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「FIFA World Cup 2026 チーム別まとめ」~イラン代表編~

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第1節 ニュージーランド戦

スリリングでスペクタクルなドロー決着

 イランの開幕戦はニュージーランド。本大会での初勝利がほしいオセアニアの島国が7回目の出場となるイランに胸を借りるという構図の試合だった。

 序盤から高い強度が目立っていた試合。特にポジトラへの意識の高さが見られていたのはイランの方。奪ったら縦に速くということをとにかく徹底しており、フリーランで飛び出す選手が非常に多い。まずは最速を目指しつつ、右SBのレザイアンのオーバーラップが間に合えば、そこからのクロスで追撃する形を見せる。

 一方のニュージーランドは相対的に見れば後方に人をかけるイメージ。陣形は後ろに重きを置きつつ手数をかけていく。その先の7分のゴールにつながったウッドへのロングボールからのポストからの前進はむしろ、それまでのニュージーランドと比較すると異質な感じ。

 ただ、そのあとの流れを見ればむしろこっちの攻め筋の方が本命である可能性。ウッドとつながったシンとジャストのコンビネーションから一気にゴールを陥れて先制する。

 イランは取り返したいがためにプレスに出ていこうとすると、逆にウッドがポストから落ち着いて試合を運ぶことができるパターン。ライン間の間延びを前線で手早く調理するというのがニュージーランドの攻撃の方向性として確立された印象となった。

 逆にニュージーランドは先制したこともありプレスは自重。ただ、前線のタレミとモガンロウを捕まえられていたかは別の話であり、彼ら2人がDFを翻弄するところからイランも十分に攻め筋を感じることができる展開となった。

 押し込む展開の中でゴールをもぎ取ることに成功したのはイラン。右サイドからポストを軸に展開した攻撃に合わせる形で右サイドから抜け出すことに成功したレザイアン。見事なゴールから試合を振り出しに戻す。

 同点になったところからタイスコアでのオープンな展開での応酬となったこの試合。その中でやや早い展開の手ごたえがあったのはイランの方。FKからオフサイドながらもネマティがネットを揺らすなど、相手のゴールを脅かすことができていた。

 後半は強度が高い入りながらも、イランはやや慎重な入り。4-2-3-1とトップの位置関係を縦にすることである程度ニュージーランドの保持を許容する形に。しかしながら、交代で前線を入れ替えたタイミングからイランはプレスから息を吹き返すことに成功する。

 しかし、縦に速い展開を生かしたのはニュージーランドの方。カカーチェからのトランジッション発動で敵陣に一気に迫っていくと、再びウッド、シン、ジャストの3人で見事なカウンターを仕留めて再び前に出る。

 だが、イランもすぐに反撃。ゴドス、レザイアンの2人が長いレンジのパスを正確に通して2つ目のゴールをゲット。またも追いつくことに成功する。

 終盤までプレスの応酬となり、ゴール前の展開が多くなったスリリングな展開となった両チーム。しかしながら、勝ち点3を決定づけるゴールは結局生み出されず。試合はともに勝ち点1を分け合う結果となった。

ひとこと

 非常にスリリングで見ごたえがある展開だった。

試合結果

2026.6.15
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループG 第1節
イラン 2-2 ニュージーランド
ロサンゼルス・スタジアム
【得点者】
IRN:32′ レザイーアン, 64′ モヘビ
NZL:7′ 55′ ジャスト
主審:セサル・ラモス

第2節 ベルギー戦

決め手不足のスコアレスドロー

 エジプト相手にドロー発進となったベルギー。幸い、このカードはドロー決着祭り中なのでここをものにすれば出遅れをリカバリーすることができる。イラン戦は大事な位置付けの試合となる。

 序盤からボールを持つのはベルギー。イランは5-4-1がベース。マイナスのパスに対して、ぐいっとラインを上げるようなアクションを見せるが、CBまでは深追いはしないスタンス。メシェレとヌゴイの2人は安全地帯として活用することはできる。

 インサイドでは強引にルカクでラインを下げさせる手段もなくはなかったが、基本的には左サイドからの進撃がこの日のメイン。トロサールの縦突破は5枚を並べているイランに対しては悪くはない当て方だったように思う。

 イランはボールを持つ側に回ると、GKを基準にCBが大きく左右に開く形でショートパスからの前進を示唆。即時奪回のところを除けば、ベルギーは前から追っていくようなタイプのチームではない分、プレッシャーは限定的。

 ロングボールから一発で抜け出す形を含めて、イランが前進に困っている様子はなし。ベルギーを押し返す場面もあった。その機会からイランはネットを揺らすがオフサイド。壁の間を割るトリックプレーは僅かに飛び出しが早い分、スコアにはつながらなかった。

 ベルギーは以降も押し込む展開を中心とするが、なかなか変化をつけるアタッキングサードの動きが出てこない。トロサールのインサイドを噛ませるワンツーはキレ自体は悪くはない一方で、イランのミドルシュートのブロックが間に合っている。縦への揺さぶりが少し足りていないようにも思う。

 そこを補うアクションとしてみられたのはデ・クーパーのバックドア。オフザボールのアクセントの付け方としては面白かった。だが、総じてパスの出し手であるデ・ブライネへのハードなタックルでイランはベルギーにスムーズな起点を許さず。代わりに手に入るセットプレーでも怖さを見せることができないまま、無得点でハーフタイムを迎える。

 後半もジリジリとした展開は同じ。どちらかといえば元気なのはイランの方で、右サイドに交代で入ったジャハンバクシュを絡めた攻撃でボックスに入っていく。

 決め手がないままのポゼッションをしつつ、どこかでギアアップを狙っていきたいベルギー。しかし、そんなベルギーにアクシデントが発生。ヌゴイのDOGSOで残り時間を数的不利で迎えることに。

 このプレーから試合はイランがボールを持つ展開に転換。イランは無理にギアを上げるのではなく、引き分けでもやむなしというように試合を寝かせていく。ベルギーの前線にはプレスでこの展開を叩き起こすのもなかなか難しいという様子だった。

 終盤のデ・ブライネ→フェルナンデス=バルドの交代から残りの時間はオープンな展開に。直線的な前進手段を手にしたベルギーだけではなく、イランも恩恵を受けてスピーディーに前に進んでいく。

 しかし、どちらのチームも得点には至れず。試合は0-0。グループFはいまだに3ポイントを手にしたチームがいない4すくみ状態である。

ひとこと

 ベルギー、何が強みがわかりにくいチーム。

試合結果

2026.6.21
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループG 第2節
ベルギー 0-0 イラン
ロサンゼルス・スタジアム
主審:ダリオ・エレーラ

第3節 エジプト戦

突破を決めきれなかったイラン

 引き分けが多く、ここまで抜け出すチームが存在していないグループG。エジプトはなんとか試合前に突破が決まったが、順位も含めて最後まで混戦模様という形になっている。イランは勝利しなければあとに控えるチームに祈る格好になる可能性も出てくる。

 序盤からアグレッシブな組み方となったこの試合。時間の経過と共に少しずつ保持で時間を使っていくのがエジプト。イランは5-4-1で自陣側にブロックを組むようにラインを下げていく。

 イランの中盤のブロックは両シャドーとWBが連動しながら重心を上げる隙を探っていく形。エジプトはやり直しを繰り返しながら、敵陣に入っていく動線探しをしていく。

 先制点のきっかけになったのは2トップの縦関係。ライン間のギャップを作るアクションからパス交換を繰り返し、最後はサベルがゴールを仕留める。

 ゴールを合図にイランのプレスはギアアップ。列を上げて捕まえにいくアクションを増やしていく。その甲斐があって敵陣でのプレーが増えたイランはPKを獲得。だが、アブデルモネムが与えたPKはタレミが仕留められず。イランは同点のチャンスを逃してしまう。

 しかし、すぐにそのミスを拭うことに成功したイラン。左サイドを破ったモハマディから最後はレザイーアンが仕留めて試合は振り出しに戻ることに。

 個々人のアタッカーの切れ味では優位に立っていたのはエジプトの方だろう。軽いターンが軸の動きはやりすぎて時にはファウルになってしまうほどだった。

 同点にしたところで再び列を下げるイラン。エジプトはポゼッションを軸に攻めていくが、なかなか展開を動かすことが出来ないままハーフタイムを迎える。

 後半も展開は同じ。エジプトと時々イランが交互にボールを持ちながら相手のブロックを崩す隙を狙っていく。エジプトはサラーが次節以降に影響しそうな負傷での交代をするというアクシデントに見舞われた以外は試合は危なげなく進んでいく。

 エジプトにとってはそれでも問題はないのかもしれないが問題はイラン。80分になってもなかなか試合を動かせずに苦しい展開に。最終盤に頼みの綱となったのはセットプレー。沈黙を破るように急な得点機を迎えたイラン。ネットを揺らすことに成功するが、これはまさかのオフサイド。後半追加タイムでの決勝ゴールは幻となる。

 試合は1-1。イランの突破は後のグループに託されることとなった。

ひとこと

 終盤ギアを上げることが出来ない要因がコンディション起因だったならなかなか切ないものがある。

試合結果

2026.6.26
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループG 第3節
エジプト 1-1 イラン
シアトル・スタジアム
【得点者】
EGY:5′ サベル
IRN:14′ レザイーアン
主審:シモン・マルチニャク

総括

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