第1節 スウェーデン戦

隙を見せたチュニジアを叩きのめすスウェーデン
オランダが勝ちを逃し、混戦模様に拍車がかかりそうなグループF。勝ち点3を取れば頭1つ抜けることができるというのが初陣を迎える両チームの状況である。
パリ式のキックオフでスタートしたチュニジア。ハイプレスに出ていきたいのかな?と思いきや、基本的には5-3-2でブロックを組む形に終始。スウェーデンの3バックにはプレッシャーがかからない状態が続く。
3バックが落ち着いてボールを持つことができるスウェーデン。前進の軸になるのは前線の2トップであるイサクとギョケレシュ。スペースに流れることができてDFの背後に顔を出すイサクとポストからチャンスを探るギョケレシュという2つのターゲットから一気に前に進んでいく。
先制点も彼らを生かした前進から。抜け出したイサクへの対応でバタバタしたところをアヤリのミドルで撃ち抜くことに成功。6分で先制ゴールを決める。
チュニジアはボールを奪ったらすぐさま縦パスから一気に前に出ていく格好。マイボールにするといきなり縦に進むことで一気に進んでいく。
失点したことで時折プレスのスイッチを入れていくように。トップが追い込む形を作ると中盤とバックラインが連動して前から追っていく。
ハイドレーションタイム以降は構えるスウェーデンを相手に少しずつ押し込む機会を作っていくチュニジア。左サイドに落ちるハンニバルから攻撃のルートを探っていく。
しかし、敵陣PA付近でチュニジアの攻撃をカットしたスウェーデンは一気に反撃。カウンターからイサクとギョケレシュの2人で攻撃を完結。イサクの間合いを外すようなシュートにGKのシャマフは準備することができず、スウェーデンはリードを広げることとなった。
ゆったりとボールを持ちながら、相手をいなしていくスウェーデンに対して、チュニジアは無理をしなければいけない状態が続く。スウェーデンの優位は動かないままではあったが、チュニジアはセットプレーからレキクが1つ返し、後半に望みを繋いでハーフタイムを迎える。
後半、チュニジアは5-4-1に布陣を修正。前にプレスに出ていく際にスウェーデンの3バックに枚数を合わせやすくする。
しかしながら、プレスに来たら来たで細かいことをすっ飛ばしてイサクとギョケレシュに蹴っ飛ばしていくというのがこの試合におけるスウェーデンのプラン。なかなかプレスがかからず、ペースを取り戻すことができない。
さらにはビルドアップのミスから決定的な3失点目を献上。イサクとギョケレシュのショートカウンターから追加点を奪ってリードを広げる。
このゴールによって、試合の大勢は決着。チュニジアはペースを引き戻すことができないまま残りの時間を過ごすことに。交代で入ったスバンベリのファーストプレーが4点目を取ると、オープニングゴールを飾ったアヤリがゴールショーの締めくくりを担当。大量5得点のスウェーデンが開幕節を勝利で飾った。
ひとこと
自陣での致命的なビルドアップミスが2つ。チュニジアにとっては重たい敗戦となった。
試合結果
2026.6.14
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループF 第1節
スウェーデン 5-1 チュニジア
エスタディオBBVA
【得点者】
SWE:7′ 90+6′ アヤリ, 30′ イサク, 59′ ギョケレシュ, 84′ スヴァンベリ
TUN:43′ レキク
主審:ヤエル・ファルコン・ペレス
第2節 日本戦

第3節 オランダ戦

貫禄の勝利で堂々の首位突破
すでに突破が決まっているオランダに対して、チュニジアは敗退が決定。残される決定項目はオランダのグループステージの通過順位のみというのがこの試合の状況だ。
裏のカードのスコア次第だけども、最低限勝利が欲しいオランダ。先制点が欲しかったオランダは数分でそのミッションを達成。第2節でも攻略の重要なポイントとなったブロビーのポストから深さを作ることに成功。右サイドから抜け出したダンフリースからオウンゴールを誘発。この日は緊急手当的に最終ラインに入るスキリのクリアが非常に雑になってしまい、失点を喫することとなった。
さらにオランダは立て続けにゴールをゲット。セットプレーの流れからブロビーが押し込んで追加点を生み出す。
チュニジアはこういう状況では仕方ないのかもしれないが、オランダ対策がうまく行っていないのかな?と言わざるを得ない立ち上がり。オランダはスウェーデン戦での再現という感じ、縦パスの出し手にチュニジアは制限をかけられず、ブロビーがポストをしつつラインを下げてくる動きにも対応することができなかった。
失点が重なってもなお、前からのプレスをかけることができないチュニジア。オランダは一方的にボールを持ちつつ、押し込みながらハイプレスで回収。延々と自分たちのターンを続ける。
チュニジアは時折サイドの裏を取ることで陣地回復を仕掛けていくが、逆にこれはオランダの反撃のきっかけを引き寄せることにもつながっていた感じ。スピードに乗ったカウンターを受けるリスクもあった状況となった。
後半も展開は同じくオランダの保持が支配的な状況。引き続き、得点の可能性が高いシチュエーションを作り続ける。
だが、後半の初めに得点を決めたのはチュニジア。ハンニバルを起点とした縦に速い攻撃がようやく決まり、反撃の狼煙を上げる。
この時間帯に日本がスウェーデンに得点したこともあり、非常に日本人として盛り上がる展開だったが、その状況に冷水をぶっかけたのはオランダのセットプレー。ファン・ヘッケの一撃でさらにオランダはリードを広げる。
以降も一方的に押し込むオランダが試合を支配する展開。だが、次のゴールを生ませずにチュニジアは踏ん張りこのまま試合はクローズ。オランダが首位通過でRound32でのモロッコとの対戦を決めた。
ひとこと
さすがに早めの先制点はチュニジアが意地を見せたいという心を折ってしまったかなという感じ。
試合結果
2026.6.25
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループF 第3節
チュニジア 1-3 オランダ
カンザスシティ・スタジアム
【得点者】
TUN:54′ マストゥリ
NED:3′ スキリ(OG), 7′ ブロビー, 62′ ファン・ヘッケ
主審:カティア・ガルシア
総括

やらないに越したことはない
W杯名物の内紛。代表的なチームは2つ浮かぶだろうが、こちらは協会のハチャメチャな舵取りが大火事になったケースである。
そもそも、この大会の1試合目を指揮したラムーシ監督は2026年1月のAFCONの成績不振を経て就任したという経緯がある。その監督を大会途中に更迭。ラムーシは3月の代表ウィークはギリギリ経験できたが、その監督までクビにしてしまうとなると、ハリルホジッチの後に引っ張ってきた西野朗もクビにしたようなものだろう。
やたらと日本のサッカーファンは解任ブーストを恐れる傾向にあると思うのだけども、基本的にはうまくいっていないチームがやることでしかないのが本大会中での解任。「やらないで済むに越したことがないことをわざわざやらないとどうにもならないチーム」であることは間違いなかった。
ルナールを引っ張ってきたこと自体はもちろん人選としては悪くなかったけども、W杯の年にそもそも2回監督を代えたうえでぶっつけ本番で試合に臨むということ自体がダメなのだから、多少人選がいい程度の引きではリカバリーすることができないのは当然だろう。
選手自身のコメントにもあるように「こんなやり方で結果が出るわけがない」というのが正直なところだろう。せめて0-0で試合が持ってくれればという感じではあったものの、オランダ戦でも日本戦でもあっという間にスコアを動かされてしまい、耐える展開は望むべくもない。
ハンニバルが前を向くことができれば多少形になりそうな匂いはしなくもなかったけども、そうした状況を相手の攻撃をかわしながら継続して作っていくのはそれこそ無理な話。即興チームらしい完成度でグループステージに挑んでしまったことは明らかであった。
ルナールもいなくなってしまったので文字通り代表チームは仕切り直し。タレント的には見るべきものがある国だけに悔いが残る大会になっただろう。
Pick up player:ハンニバル・メイブリ
自由を与えれば怖いのは確かなのだけども、それどころではなくなったしまった感。
