
輝きを放ち出したボスニア・ヘルツェゴビナのアタッカー陣
もう1つのカードの余裕さとは対照的に、こちらは現実的には3位通過を目指す両チームの試合。勝てばW杯の初勝利という名誉もかかっている重要な試合である。
4-5-1で構える形がメインとなったカタールに対して、ボスニア・ヘルツェゴビナがポゼッションするスタート。外にボールを循環させつつ、左サイドのアライベコヴィッチとコラシナツの縦関係から打開を狙っていく。
とにかくこの日のボスニア・ヘルツェゴビナは積極的な姿勢が目立ったのが特徴。前が開いたらガンガン打つということを意識しており、割り切った様子が見られた立ち上がりだった。
一方のカタールは基本的にはカウンターベース。9番の位置に立つアフィフはさすがに偽CF。中盤まで降りるアクションからボールを引き取り、そこから背後を狙うパスを出していく。アフィフを起点に裏抜けから直線的に向かうというのがカタールのプランだった。
こうなってくると単発の攻撃であるカタールに対して、ボスニア・ヘルツェゴビナは保持の機会が増えていくことに。徐々にカタールを押し下げていく。サイドから押し下げていきつつ、セカンド回収という形でバイタルが空くか?というのがこの試合のポイント。そのポイントを制したのがアライベコヴィッチ。セカンド回収ではなく、ドライブで中盤を剥がすことでシュートのスペースを確保。振り切ったシュートで豪快な一撃を見事に決める。
カタールはプレスを強化していきたいが、ボスニア・ヘルツェゴビナはデミロヴィッチを中盤に下ろすことで中央の数的優位を構築。ボスニア・ヘルツェゴビナがビルドアップの時にバックスがプレスを1枚引き寄せることでカタールは中盤が足りなくなってしまう。結果的にプレッシングは空転となった。
ボスニア・ヘルツェゴビナは押し込む局面を継続。右サイドからのジェコのクロスがオウンゴールを誘発し、リードを広げることに成功する。
ボスニア・ヘルツェゴビナの一方的な展開だった前半だったが、カタールは終盤に反撃。4-4-2の際にはボスニア・ヘルツェゴビナはなかなかプレスにいくことができないことを逆手に取り、右に流れるアフィフからサイドの裏を取ることに成功。あれよあれよという間にボックスに入って行き、最後はアル・ハイドゥースがゴールを決める。
後半、ボスニア・ヘルツェゴビナはもう1回ポゼッションから展開をキープ。アライベコヴィッチとコラシナツの左サイドから展開を掴み直す。降りるアクションが多かったデミロヴィッチが背後を取る動きから変化をつけていく。
ボールを持つ側になった場合のカタールは前半同様にボスニア・ヘルツェゴビナの消極的なブロックに対して、追い込むことができるように。展開としては一進一退の攻防となる。
終盤にもう一度ギアを入れ直したのはボスニア・ヘルツェゴビナの方だろう。右サイドのバイラクタレヴィッチのカウンターからパンチのあるミドルを放つと、ここから勢いに乗ることに成功。マフミッチがゴール前で粘りながらゴールを叩き込み、試合を決定づける3点目を決める。
初勝利と3位からの決勝トーナメントのチケットを手にしたのはボスニア・ヘルツェゴビナ。滑り込みでW杯の旅を続けることに成功した。
ひとこと
ようやく若いWGたちが輝き始めたボスニア・ヘルツェゴビナだった。
試合結果
2026.6.24
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループB 第3節
ボスニア・ヘルツェゴビナ 3-1 カタール
シアトル・スタジアム
【得点者】
BIH:29′ アライベコヴィッチ, 34′ アルブラキ(OG), 80′ マフミッチ
QAT:42′ アル・ハイドゥース
主審:ヘスス・ヴァレンズエラ
