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「FIFA World Cup 2026 チーム別まとめ」~スウェーデン代表編~

目次

第1節 チュニジア戦

隙を見せたチュニジアを叩きのめすスウェーデン

 オランダが勝ちを逃し、混戦模様に拍車がかかりそうなグループF。勝ち点3を取れば頭1つ抜けることができるというのが初陣を迎える両チームの状況である。

 パリ式のキックオフでスタートしたチュニジア。ハイプレスに出ていきたいのかな?と思いきや、基本的には5-3-2でブロックを組む形に終始。スウェーデンの3バックにはプレッシャーがかからない状態が続く。

 3バックが落ち着いてボールを持つことができるスウェーデン。前進の軸になるのは前線の2トップであるイサクとギョケレシュ。スペースに流れることができてDFの背後に顔を出すイサクとポストからチャンスを探るギョケレシュという2つのターゲットから一気に前に進んでいく。

 先制点も彼らを生かした前進から。抜け出したイサクへの対応でバタバタしたところをアヤリのミドルで撃ち抜くことに成功。6分で先制ゴールを決める。

 チュニジアはボールを奪ったらすぐさま縦パスから一気に前に出ていく格好。マイボールにするといきなり縦に進むことで一気に進んでいく。

 失点したことで時折プレスのスイッチを入れていくように。トップが追い込む形を作ると中盤とバックラインが連動して前から追っていく。

 ハイドレーションタイム以降は構えるスウェーデンを相手に少しずつ押し込む機会を作っていくチュニジア。左サイドに落ちるハンニバルから攻撃のルートを探っていく。

 しかし、敵陣PA付近でチュニジアの攻撃をカットしたスウェーデンは一気に反撃。カウンターからイサクとギョケレシュの2人で攻撃を完結。イサクの間合いを外すようなシュートにGKのシャマフは準備することができず、スウェーデンはリードを広げることとなった。

 ゆったりとボールを持ちながら、相手をいなしていくスウェーデンに対して、チュニジアは無理をしなければいけない状態が続く。スウェーデンの優位は動かないままではあったが、チュニジアはセットプレーからレキクが1つ返し、後半に望みを繋いでハーフタイムを迎える。

 後半、チュニジアは5-4-1に布陣を修正。前にプレスに出ていく際にスウェーデンの3バックに枚数を合わせやすくする。

 しかしながら、プレスに来たら来たで細かいことをすっ飛ばしてイサクとギョケレシュに蹴っ飛ばしていくというのがこの試合におけるスウェーデンのプラン。なかなかプレスがかからず、ペースを取り戻すことができない。

 さらにはビルドアップのミスから決定的な3失点目を献上。イサクとギョケレシュのショートカウンターから追加点を奪ってリードを広げる。

 このゴールによって、試合の大勢は決着。チュニジアはペースを引き戻すことができないまま残りの時間を過ごすことに。交代で入ったスバンベリのファーストプレーが4点目を取ると、オープニングゴールを飾ったアヤリがゴールショーの締めくくりを担当。大量5得点のスウェーデンが開幕節を勝利で飾った。

ひとこと

 自陣での致命的なビルドアップミスが2つ。チュニジアにとっては重たい敗戦となった。

試合結果

2026.6.14
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループF 第1節
スウェーデン 5-1 チュニジア
エスタディオBBVA
【得点者】
SWE:7′ 90+6′ アヤリ, 30′ イサク, 59′ ギョケレシュ, 84′ スヴァンベリ
TUN:43′ レキク
主審:ヤエル・ファルコン・ペレス

第2節 オランダ戦

インサイドに起点を生んだオランダが5得点の大暴れ

 序盤から試合を支配したのはオランダ。立ち上がりのダンフリースへのロングボールからスタートする形でスウェーデンのプレスを牽制すると、前がかりにきたスウェーデンの入りをひっくり返す形で先制。ブロビーのポストから左サイドのラインダースに繋がると、そこから背後を取っていくガクポからゴールを完結。起点となったブロビーがそのまま終点を務める。

 対するスウェーデンもロングボールから前進の機会を窺うスタート。しかしながら、チュニジア戦と異なり簡単にギョケレシュ一発では前進することができない。ロスト後もオランダは即時奪回を仕掛けてポゼッションを回復。ギョケレシュにカウンターの機会を与えないまま封殺する。

 スウェーデンにとって誤算だったのは5-4-1気味に守るブロック守備がほとんど機能しなかったことだろう。先制したことで余計に縦パスを差し込むトライを行っていくようになったオランダに対して、スウェーデンは完全に後手に。この日は右のSHでのスタメンとなったマレンはサマーフィルと比べると、こうしたファジーなポジションを取るのが上手。縦パスをレシーブしたところから、右の大外のダンフリースにボールを振ってブロビーがゴールを決める。この縦にパスを差し込む意識がオランダの主導権をキープするきっかけになった感じがした。

 しかし、スウェーデンは少しずつカウンターを打てるように。ファン・ヘッケのキャリーなどオランダは少しずつ隙を見せていく。スウェーデンがボールを持つ局面においてもオランダが日本戦で見せたデ・ヨングの5バック埋めを活用。中盤にギャップができたところにイサクが顔を出すことでチャンスを作る。

 ミドルゾーンでの攻防が激しい状況。2点のビハインドとなったスウェーデンは4-4-2気味にシフトする。フォーメーション変更を仕掛けた理由は難しいところだけども、5バックでも降りる選手に迎撃できないのであれば、4-4-2のような形でサイドの迎撃と前線のカウンター枚数の確保を両立させたかったのではないか。

 4-4-2にシフトした後もオランダの縦にギャップを作る関係性に苦戦はさせられたスウェーデン。サイドではガクポの縦の突破が健在でこちらも対策してもなお苦しい状態だ。

 スウェーデンはラガービエルケのFKでネットを揺らすがオフサイド。ギョケレシュのFKも含めてセットプレーから惜しいシーンを作り出す。

 後半も試合の主導権はオランダ。4-4-2でブロックを組むスウェーデンに対して、ギャップにボールを差し込んでいく。狙い目となったのはオランダから見て右のハーフスペース。非保持においては左のSHに入るケースもあったイサクとアヤリの間に選手を入れ込んで、縦パスを差していく。

 このギャップから再びサイドの裏を狙い撃つことができるオランダ。前半に何回も見た形から一気に背後を取ってガクポがゴールを決める。ハーフタイムに交代で入ったサマーフィルも起点に。スムーズに試合に入ることができた。

 さらにガクポのカットインからオランダは追加点。サイドで自由にこの人にやらせてしまうと、なかなかめんどくさいところがある。

 エランガを投入し、4-4-2からさらにサイドのスピードを強化することでギアアップするスウェーデン。1点は返したものの、総じて4-4-2のラインはガタガタ。特に中盤の前後に大きなギャップが空いてしまい、このスペースを狙ってくるオランダのアタッカー陣を捕まえられず。延々とスピードアップを繰り返されることに。

 試合はオランダの勝利。最後はサマーフィルの2試合連続ゴールで大量得点を締めくくることに成功。勝ち点3と大きな得失点差を確保した。

ひとこと

 スウェーデン、ベースとなるブロック守備で歯が立たないのであれば、なかなか厳しいものがある。

試合結果

2026.6.20
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループF 第2節
オランダ 5-1 スウェーデン
ヒューストン・スタジアム
【得点者】
NED:5′ 17′ ブロビー, 47′ 54′ ガクポ, 89′ サマーフィル
SWE:59′ エランガ
主審:マイケル・オリバー

第3節 日本戦

Round 32 フランス戦

一蹴されたグループF最後の砦

 前日にはオランダと日本が敗れてしまい、グループFの生き残りはスウェーデンただ一つ。よりによってと言いたくなるフランスとの一戦に生き残りをかけることとなる。

 スウェーデンの非保持は4-4-2で構える形。基本的には相手の陣形との噛み合わせのズレを少なくできる方でフォーメーションを組みたいのだろう。

 ポゼッションの主導権を握るのはフランス。インサイドのブロックにいきなりというわけにはいかないので、左右のサイドから突っついていくスタート。まずはデンベレとの1on1から打開策を探っていくというのはノルウェー戦と近しいスタンスだったかもしれない。

 自陣に押し下げられる機会が多かったスウェーデンはカウンターから勝負。ギョケレシュのポストからイサクまでというのはここまでのスウェーデンを見ていればまさしく「本命」と言いたくなるルート。アーセナルファンとしては真っ向からサリバとギョケレシュがぶつかっていれば、サリバが有利かなと思っていたのだけども、この日のギョケレシュはそれなりに収まっていた。

 ただし、それでも最終的にはなんとかしてしまうのがフランス。ウパメカノはかなり動けているし、やや本調子ではないとはいえ、サリバも最後には間に合わせてくる。カウンターで簡単に貫ける相手ではない。やや守りが不安なフランスの左サイド側を破られることもなくはなかったが、ボックス内でフランスの対応が間に合わなかったシーンはなかった。

 腰を据えて攻撃をすることができるフランスはサイドから延々と攻撃。ファーサイドに抜くように上げる山なりのクロスとポケ凸のコンボからスウェーデンのDF陣を攻め立てていく。空中戦の対応を中心にスウェーデンのDF陣はさすがという場面が続いていたのだけども、時間の経過とともに決定機を量産。各主要選手に1回ずつ決定機があったといって差し支えない程度にはスウェーデン陣内を自由に侵略していく。

 相手の決定機ミスとクロスバーにも救われながら0を続けたスウェーデンが決壊したのは前半追加タイム。エンバペの狙い済ましたコースのシュートが決まり、あっさりと先制点を決める。

 こうなるとスウェーデンは辛いところ。当然守備で前から出ていくというアクションが必要になるのだけども、それが嫌だからきっちりとブロックを組んでスペースを消すプランを選択したのだろう。自分たちの苦手分野であり、相手の得意分野で勝負をしなければいけない後半となる。

 フランスは7分で追加点を確保。プレミア時代には見られなかった柔らかいラストパスでバルコラの追加点をアシスト。これで試合自体の行方は決まった感があった。

 あとは相手次第でフランスは対応をすればいいだけ。出てくればスペースを突くようなカウンターを打てばいいし、出てこないなら時間を進めればいい。ラインの駆け引きから隙を見つけたエンバペは3点目を仕留め、スウェーデンの心を折っていく。

 ギョケレシュは最後まで前線のターゲットではあり続けたが、フランスのCBに風穴を開けることはできず。試合はフランスが完勝でR-16に進むこととなった。

ひとこと

 強豪が苦戦する流れも自分たちには関係ないよと言いたげなフランスだった。

試合結果

2026.6.30
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 32
フランス 3-0 スウェーデン
ニュージャージー・スタジアム
【得点者】
FRA:45′ 74′ エンバペ,53′ バルコラ
主審:ダニー・マッケリー

総括

全てを決めた前線の機能性

 絶不調だったW杯予選をプレーオフでの救済措置でリカバリーに成功したスウェーデン。本大会で中心となったのはやはり2トップが中心となるカウンターだろう。それぞれアーセナルとリバプールで活躍する2人のエースを並び立てる形が攻撃の中心。

 特に好調だったのはシーズンを完走できたギョケレシュの方か。パワーが溢れるキープでイサクの加速を誘発。前進の手段を一手に引き受けた感があった。

 相手次第では外のレーンで加速するエランガも活用。爆発的な加速力はスウェーデンの第三の矢として前進に寄与する。日本戦ではスピードだけでなく、テクニカルなゴールを見せつける。逆足から巻くゴールというのは普段のリーグ戦とは少し異なる一面だった。

 チュニジア戦で輝いたアヤリも忘れたくないところ。ゴールショーの最初と最後を飾る2得点で大量得点を牽引。バイタル付近からのミドルシュートはエランガとは異なりリーグ戦でも見慣れた光景でもある。

 攻撃における課題は限られた前進手段だろう。押し込むことができれば多くの手段から得点を探ることができたのだが、その押し込むためのきっかけはほぼ2トップへのロングボールに限定。後方からボールを動かしながらチャンスを探ることができず、相手のCBにCFが押さえ込まれてしまったらどうにもならない。フランス戦はこの点で歯が立たなかったため一方的な展開に持ち込まれてしまった感がある。

 守備面でも従来のような堅さを見せることができなかった。さすがに単なる高いボールであれば問題なく跳ね返すことはできていたけども、横のドリブルなどアジリティをベースとした攻め筋に対してフリーズしてしまってカラーコーンになってしまうような場面もあった。

 イケイケの流れになればチュニジア戦のようにハイプレスからチャンスを作ることもできる一方で、前線の力関係のロジックで解決できない問題になると完全に手詰まりになるという二面性を見せたのが今大会のスウェーデン。対応する局面を増やしつつ、2トップを軸とした攻撃にさらに磨きをかけていきたいところだろう。

Pick up player:ヴィクトル・ギョケレシュ
 ギョケレシュと谷口のマッチアップ、見れて幸せだったよ。

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