第1節 ウズベキスタン戦

馬力勝負で初出場に立ちはだかったコロンビア
第1節の最後の登場となったのは初出場のウズベキスタン。常連組の南米のコロンビアとの対戦でいよいよ1週目が終わることとなる。
まずはボールを持つのはコロンビア。アンカーの位置にレルマが入り、プエルタがやや高めの右に流れる形で少し前での攻撃に関与していく。幅取り役は右はムニョス、左はディアス。SBのモヒカはインサイドのレーンに入っていくことも多かった。
基本的にはインサイドのレーンに差し込むことで攻撃を成立させたいコロンビア。ウズベキスタンの中盤の守備が生み出すギャップに合わせて、細かく上下動することでコロンビアはフリーの選手を作り出すことに成功。ウズベキスタンは相手を捕まえきれない状況となり、後手に回ってしまう。
ウズベキスタンはロングボールフォーカスの展開。ファイズラエフの粘りからモヒカに警告を出させるシーンもあったが、基本的にはなかなか前進に苦しむ格好。そもそも長いボールが届かないケースもあり、カジュアルに前線にきっかけを作るのはハードな状況だった。
優勢だったコロンビアはディアスの位置を自由化する形に調整。幅取り役をモヒカに任せてインサイドに配置することで活性化を狙っていく。
ハイドレーションブレイク以降もコロンビアの保持のペースは同じ。出し手としても機能するディアスからのチャンスメイクで少しずつ切り崩していく。一方的に押し込んでいくコロンビアはそのまま先制。ナローなスペースの崩しに成功したところから一気にゴールまでたどり着くことに成功。ハーフタイム前にリードを奪う。
後半、盛り返しを見せたのはウズベキスタン。コロンビアがプレスに出てこないことをいいことに徐々にポゼッションの割合を増加。ただし、ボールを持ったところからどうやって崩そうか?というのを整理しながら進んでいくという感じ。
ボールを持ちながらも手ごたえがある状況がなかなか見つからなかったウズベキスタンだったが、60分にゴールまでいきなりプレーがつながる。シュクロフ起点のインサイドへのつなぎから抜け出したハムダモフの折り返しを豪快にショムドロフが叩く。このゴールは直接ゴールに入らなかったものの、最後はファイズラエフが押し込んで同点に追いつく。
しかし、コロンビアはすぐに反撃に成功。降りるショムドロフを咎めたところから発動したカウンターをディアスが仕留め、わずか5分で再びリードを奪うことに。
終盤はカウンターベースでコロンビアが主導権を握る展開に。オープンな展開ではさすがに分がある格好だった。
ウズベキスタンにもチャンスが単発で訪れるシーンはあったが、最終盤に試合を決定づけるゴールを決めたのはコロンビア。3点目をカンパスが決めて試合は完全に決着。コロンビアがウズベキスタンを下して3ポイントのスタートを切った。
ひとこと
ウズベキスタン、保持を担える時間から実効性を出せるまでに時間がかかってしまったのがもったいなかった。
試合結果
2026.6.17
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループK 第1節
ウズベキスタン 1-3 コロンビア
メキシコシティ・スタジアム
【得点者】
UZB:60′ ファイズラエフ
COL:41′ 65′ ディアス, 90+9′ カンパス
主審:アンソニー・テイラー
第2節 DRコンゴ戦

ムニョスの連続得点でコロンビアがGS突破
第1節ではポルトガル相手に歴史的な勝利を飾ったDRコンゴ。コロンビア相手に勝ち点を取れればノックアウトラウンド進出も見えてくる。自信を持ってこの試合に臨むことになるだろう。
試合は縦に速いオープンなスタート。展開が落ち着くと、ボールを持つのはコロンビア。DRコンゴの5-3-2のフォーメーションの泣きどころであるSBのところを安全地帯としてボールを前に進めていく。
立ち上がりは前からのプレスにいきたい姿勢が見えたDRコンゴだったが、ルイス・ディアスが外に張るポジションを取られてしまうと、ワン=ビサカが前にスライドしていくのは厳しい。この仕組みを活用してコロンビアは後方のモヒカからボールを前に進めていく。
左サイドから進んでいったコロンビアは左サイドの組み立てからムニョスで仕上げるという形から少しずつチャンスを作っていく。ハメスのミドル、ディアスのカットインなどコロンビアの攻撃はわかりやすいタレントを活かすシンプルなものに終始した感があった。
逆に言えば、もう一手敵陣から詰めていく作業が足りなかったコロンビア。ボックス付近への侵入はアタッカーの単騎性能次第という場面が続き、なかなか相手を追い込むようなパスワークを仕掛けられない。
DRコンゴも精度という意味では難がある展開。横パスのインターセプトから敵陣に入っていく場面もなくはなかったが、ミドルゾーンでの加速から敵陣に入っていくことが不安定。仮にそこがうまくいってもマスアクのクロスなど最後の局面も雑になってしまう。
前半の立ち上がりはコロンビアが一方的に押し込む形が続き、ハイドレーションブレイクが明けたくらいからは展開は五分五分。中央でのプレーの機会が増えるが、なかなかチャンスは増えない状況は同じ。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半はDRコンゴがハイプレスからのスタート。前半は引いて受ける機会も多かったワン=ビサカはインターセプトからカウンターの起点に。ただし、敵陣に入っていくフェーズの不安定感は前半と同じでコロンビアのゴールを脅かすところまでは至らない。
試合が落ち着くと再び押し込んだのはコロンビア。ワン=ビサカにパスルートを狙われていたこともあり、ディアスが内側に入る動きに合わせて外のモヒカがフリーになるアクションから前進していく。セットプレーからディアスとアリアスが立て続けに迎えた決定機は久しぶりのチャンスだったが、これはムパシがカットする。
終盤に試合を決めたのは選手交代。ハメスに代わってトップ下に入ったキンテーロからコロンビアは先制点をゲット。コルドバを囮に縦パスを受けたムニョスが2試合連続のゴールをゲット。終盤にリードを奪う。
DRコンゴは以降ポゼッションから押し込んでいくが、展開的にはコロンビアの方が得点の可能性が濃い流れ。カウンターからディアスがネットを揺らす場面はあったが、ファウルやオフサイドで取り消されるシーンが続く。
それでも逃げ切りに成功したコロンビア。2連勝で1試合を残してのグループステージ突破を決めた。
ひとこと
ムニョス、2試合連続得点。パレスの序盤戦を思い出す。
試合結果
2026.6.23
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループK 第2節
コロンビア 1-0 DRコンゴ
グアダラハラ・スタジアム
【得点者】
COL:76′ ムニョス
主審:マウリシオ・マリアーニ
第3節 ポルトガル戦

スコアレスな撃ち合い
ともにグループステージの通過は決定済み。対戦相手も仮に2位になっても他のグループの首位と当たるわけではない組分けになっているため、非常にかかっているものとして少ない第3節となった。
お互いに4-4-2で構える形だが、ひとまず深追いを見せるポルトガル。間延びすることはお構いなし!というような中盤に膨大なスペースができる自由なプレッシングからコロンビアのバックラインにプレスをかける。
コロンビアは非常に冷静に対応。GKを生かして圧力を逃しつつディアスやコルドバに向けたロングボールから陣地回復を狙う。
コロンビアの非保持もポルトガルほどではないが中盤の陣形が間延びする形。間延びする相手のブロックの中で保持側がどういう振る舞いを見せるか?が論点になりそうな試合だった。
コロンビアはIHの2人、特にアリアスのキャリーで網目の粗いポルトガルの中盤を突き進んでいく攻撃を披露。サイドの深い位置までたどり着いた後はマイナスのパスからのミドルで豪快に攻撃を締めくくる。
一方のポルトガルは2トップ脇に立つヴィチーニャから対角パスでピッチを広く使うポゼッション。広く取ったところからダイレクトに速いクロスを入れることで早々にボックス内で勝負を仕掛けていく。
だらっと交互にチャンスがある展開だったが、徐々に試合はコロンビアのポゼッションとポルトガルのカウンターという構図に変化。縦への速さに違いが出る形にシフトしていく。
両者の共通点と言えるのはともにシュートの精度が足りなかったことだろう。非常に力強く、シューターがオープンになる局面でシュートを打つことができているのだけども、とにかく枠にボールが飛ばない。GKのセーブに遭う場面もあったが、それ以上にシュートがゴールマウスに向かっていかないシーンがとにかく目につく試合だった。
ポルトガルは後半の頭から2枚交代を敢行。ルベン・ネベスからジョアン・ネベスにスイッチしたことで中盤セントラルのポゼッションは安定。少しずつインサイドにギャップを作るようなパスワークを増やしていく。
もう1枚の交代カードであるセメドは対面のルイス・ディアス対策かもしれない。非保持時には同サイドのSHであるネトが下がって5バック気味に受けるシーンもあるなど、非保持を重要視するようなスタートとなった。
後半のコロンビアは少しずつ縦に速い攻撃を揺さぶりで入れるようなスタート。ポルトガルのハイプレスに対して、少し蹴らされるようなシーンもあったが、最終的には後ろに深さを使うポゼッションから試合を落ち着かせることができていた。
しかしながら、後半もシュートが枠に飛ばない現象は健在。どちらかと言えば、カウンターベースでシャープなシーンがポルトガルの方には増えたようには見えたけども、それでも攻撃の最後の精度の部分はあまり改善されなかった。
時間経過とともに主力のプレータイム管理を重視するコロンビアに対して、ポルトガルはレオンを投入してのサイドアタック強化など純粋に交代策がパワーアップにつながっていた印象。終盤は際どいシーンを作り出すが、結局ネットは揺れないまま。試合はスコアレスのまま幕を閉じた。
ひとこと
こんなに間延びした守備ブロック同士の撃ち合いがスコアレスに終わるのは意外だった。
試合結果
2026.6.27
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループK 第3節
コロンビア 0-0 ポルトガル
マイアミ・スタジアム
主審:アリレザ・ファガニ
Round 32 ガーナ戦

危なげない最小得点差決着
R-32の最後を飾るのはコロンビアとガーナの一戦。躍進が伝えられたアフリカ勢だが、ここまで勝ち上がったのはモロッコとエジプトのみ。ガーナは3つ目になれるか?という点でも注目が集まる。
序盤からボールを持つのはコロンビア。ガーナは中盤に構えながら、コロンビアのバックラインにはボールを持たせてOKというスタンスだ。
ゆったりしたポゼッションの中でプエルタが列落ちすることで後方のプレスを引き寄せて、ガーナを揺さぶっていく。あまりガーナが動かないということを悟ったコロンビアはまずはサイドからつっつく形。左サイドのディアスから探っていく。
一方でガーナは縦に速いプレーを一貫して選択。ポゼッションのコロンビア、カウンターのガーナという座組が決まりそうで決まらなかったのは序盤から負傷者で試合がバタバタしていたことにも起因するだろう。両チームとも15分までに1回ずつ負傷者での交代を行うなど、どこか落ち着かない展開だったことは確かだ。
その落ち着かない流れの中で先制したのはコロンビア。右サイドに流れたのは交代で入ったスアレス。ガーナの全体を右サイドに引き寄せるとディアスの外側からボックスに飛び込んだアリアスが先制ゴールを決める。
このディアスを使った引力は先制点以降も有効。セイドゥをディアスが引っ張ることで外に回るモヒカを捕まえる役がガーナにはいなくなってしまう。ディアスはマークがついていても反転から推進力を出せるため、ガーナからすると簡単に捨てられないのは難しいところであった。
非保持以上にガーナにとって悩ましかったのは保持の局面だろう。縦に速くというコンセプトを実行したいことはなんとなくロングボール偏重というスタンスから読み取れるのだけども、どこで勝算を持っているのか?というところが非常にわかりにくかった。
配球役としては一段上の存在であるトーマスがそもそも浮かない。かつ、浮いたところでどこに届ければいいのか?というところの迷いがガーナには明らかにあった。
大外からWGの突破力を活用するというパターンがシンプルながらも一番ダメージを与えられるかな?と思ったのだが、そうした場面はコロンビアのIHが外にスライドすることで圧縮。ダブルチームで呼吸する隙を与えなかった。
後半も試合のテンポは変わらず。静的な展開の中でもSBのオーバーラップを効果的に使っているコロンビアの方がゴールに向かう力がある状況。セメンヨに対しても早めにリオスをIHに投入することで潰しの機能を増やしていく。
カウンターでは右サイドから縦に進む形で決定機を数回作り出した点も評価することができる。そのうちの1回がパスの出しどころに困ったトーマスを潰したところからというのもこの試合のガーナの迷いを象徴するストーリーである。
最小得点差ながら終盤にかけてゴールに迫ったのはリードしているコロンビア。ガーナは反撃のきっかけを掴めないままフルタイムのホイッスルを聴くこととなってしまった。
ひとこと
1点差でこの大舞台という状況でも危なげない試合だったなというのはフルタイムの後の両チームのリアクションを見ても明らかだった。
試合結果
2026.7.3
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 32
コロンビア 1-0 ガーナ
カンザスシティ・スタジアム
【得点者】
COL:14′ アリアス
主審:クレマン・トゥルパン
