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「Catch up UEFA Nations League」~UEFA Nations League Group A3 第6節 イングランド×ドイツ~ 2022.9.26

■サカとマウントの投入がイングランド反撃の合図

 欧州列強の試合は彼らの現状を知りたくて見ているだけなので、ネーションズリーグのレギュレーションは正直よくわかっていない。が、どうやら今回の2チームは共にすでに決勝リーグ進出への望みは絶たれているらしく、このコンペティションに限った意味では消化試合的な扱いになった。とはいえ、ワールドカップにはもうほとんど準備期間はない。有意義な試合にしたいところである。

 ドイツは前節チェックした4バックを継続して採用。イングランドは今節も5-2-3-である。落ち着いて保持が出来たのはアウェイのドイツ。イングランドは3トップが前から追い回す傾向が強い割にはWBの出足が悪かった。そのため、2CHの脇には広大なスペースが。ここにトップ下のムシアラなどが下がりながら受けることで前進することが出来ていた。

ドイツはそれを意識してかイングランドのシャドーの対面になるようにCBが広い位置を取る。きっちり相手を引き寄せてから攻略を開始していた。

 イングランドの保持はドイツほど狙いが明確ではなかったといえるだろう。プレスをかけるタイミングを狙っていた感のあるドイツにはなかなかこれといった回答案を突きつけることができず。

チャンスを作りにはスターリングの個人技に拠るところが多く、カウンターもドイツほどスムーズではない。ちなみにボールを持たされたマグワイアが攻めあがって試行錯誤している様子はスールシャール時代のユナイテッドを思わせるものだった。

 スコアレスで迎えた後半はよく展開が動く試合となった。前半の終盤はインサイドへの楔を強調して行っていったドイツは前線にヴェルナーを投入。裏への意識を高める形で反撃を狙う。

 後半に躍動したのはサイドに流れたムシアラ。独力で相手を剥がすドリブルと受けるスキルの高さでイングランドを徐々に脅かしていく。決定的な働きとなったのはプレッシングだ。マグワイアのパスをひっかけてショートカウンターを発動すると、この対応でマグワイアがPKを献上。ギュンドアンがゴールを決めて先制する。

 マグワイアは続く失点シーンでも高い位置からのパスミスからカウンターの起点に。ハフェルツのミドルまで至った経緯においても問題点がなかったわけではないので、彼1人の責任ではないだろうが、印象はあまりにも悪い。

 暗雲立ち込めるムードを変えたのはマウントとサカという2人の交代選手。この試合のイングランドは両WBが上がる時間を作ることが出来たタイミングが一番いい攻撃ができるのだが、タメが効くサカの登場で同サイドのジェームズがさらに持ち味を引き出されることに。

 さらにサカは横方向のドリブルを織り交ぜることでドイツの意識を外に向けることにも成功。これによって発生したギャップにマウントが入り込む形で相乗効果を産んでいた。

 1点目はサカによってフリーになったジェームズのクロスをショーが押し込む形。さらにサカは右サイドからのカットインでマウントにスペースを捻出。受けたマウントは素晴らしいスーパーミドルを披露し、共に途中交代で入った意義を見せつけた。ドイツは左サイドのゴセンスとニャブリのユニットが後手に回り続けて、破壊されてしまったのが痛かった。

 その後、シュロッターベックがPK献上してしまったドイツがイングランドに逆転を許してしまう。ケインは本当にPKがうまい。

 逆転を許したドイツだが、終盤に左サイドの2人が面目躍如のプレー。ゴセンスからミュラーにつなぎ、ニャブリがエリアに入り込みミドルを打つと。ポープがボールを止めきれずにこぼしてしまい、これを押し込まれてしまう。難しい対応ではあったが、ストッパーとして存在感を見せるタイプなだけに何とかしたかったところだ。

 なんとか追いつき面目躍如したドイツは一安心。とはいえ、後半の立て続けの失点はいただけない。ミスで失点を重ねたイングランドも似た反省が浮かぶ。共に本大会に向けて課題抽出が進んだ試合だったといえるだろう。

試合結果
2022.9.26
UEFAネーションズリーグ
グループA3 第6節
イングランド 3-3 ドイツ
ウェンブリー・スタジアム
【得点者】
ENG:71’ ショウ, 75‘ サカ, 82’(PK) ケイン
GEN:52‘(PK) ギュンドアン, 67’ 87‘ ハフェルツ
主審:ダニー・マッケリー

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