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「FIFA World Cup 2026 チーム別まとめ」~ドイツ代表編~

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第1節 キュラソー戦

門番役のドイツがキュラソーを手荒く歓迎

W杯初出場を決めたキュラソー。彼らの歴史の1ページ目を彩るのはW杯の酸いも甘いも知り尽くしている経験豊富なドイツである。

 キュラソーは非常にアグレッシブなスタート。人基準で相手を捕まえにいくアクションを見せる。オールコートマンツーではなく、後方には人を1人余らせるような形。ポジションチェンジにも積極的についていく姿勢を見せた。

 しかしながら、ドイツは狭いスペースでのマンツーを早々に攻略に成功。ヴィルツの落としを受けたヌメチャが先制点をゲット。細かいパスワークでフリーマンを作り、ゴールに陥れる。

 徐々にキュラソーはマンツーの綻びが見えるように。オールコートマンツーではない分、前線がどこから捕まえていくか?というのは重要なのだが、前線のポジションが自由であり、なかなかドイツのバックラインが捕まらない。

 特におそらくは左の前が基本ポジションに見えるハンセンは左の大外にいる機会が少なく、ボールをロストしてからも持ち場に戻るのが遅く、キミッヒがフリーになる。そこにCHのバクーナがスライドすることで簡単に中盤に穴を空けてしまうことに。

 しかし、保持に回った際にはキュラソーは素晴らしいカウンターで反撃。再三狙っていたブラウンの背後や周辺のスペースを対角パスでつくことに成功。ヴィルツとブラウンを同時に釣り出したところからドイツの左サイドの守備を混乱させて、最後はコメネンシアがゴールを仕留める。

 ハイドレーションタイムを挟み、ドイツはネジの巻き直しが完了。サイドの近い関係性からフリーマンを作りつつ、マイナスのパスから積極的にミドルを放っていく。セットプレーからの勝ち越しゴールは完全にキュラソーを出し抜くことに成功。ニアに入り込んだシュロッターベックを阻害するキュラソーの選手はいなかった。

 保持に回れば縦に進む鋭さは垣間見えるものの、ボールを奪うメカニズムはないキュラソー。前半終了間際にPKからハヴァーツの一撃で追加点を奪い、2点のリードでハーフタイムを迎える。

 後半もドイツがポゼッションを敢行。すると47分には追加点を奪う。右のハーフスペースに飛び込んだムシアラが角度のついたところからゴールを流し込む。このシーンでもそうなのだけども、キュラソーの選手は寄せているつもりなのにドイツの選手の行動を阻害できていないケースが多かった。おそらく、寄られた時に自由にプレーできる圧力の感じ方が違うのだろう。

 キュラソーはセットプレーからバクーナが千載一遇のチャンスを得るが、後半の大きなチャンスはこれくらい。あとは延々とドイツがボックス付近まで迫っていく展開。細かいポストから丁寧にシューターをフリーにする形で得点を量産。交代選手も流れるような攻撃に違和感なく絡んでいきながら、手応えのある後半を過ごしていく。

 ハヴァーツの本日2得点目となるゴールがこの日のドイツの締め。大量7得点でドイツがキュラソーを下した。

ひとこと

 距離感を掴んでからは容赦ないドイツが牙を剥いた試合だった。

試合結果

2026.6.14
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループE 第1節
ドイツ 7-1 キュラソー
ヒューストン・スタジアム
【得点者】
GER:6′ ヌメチャ, 38′ シュロッターベック, 45+5′(PK) 88′ ハヴァーツ, 47′ ムシアラ, 68′ ブラウン, 78′ ウンダフ
CUW:21′ コメネンシア
主審:ジェラル・ジェイド

第2節 コートジボワール戦

逆転のきっかけはシンプルへの回帰

 新興国のキュラソーに勝利し、好発進を決めたドイツ。第2節は打って変わって常連組のコートジボワールとの対戦に臨む。

 ボールを持つスタートとなったのはドイツ。第1節と同じバランスで3バックでのポゼッション。LSBのブラウンを片上げする形で3-2-5の陣形を組む。揺さぶりをかけていたのは左サイド。ヴィルツとブラウンの陣形はかなり流動的で、外に流れるヴィルツでCBのコスヌを引き出すなど、少しレーン交換をしながら4バックの相手を揺さぶっていく。

 外から仕掛ける分には手応えがあったドイツだが、インサイドはむしろコートジボワールが優位。ウライがインサイドを封鎖する形でハヴァーツをカットし、カウンターから進んでいく形も。

 ドイツのハイプレスの際にも気になったことだけども、コートジボワールの中盤は割と運べる人が多く、ドイツの中盤がすれ違ってしまうと一気に走られる場面もある。コートジボワールのビルドアップの陣形自体は初期配置から大きく動かさない駆け引きの少ないものだったが、ミクロな1on1で逆を取られると一気に状況は悪くなる。

 トランジッションから勝負をかけるのは左サイド。もちろん、ディオマンデがいるサイド。SBとの二人称から一気に加速していくことで高い位置でのアクセントとなる。この二人称で左サイドから攻略し切った形からケシエがゴール。コートジボワールが先行する。

 追いかける展開となったドイツはインサイドに人をかけてポイントを作りつつ、大外はWGに任せる形。右のサネに攻撃の比重を傾ける形となった。当然、インサイドはコートジボワールが網を張っている部分。この辺りはコートジボワールの守備網に細かい穴を開けられるかの勝負。展開としては一進一退だった。

 コートジボワールはサンガレのサリーからドイツのプレスを落ち着かせて少しずつギャップ作り。1枚剥がしてドリブルをするためのスペースを作りにいく。保持でもプレッシャーを逃す手段をつかんだコートジボワールがリードでハーフタイムを迎える。

 後半もコートジボワールはいい入り。真っ向からハイプレスで潰しにくるドイツをいなして落ち着いた陣地回復。敵陣では右の大外のディアロをボールの落ち着かせどころとしながらボックス付近に迫っていく。

 ドイツは相手を外せない展開で苦戦。押し込みながらもどうにもならない状態が続く。流れが変わったのは3枚交代の直後。手数をかけずにシンプルに!というコンセプトの違いを感じるレベリングのミドルから少しずつドイツの選択肢は力強さ重視という感じになる。

 最終的に決め手になったのはインサイドにターゲットを増やしたことだろう。右サイドからのシンプルなクロスを押し込んだのはウンダフ。ニアのハヴァーツが巧みな動きで2人のCBを釣ったことでフリーになったウンダフのゴールで同点に追いつく。

 一気に流れを持ってくるという展開にはならないドイツだったが、コートジボワールも交代選手がギアアップすることができず。試合は均衡した流れとなる。

 ともに引き分ければ勝ち点は4ずつ。悪くはないよねという雰囲気が漂う中で空気を変えたのはヌメチャの縦パス。後半のドイツらしいダイレクトな展開の動かし方で得点を決めたのはウンダフ。ジョーカーの2得点で逆転勝ちしたドイツがGS突破を劇的な形で決めた。

ひとこと

 シンプルさに舵を切ったドイツ、逆に新鮮。

試合結果

2026.6.20
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループE 第2節
ドイツ 2-1 コートジボワール
トロント・スタジアム
【得点者】
GER:67′ 90+4′ ウンダフ
CIV:30′ ケシエ
主審:ファン・ベニテス

第3節 エクアドル戦

泥臭いモデルチェンジで逆転突破を果たしたエクアドル

 ここまでの2試合での勝ち点はわずかに1。前節はキュラソーをこじ開けることができず、崖っぷちに追い込まれているエクアドル。勝利しかない背水の陣で迎えるのはすでに首位通過を決めているドイツだ。

 しかしながら、その意気込みを挫くようにドイツは早々に先制点をゲット。左サイドのキープからサネがフィニッシュを決めてゴールをゲット。エクアドルからすれば直前のパヴロヴィッチのファウルを取って欲しいということだったが、主審はこの主張を認めなかった。

 この日のドイツの保持はかなりボールホルダーとの距離が近いのが特徴。左サイドに流れるハヴァーツの動きに合わせて斜めのランで内外を入れ替わるとか、あるいは重なるフリをしてスルーするスリーオンラインっぽい動きを入れるとかボール周辺に人を集めてのアクションが多めだった。

 エクアドルからすれば、圧縮自体はしやすそうではあるが、抜けられてしまえばピンチにもなる。そういう意味でも良し悪しという感じであった。

 ドイツの非保持は5-4-1で受ける形。右のWBの位置にサネが入ることで自陣を埋めるようなアクションからスタートする。ゆったりとボールを持つことを許されたエクアドルは切り崩しを探るところではあったが、ポジトラから浮いたアングロによってあっさりとゴールをゲット。ミドルを寄せられない甘さを見せたドイツの隙をついてノイアーを撃ち抜いて見せた。

 試合は一進一退という様子。エクアドルが押し込む時間もドイツが押し込む時間もありながらエクアドルの右、ドイツの左のサイドにフォーカスして人を集めて勝負を仕掛ける。どちらかと言えば人を集めた攻め筋はオフザボールでの連携が効いていたドイツが優勢という格好だった。

 後半になってもなかなか前からのプレスでドイツを捕まえられないエクアドル。ハイプレスに出ることで後半のドイツは擬似カウンターのようなスピードアップができるケースも。立ち上がりにいきなりPKを得た場面があったが、これは直前のドイツのファウルによって取り消しとなった。

 エクアドルの攻撃も直線的な形が多くなり、ポゼッションから落とし所を探っていた前半とは試合の流れは大きく変わったと言えるだろう。ドイツの攻め筋は前半からアイソレーションが多めだった右サイドからのものが増えたことは流れが変わった象徴とも言える。

 得点が欲しいエクアドルによって行ったり来たりという展開が続いた終盤戦。試合を引き寄せたのはセットプレーでの一撃。後半のゴリゴリというスタイルを象徴するような形でプラタがゴールに押し込んでついにリードを奪う。

 これで会場の空気は一気にエクアドル一色に。ドイツの保持が増えた終盤だが、交代選手たちは前任者たちほどのクオリティを発揮することができず。押し込むが何かを生み出すことができないまま時計の針は進んでいく。結局試合はそのまま終了。難しいミッションをコンプリートしたエクアドルが逆転で決勝トーナメントの切符を手にした。

ひとこと

 らしくないゴリゴリで扉を開いたエクアドル。泥臭くてカッコよかった。

試合結果

2026.6.25
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループE 第3節
エクアドル 2-1 ドイツ
ニューヨーク/ニュージャージー・スタジアム
【得点者】
ECU:9′ アングロ, 77′ プラタ
GER:2′ サネ
主審:トリ・ペンソ

Round 32 パラグアイ戦

出戻りハイタワー戦略が不発に終わったドイツがR-32で敗退

 前回大会と異なり、なんとかグループステージの突破を決めたドイツ。首位で迎えたノックアウトラウンドの初戦はパラグアイとの一戦に挑む。

 序盤からボールを持つのはドイツ。立ち上がりは高い位置からプレスを仕掛けてきたパラグアイだが、ドイツは幅を使うところからこのプレスをいなすことに成功する。フリーになったCBは対角パスから大外レーンを活用。今大会ではインサイドに絞るアクションを見せていたヴィルツがこの日は左の大外に立っていたのが印象的。逆にブラウンは絞ることで大外のパスコースを空けに行く。

 右はサネ、左はヴィルツ。パラグアイの守備者はダブルチームをつける様子はなかったし、ドイツの攻撃陣も特にホルダーの周辺に寄っていくようなアクションはなかったため、シンプルな大外の1on1のセットアップが多い展開に。これもインサイドでハヴァーツとウンダフの2枚のターゲットを生かすためということなのかもしれない。

 パラグアイは敵陣でのセットプレーなどのチャンスがある場面もあったが、基本的には前に進めるターンがないことで苦戦。自陣からの脱出ができずに受けに回ったままハイドレーションブレイクを迎える。

 中断明けも延々とポゼッションが続くドイツ。ただし、主体なのはあくまでクロス。ハヴァーツとウンダフを並べた意味を見出すのであればそれでもいいのかもしれないが、外と中のコンビネーションから揺さぶっていく姿はかなり少なくなった。右サイドに出張したヴィルツが絡んだ攻撃は少ないながらも良かっただけに、もう少しここを使っても良かったように思えた。

 前進の機会がないパラグアイだったが、少ない機会での先制に成功。セットプレーからの二次攻撃で先制。アルミロンの外を回るガラルサからのクロスを最後はエンシソが仕留める。少ないチャンスを生かしてパラグアイがハーフタイム前に前に出る。

 後半もドイツがボールを持つ展開は続くが、なかなか波には乗れず。シンプルなクロスの跳ね返しからカウンターのピンチを受けたり、無駄なオフサイドで攻撃の流れを切ったりなど。パラグアイのエンシソのファストブレイクの方が手応えがある状況だった。

 しかし、そうした悪い流れを変えたのはハヴァーツ。マークを受けながらもワンタッチですらすことに成功して同点ゴールを確保。リードを帳消しにする。

 このゴールでオフザボールが活性化したドイツはムシアラを投入し、MFを増やして揺さぶりをかける。これで攻め筋を変えるのかと思いきや、再びヴォルテマーデを入れてタワー型戦略に舞い戻るというのはやや不思議な感じはした。

 延長戦はヴォルテマーデとハヴァーツを使いつつ、クロスのターゲットとポストからのミドルの二刀流で攻めていく。ラインは上がらない、プレスはかからないという状態のパラグアイであったが、ボックス内を防衛するというデッドラインだけはなんとか守り抜くことに成功する。

 PK戦までもつれた一戦は6人目で決着。ドイツの夢をパラグアイがくじき、Round16に駒を進めることになった。

ひとこと

 基本的にはパラグアイが好きなフィールドで戦ってしまった感があったし、その上での行ったり来たりということでプランニングの成否は気になるところである。

試合結果

2026.6.29
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 32
ドイツ 1-1(PK:3-4) パラグアイ
ボストン・スタジアム
【得点者】
GER:54′ ハヴァーツ
PAR:42′ エンシソ
主審:ジェラル・ジェイド

総括

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