が入る試合。共に無得点で終わることはほぼなく、川崎のホームゲームでスコアレスドローを記録したことはない。特に湘南が川崎を抑えることに苦慮している。川崎戦で記録した4回のクリーンシートは全て湘南ホームで達成したもの。川崎のホームを無失点で切り抜けたことはまだない。

<Head-to-Head③>
・湘南が川崎に勝利したJ1での試合は2試合とも夏場(7・8月)の開催。
・J1でのホーム湘南戦で、過去に川崎が連勝した経験はない。

 最後は湘南にとって有利なジンクス。過去に勝利したJ1での川崎戦はいずれも夏場。アリソンのゴールで逆転した2015年8月の試合と、川崎キラー高山のゴールでこちらも逆転した2013年7月の試合。どちらも川崎の先制点を1-2の形でひっくり返す展開だ。シーソーゲームが多い試合だけに、先制点後のコントロールは問われることになりそう。川崎は勝てばJ1では初のホーム湘南戦連勝。様々な連勝記録がかかる試合だが、こちらにも注目していきたい。

スカッド情報

【川崎フロンターレ】

・筋肉系のトラブルだったジェジエウは全体練習に復帰。
・左膝前十字靭帯損傷の中村憲剛は引き続き出場不可。

【湘南ベルマーレ】

・馬渡和彰は契約上の事由で出場不可。
・梅崎司は左膝内側半月板損傷で欠場。
・澤田恒(左膝前十字靱帯損傷)、大橋祐紀(右反復性肩関節脱臼)も欠場予定。

予想スタメン

画像5

Match Facts

【川崎フロンターレ】

<川崎のMatch Facts①>
・リーグ戦5連勝中。6連勝を達成すれば2009年6月以来。
・7月に首位にいるのは2016年以来のこと。

 6連勝を達成すれば自身のリーグでの連勝記録に並ぶ。直近の6連勝は2009年のこと。当時の6連勝目の相手はモンテディオ山形。今節対戦する湘南と同じく当時15位だったチームである。

 今季はスタートダッシュを決めた川崎だが、優勝したシーズンはどちらも後半まくっての逆転優勝。優勝したシーズンで7月に首位には立っていない。夏場に首位を経験したのは終盤失速した2016年。今季はメンバーを比較的固定して勝ち点を稼いでいるが、これがシーズン終盤にどう効いてくるかは気になるところ。

<川崎のMatch Facts②>
・ホームゲーム3連勝を達成すれば、2018年末以来。
・首位で迎えたホームゲームは8連勝中。

 ホームで3連勝を達成すれば、連覇のラストスパートとなった2018年末以来。この時はホームのリーグ戦6連勝を記録している。また、首位で迎えたホームゲームは8連勝中と絶好調。去年は達成できなかったホーム3連勝を達成できるだろうか?

<川崎のMatch Facts③>
・小林悠は出場した直近18試合の7月のリーグ戦で24得点に絡んでいる(20G4A)
・下田北斗が先発すれば、初のリーグ戦ホーム湘南戦出場になる。

 夏男、小林悠の破壊力はすでにリーグには知れ渡っているだろう。再開後の出場わずか75分で4ゴール1アシスト。途中出場で暴れまわっている。過去の7月のデータも驚異的で直近18試合の7月のリーグ戦で20得点。過去4年間の7月の試合において、得点もアシストも決められなかった試合は2つだけ。固めどりではなく、どの試合でも結果を残すコンスタントさも怖さを助長する。

 今季新加入の山根視来はもちろん、下田北斗が先発を飾れば川崎に所属してのホーム湘南戦は初めてになる。過去に下田が出場した川崎×湘南は6試合で川崎の5勝1分。今回も川崎を勝利に導けるだろうか。

【湘南ベルマーレ】

<湘南のMatch Facts①>
・前節、リーグ戦初勝利。
・リーグ戦連勝になれば2019年8月以来。

 鹿島を下し、ようやく第6節で初勝利を決めた湘南。直近2回の降格ではいずれも第5節まで白星がなかったという嫌なジンクスはあるものの、まずは一安心という所だろう。

 リーグ戦の連勝になれば昨年の8月以来。ちなみにこの時の連勝の1戦目の相手は鹿島アントラーズ。昨年の夏の再現はなるだろうか。

<湘南のMatch Facts②>
・直近8試合のリーグ戦のアウェイゲームで未勝利(D3L5)
・今季のリーグ戦で2回の逆転負け。

 アウェイゲームは苦手で直近8試合で未勝利なのは気がかり。等々力も苦手なスタジアムだが克服はなるか。また、今季はすでに逆転負けを2回喫している。昨年はリーグ戦では年間を通して逆転負けは1回だけだったのですでに前年越え。畳みかけられると脆さもある。

<湘南のMatch Facts③>
・直近の公式戦の3勝はいずれも1-0。
・昨年よりも1試合平均スプリント回数はおよそ30回多い。

 直近の公式戦の勝利は3試合連続で1-0。何とか粘り切る形が必勝パターンになっている。

 普段あまり注目しないのだが、今季のスプリント回数は目についた。1試合平均のスプリント回数は昨年比で30回ほどアップ。昨年は1試合単体で見ても214回より多い試合はなかったが、今季の横浜FM戦ではすでに261回を記録。過密日程にも関わらず、横浜FMのようにハイテンポなチームにはハイテンポで応戦する構えがある証明をしている。

展望

■クロスを上げさせないでしのげるか?

 連戦となった柏戦と鹿島戦は大幅にメンバーを入れ替えた湘南。プレータイム的にも間隔的にも柏戦のメンバーが中心となると考えてよさそうである。基本的な並びは3-5-2。FWに中川が起用されているときは、やや中盤を手助けしたりなどの工夫はあるものの、大きくは配置は動かない。開幕戦の浦和戦ではボール保持の時間を作る意識を感じたものの、ここ最近の試合ではそのボール保持への意識はあまり強くは感じられない。

 ざっくりとしたボール保持のコンセプトは最終ラインから左右に大きく展開することで、相手の陣形の薄いサイドを突破する形。崩しにおけるキーマンは左WBの鈴木冬一。彼の1対1の成功率はそのまま湘南の決定機創出頻度に関与するイメージだ。

画像3

 率直に言えば、崩しの手段はあまり豊富ではない。ただし、クロスが上がりさえすればエリア内には屈強でクロスに合わせるうまさがある石原や、動き出しの鋭さやポジション取りが上手い松田や中川もいる。鈴木冬一は逆サイドからのクロスに対してのフィニッシャーにもなれる素養を横浜FM戦で示している。クロスからの得点がここまで3というのは鹿島に並んでリーグ2位。登里と山根をはじめとして対人でクロスをどう封じ込めるかがカギになりそうだ。

■CBが作り出すテンポがカギになる

 非保持の湘南はいわゆる往年の「湘南スタイル」。サイドにボールを誘導し、スリーセンターのスライドを軸にボール奪取を狙う。高い位置でのボール奪取からカウンターへの移行も彼らが描く得点パターンの1つ。

画像5

 サイドへの密集に対して川崎が狙いたいのは広いスペースを使った攻撃。今季取り組んでいる最終ラインの逆サイドに振るミドルパスはまさに効く相手だと思う。谷口、車屋は取り組んできた成果を目に見せるチャンスともいえそうである。特に攻撃で重要な役割を担う鈴木はやや戻り遅れる場面もある。ボール奪取後の狙い目にするのもいいだろう。

 また、湘南のブロックは縦の楔には脆さを見せるのも特徴。ボールホルダーの近めのプレスはキツいが、後方からどんどん支援が来るわけではなく、一度掻い潜りさえすれば一気に前進できる。川崎は縦パスが一本入ってしまえば、一気にブロック全体を後退させることができる。サイドに引き付けておきつつ逆サイドに展開するパターンと、縦につける楔から一気にスピードアップするパターンのどちらも効くはず。したがって、川崎にとっては攻撃のルートを決めるCBの配球で湘南の空いたスペースを刺せるかが大事なポイントになる。

 避けたいのは仙台戦の前半のような展開。運動量でいえば仙台を上回る湘南相手にフリーズしてしまうことだけは避けたいところ。単純な走りの量では歯が立たないだろう。試合のテンポを決める組み立ての部分で、湘南に走り負ける展開ではなく湘南を走らせる展開に持ち込みたいところだ。

参考
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
SANSPO.COM(https://www.sanspo.com/)

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